
アンティキティラの沈没船は、約2000年前のローマ時代に沈んだとされる船で、1900年に地元のダイバーによって発見され、翌年にアンティキティラ島の機械が考古学者によって回収された。
まだ未探査な場所が多く、様々な遺物がこの船と周辺に残されている。そうしたものを研究すれば、当時の航海の様子も明らかになるだろうと期待されている。
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アンティキティラの沈没船から新たな遺物の回収に成功
紀元前60年頃のローマ時代の貿易船と考えられているアンティキティラの沈没船からは、1900年にギリシャ、アンティキティラ島グリファディアの沖合で発見されて以来、いくつもの興味深い発見がなされてきた。今回「リターン・トゥ・アンティキティラ」の研究グループは、大きな岩石を取り除き、これまで入ることができなかった部分を調査することに成功。2000年前の貴重な遺物が発見された。

ヘラクレスの大理石像の頭部や人骨を発見
例えば、海の堆積物にびっしりとおおわれた足つきの大理石像の頭部や台座だ。頭部は「ヘラクレス」らしき男性をかたどったもので、1900年に海から引き上げられた首無し像「アンティキティラ島のヘラクレス(Herakles of Antikythera)」のものと考えられている。

ヘラクレスは、ゼウスとアンフィトリュオンの妻アルクメネとの子でギリシャ神話で、最大の英雄とされている。

さらに人間の歯も2本見つかっており、堆積物に埋まって1世紀以上、沈没船の中にあったと思われる。
遺伝子や同位体の分析を通じて、2000年前に船旅をした人々について知る手がかりを得られることが期待されている。
アンティキティラの沈没船はローマ時代の貿易船だった可能性
アンティキティラの沈没船は当時の品々や人間の名残を今に伝えてくれている。数体のブロンズ像や石棺、宝石、石像などが発見されており、更には、2000年前の人間の頭蓋骨が発掘され、「パンフィロス」というのニックネームで呼ばれるようになった。そしてあの有名な世界最古のアナログコンピューターと呼ばれている「アンティキティラ島の機械」だ。
このように様々なな品々を積んでいたことから、沈没船はもともと貿易船だった可能性が濃厚だ。
今回発見された遺物の調査からも、船の航海についても、新たなる事実が判明することが期待されている。
全容は不明ながら、全長40メートルの船は、地中海東部からローマに向けて航海していたものと考えられている。その途中で嵐に遭遇し、アンティキティラ島沖合の岩石に衝突し、海の藻屑と消えた。
追記:(2022/06/22)(2022/06/23)本文を一部訂正して再送します。
References:Press release: “Return to Antikythera 2022” / Hercules’ Missing Marble Head Found On 2,000-Year-Old Antikythera Shipwreck | IFLScience / written by hiroching / edited by / parumo
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コメント
1.
2. 匿名処理班
1900年代の引き上げ時に、途中でロープが切れて潜水夫では手出しが出来ない深いところに落ちていった像があったらしいけど、そっちの調査とかもされるのかな
現代なら潜水艇があるから行けそうではあるけど
3. 匿名処理班
ロードス島の近くか
4. 匿名処理班
「機械」の他のパーツが続々発見され、結局
「綿あめ製造機でした…」
5. 匿名処理班
ところどころアンティキラになってない?
6. 匿名処理班
歯のDNAから子孫が分かりそう