メインコンテンツにスキップ

火山学者が新しいタイプの火山噴火を発見、そのメカニズムとは?

記事の本文にスキップ

6件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 2018年、ハワイのキラウエア火山が噴火し、大勢の住民が避難を余儀なくされた。最新の研究によると、この噴火はこれまで見たこともないまったく新しいタイプの噴火だったという。

 米オレゴン大学をはじめとする火山学者(地球科学者)チームは、この新種の噴火について、”足でポンプを踏んで飛ばすおもちゃのロケット”のようなものと語る。

 つまり、通常の噴火のようにマグマの上昇や水蒸気ではなく、地盤の崩壊による急激な圧力上昇によって引き起こされたというのだ。いったいどういうことなのか?

ハワイのキラウエア火山で起きた12回の連続噴火

 2018年にハワイのキラウエア火山で起きた12回にわたる連続噴火は、数千の家屋を溶岩流で破壊し、大勢の住民に数ヶ月もの避難を余儀なくさせるなど、地域の暮らしに甚大な被害を及ぼした。

 ハワイ島南東部に位置するキラウエア山は、今もなお活発に活動が続いている活火山である。噴火を正確に予測し、その被害から地域を守るため、山には無数のセンサーが設置され、常に監視が行われている。

この画像を大きなサイズで見る
2018年キラウエア火山噴火時の様子 / image credit:USGS

新しいタイプの噴火だった

 そうしたデータを調べた火山学者の興味を引いたのは、2018年の噴火にマグマの上昇も水蒸気の関与も見当たらなかったことだ。

 普通なら、噴火の裏ではそのどちらか、あるいは両方が働いている。ところが、今回の噴火はこれが当てはまらなかった。

 しかも珍しいことに、同じような噴火が連続して起きた。火山の噴火がこれほど規則的に起こることは滅多にない。

 だが、そのおかげで普通よりも多くのデータを手に入れ、珍しい噴火の様子を詳しく調べることができた。

 その分析から、2018年の噴火がまったく新しいタイプの噴火であることが明らかになったのだ。

この画像を大きなサイズで見る
噴火の前に地下の貯留層からマグマがゆっくりと排出されていた / image credit:USGS

ニュータイプの噴火のメカニズム

 今回初めて観察された噴火は、まず地下に溜まっていたマグマがゆっくりと流出することではじまった。このマグマは、40km離れた別の火山の東側に流れ込んでいた。

 こうしてマグマ溜まりが空っぽになると、その上にあった山頂の火口が突如として崩壊。そのせいでマグマ溜まりの圧力が急激に上昇することになった。

 マグマ溜まりの上部にはマグマから発生したガスが充満していたため、上昇した圧力によってガスや瓦礫が押し出され、キラウエア火口から噴き出した。これが2018年の噴火だ。

この画像を大きなサイズで見る
キラウエア山で起きたニュータイプの噴火 / image credit:USGS

 こうした噴火プロセスは、ポンプを踏んで空気の力で空中に発射させるおもちゃのロケットに喩えられる。

 ポンプの役割を果たしたのが厚さ1kmの岩石の崩落で、ロケットがガスと瓦礫の噴出だ。驚いたことに、そのときの溶岩には緑の宝石が含まれていた

 キラウエア火口で見られた噴火は火山学者が初めて目にするタイプだったが、カルデラの崩壊自体はよくあることだ。

 そのため、同じようなプロセスによる噴火はこれまでにも起きていたと考えられるという。

 だが問題の噴火が、比較的小規模でしかも連続的だったおかげで、その背後で起きていたプロセスの観察を容易にしたのかもしれない。

 これとはまた別のプロセスが起きて、本来のプロセスを覆い隠したりしなかったことが幸いしたのだ。

 とはいえ、キラウエア火山がシンプルな作りというわけではない。

この画像を大きなサイズで見る
image credit:Illustration by Ben Holtzman/Eos

 よくある火山のイラストでは、マグマ溜まりから火口へ真っ直ぐに通路が伸びていたりするが、実際にはそこまで単純ではない。

 科学機器がたくさん設置されたキラウエア火山では、マグマが上昇する通り道がどんどん見つかっており「幾何学的な複雑さ」であると、オレゴン大学の火山学者レイフ・カールストロム氏は語っている。

 この驚くべき発見は『Nature Geoscience』(2024年5月27日付)で発表された。

References:Earth scientists describe a new kind of volcanic eruption | Around the O / written by hiroching / edited by / parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 6件

コメントを書く

  1. 「Nature Geoscience」クリックしたけどオープンアクセスじゃないから
    無料で見れませんね
    地球科学って面白そうだけど、学会はタコツボ化して閉鎖的なイメージ

    • -1
  2. 噴火のメカニズムが判明したあとだと「ありそうな噴火の仕方」ではありますね

    • +4
  3. 直接見えない地下の出来事をちゃんと把握できるように観測を続けてるの改めてかんがえるとすんごいなぁ
    お陰でこうしてリラックスしてスマホを見てるだけで新しい知見に触れる事ができる。なんてありがたい!

    • +1
  4. そもそも大型カルデラの大噴火がそれなのでは?
    新発見か?

    • -2
    1. >>4
      証拠もないのに「それなのでは?」とはどういうことでそうか?
      そう思うならばできうる限りのデータを並べて、そうだと証明しください。それが科学です

      • 評価
  5. すみませんが・・・現在は「活火山・死火山」って言葉は使わないんですけど!!

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

自然・廃墟・宇宙

自然・廃墟・宇宙についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。