この画像を大きなサイズで見る地球のミステリーゾーン深海で、長くて黒っぽい謎物体を引きずって泳ぐ、奇妙なイカの姿がとらえられた。
実はこのイカは抱卵中のテカギイカ。卵を抱卵することから抱卵イカとも呼ばれており、この黒っぽいものは数千個もの卵の塊だ。
一般にイカは卵を産みっぱなしと考えられているが、中南米コスタリカ沖で観察されたこのイカは、抱卵する数少ないイカの一種であることを知らしめている。
まだ卵の子どもたちを大切に抱えて泳ぐイカのシーンは圧巻で、海洋学者も目を見張る珍しい光景の一つだという。
深海で卵塊をなびかせながら泳ぐテカギイカ
昨年末、中南米コスタリカ沖の深海で、卵塊をなびかせながら泳ぐテカギイカ(Gonatus Onyx)のメスが目撃された。
この画像を大きなサイズで見る黒色をした卵の塊は、薄い膜に数千個もの卵一つひとつが付着したもの。遠目には布のように見える。
テカギイカは他の腕よりも少し長い2本の足(腕)の先にかぎ爪のような器官があり、そこに柔らかい卵塊を引っかけながら抱きしめて運んでいるそう。
抱卵する数少ないイカの一種
非営利組織シュミット海洋研究所の2023年12月12日のインスタ投稿より
コスタリカ・カバリト沖で目撃した抱卵する数少ないイカの一種の映像(見やすさのため90度回転)
最近の海洋調査でとらえたテカギイカ。大きな卵塊を大切に抱え続ける親は、卵がふ化するまでの数ヶ月を餌を食べずに過ごす。
イカは生来の中性浮力で海中に浮かぶことができるが、抱卵中は素早く泳ぐことができないため、深海に潜む海洋哺乳類の餌食になりやすい。
思ってたのと違う。海洋生物学者が卵を抱いて泳ぐイカを観察
自然界で卵を抱く生物の姿はとりたてて珍しいものではない。だが「抱卵するイカ」の種が認められたのは比較的最近のことだ。
それまで海洋生物学者らは、アオリイカやその他のイカたちは海底に卵を産みつけ、卵はそこからふ化して育つものだと考えていた。
ところが2001 年、モントレー湾水族館研究所 (MBARI) の博士研究員ブラッド・セイベル氏が、カリフォルニア沖のモントレーキャニオンで、卵を抱いて泳ぐテカギイカを観察した。
遠隔操作の潜水艇のレンズ越しに見たそのイカが、これまでの思い込みを覆すことになったのだ。
最大3,000個もの卵を抱卵。母親にとっては命懸け
科学メディアのインタビューを受けたセイベル氏は、当時を振り返り「鮮明に覚えているのは、まず座席から飛び降りたことです」と語っている。
セイベル氏らチームが2005年に行った、テカギイカのメスの抱卵行動に関する研究によると、テカギイカのメスは、最大3,000個もの卵の塊を抱いたまま泳ぎ続ける。卵に新鮮な水を送って酸素を供給し続けるためだ。
この画像を大きなサイズで見るその期間は数カ月にわたり、母親は卵塊からふ化した赤ちゃんイカがそれぞれに泳ぎ去るまで見守るが、とりわけ抱卵は母親のイカにとって命懸けの行為となる。前述したように、抱卵中は早く泳げず、他の天敵の餌食になりやすいからだ。
「ただただ驚嘆」「初めて見た!」とのコメント殺到
海洋化学および地球化学を専門とするジュリー・フーバー博士さんのX投稿より
私たちが見たテカギイカです。足(腕)に抱えているのは数千個もの卵!それを数か月にもわたって抱え続けます。
海洋学者も圧倒されたテカギイカの抱卵シーンはインスタグラムで2万8千件以上ものいいねがつき、こんなコメントが殺到。
・これだけたくさんの卵がふ化したとして、生き延びて繁殖するのは何匹?すごいな
・ウナギでもつかんで泳いでるのかと思ったら卵か!
・すばらしいね。広大で美しい海を故郷にするすべてのものにただただ驚嘆した。シェアしてくれてありがとう!
・イカの卵の塊ってこんなふうなんだ。初めて知った。古い毛布みたいだ。
・史上最も不気味に思える生物の一種だが、このシーンをとらえたチームには感謝。
・一日中見てられるやつ。あらためて生命はすごくユニークで美しいものだと感じた。
太平洋と大西洋に最も多く生息する頭足類
ツツイカ目 開眼亜目 に属するテカギイカの体長は18cmほど。特徴的な黒い目から英語圏では、Black-eyed squid(黒い目のイカ)とも呼ばれている。
セイベル氏の研究によると、このイカは太平洋と大西洋に最も多く生息する頭足類の一種で、日本からカリフォルニアの海にかけての北太平洋では主に1,900 メートルより深い海で見られるという。
2024年10月下旬、テカギイカの抱卵する見事な映像がシュミット海洋研究所のInstagramに公開されていたので、こちらも見てみよう。
日本で撮影された「抱卵する謎のイカ」もテカギイカの一種と判明
ちなみに日本でも、北海道で撮影された卵を抱くテカギイカの一種が注目を集めたことがある。
公益財団法人 知床財団によると、1991年、北海道の羅臼町沖で撮影された卵を抱くイカの写真が、1995年に学術誌で世界初の貴重な記録と紹介された。
そのイカはしばらくの間、種名が特定できない「抱卵する謎のイカ」として扱われていたが、本格的な調査の結果、2013年に北太平洋に広く分布するササキテカギイカ(Gonatus madokai)と判明。
特定が難航した主な理由は、記録が写真のみだったことに加え、過去にこの種の抱卵が報告されていなかったこと、さらに写真のメスの体型が、産卵前の姿とは似ても似つかない体型になっていたことだった。
なお産卵と抱卵で全エネルギーを使い果たしたササキテカギイカの体は、クラゲのようなゼリー状になり、触れるとバラバラになるような状態だったそうだ。
たくさんの卵を抱え命がけの育児にがんばるテカギイカ
やがて卵からかえるわが子たちを抱きかかえ、命懸けで卵を守り続けるテカギイカ。
何も知らずに遭遇すれば、不気味で得体のしれない生物に空目しそうだが、実は育児の真っ最中なのだ。
この画像を大きなサイズで見るただ単にイカといってもその習性はやはり多様で興味深いもの。母親の腕に抱かれながらふ化を待つ数千の小さな命がどうか無事に育ちますように。
References:livescience / twitter / instagram / wikipedia / hindustantimes / shiretokoなど /written by D/ edited by parumo














すごいじゃなイカ?
そんな大事なものさらして危なくなイカ?
>>2
想像だけど広く薄く子供をばらまくことでエサの取り合いが減ったり、生まれた直後の集中しているときや卵を丸ごと食べられたりが少ないというメリットがありそうですね。
>>8
身体の中から出たときは薄い・小さいけど水中に出て、吸水(ふやけるともいう)して体積が増えたりしたんじゃないかな。カエルの卵なんかも透明なところの総量は母カエルの体積よりも大きそうじゃない?
おかーちゃん…😭
エサを取ることもなく(この状態だと捕れないよね)抱卵するのが3ヶ月。。。卵が孵化した後力尽きてクラゲのようにゼリー状になってしまうとのことだから、スゴい負担なんだろうね。
眼力が凄い。
なんで孵化に何ヶ月もかかるんだろう、代謝が遅いのかね
この体積どこから絞り出したんですか…
過酷な繁殖方法だけどこうして残ってるんだから一応最適解の一つなんだろうな
イカの抱卵なんて初めて知った
動画もクリアで美しいね
やっぱカラパイアではこういう記事をたくさん読みたいわ
深海の暗闇&ライトにボヤッと当たってる感じ&異様な生物のギョロギョロした目
もう本当に恐怖すぎて鳥肌立つ
でも見ちゃう
なんだ18cmか
もっと巨大だったら恐怖だが
やっぱり深海怖すぎ
母親の本能ってすごいよね~
いやすごいと思うんだけど、それ以上に絵面がキモいというか恐怖なんよ
わからんけど深海ザメとかからご馳走扱いされてないのかな
動く親子丼みたいなもんでしょ
>>16
『海はひろいなおおきいな』って歌われてるの知らない? 海(外洋)を見たこと無いんだろうね
ルール無用常識破りの深海生物たちは面白いな、もしたったこの一種が絶滅しちゃったらこの生態を持つイカはいなくなるってことだろ?
それでも今も生き残ってるってことは、奇想天外ながらも有効な生存戦略なんだなあ
これ足を延長したような形からして囮の役割も果たしてるってことない・・・?
先っちょの卵が食べられてる隙に母親と根本の卵は逃げられる的な・・・
虚ろな目が怖いな。
ま、睨まれても怖いんだが。