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ひとりでできるもん。交尾なしにメスだけで子供を産む「単為生殖」が確認された8種の生物

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(著) (編集)

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 神秘に満ちた自然界では、交尾(交配)をしなくても子供を作れる生物たちが存在する。

 そうした受精なしで単独で子を作ることを「単為生殖」という。一般には、オスとメスが交尾をすることで子供を作る種のメスにもかかわらず、未受精卵から子供を作ることから処女生殖とも呼ばれている。

 以下では、そんな単為生殖で子供を作れることが確認された8種の生物を紹介しよう。一部昆虫(ナナフシ)やヘビが登場することをあらかじめ言っておくよ。

1. コモドドラゴン(Varanus komodoensis)

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コモドドラゴンがオスなしで子供を作れることは2006年に判明した / photo by iStock

 コモドドラゴンの単為生殖は2006年に初めて記録された。当時、コモドドラゴンはヨーロッパに2頭しかいなかった。

 イギリスのチェスター動物園で飼育されていたそのうちの1頭のメスが、オスもいないのに卵を25個も産んだのだ。

 2020年2月末、アメリカ、テネシー州にあるチャタヌーガ動物園でもメスのコモドドラゴンが、単為生殖により卵を孵化させ3匹の子が誕生し、元気に育っているという。

2. ウチワシュモクザメ(Sphyrna tiburo)

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photo by Pixabay

 米国ネブラスカ州、ヘンリー・ドアリー動物園&水族館でのとある朝、ウチワシュモクザメの水槽を見た飼育係は仰天した。

 そこにはメスが3匹しかいなかったのに、サメの赤ちゃんが泳いでいたのだ。もちろん同種のオスはいなかったし、異種間で交尾した形跡もなかった。

 こうした現象は、飼育される以前に海でもらった精子が体内に保存されているからだろうと推測されてきた。

 だがウチワシュモクザメが海で捕獲されたのは3年も前のことで、当時は性的にも未成熟だった。

 そのため水族館に来る前にオスと交尾したとは考えられないのだ。のちの遺伝的な調査で、生まれた子供が単為生殖によるものであることが確認されている。

 なおウチワシュモクザメだけでなく、トラフザメ(Stegostoma tigrinum)、ツマグロ(Carcharhinus melanopterus)、スムーズハウンド(Mustelus mustelus)といったサメでも、単為生殖が確認されている。

3. カリフォルニアコンドル(Gymnogyps californianus)

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カリフォルニアコンドルのメスは、オスがいてもあえて彼らに頼ろうとはしない / photo by iStock

 絶滅の危機に瀕するカリフォルニアコンドルだが、そのメスは自立心が旺盛だ。だから、たとえオスがいたとしてもと、自分だけで子供を産んでしまう。

 米カリフォルニア州にあるサンディエゴ動物園のスタッフは、コンドルの数をどうにか増やそうと、メスをオスと一緒に飼育してみることにした。

 だが、オスはお呼びじゃなかったようだ。生まれた2羽のヒナのDNAを検査したところ、確認されたのは母親のものだけだった

4. チビナナフシ(Timema)

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単為生殖が確認されたチビナナフシの一種、Timema shepardi / image credit:public domain/wikimedia

 他の動物とは異なりナナフシにとって単為生殖は日常の営みだ。なにせチビナナフシ属(Timema)の仲間は、単為生殖のみで繁殖し、100万年に渡って続いていると考えられていた。

 だが交尾なしでの繁殖は理想的ではない。長期的に見ると単為生殖は変化する環境に適応する能力に悪影響を与える可能性があるのだ。

 ではチビナナフシはどのようにしてこれほど長く生き残ることができたのか?

 『Proceedings of the Royal Society B』(2023年9月20日付)に掲載された研究では、4種チビナナフシの8集団が調べられた。

 その結果、単為生殖しかしないと思われていたチビナナフシだが、実はひそかに交尾をしていた痕跡があったのだ。

 4種類のうち2種類は時々交尾をすることで遺伝子プールに多様性を生み出し、リスクを制限していることがわかったという。

5. ブラーミニメクラヘビ(Ramphotyphlops braminus)

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このヘビにオスはいるのだろうか? / image credit:Hinrich Kaiser and Mark O’Shea / WIKI commons

 ミミズそっくりのブラーミニメクラヘビもまた、オスなしで子供を作ると考えられている。というか、これまでのところメスの個体しか見つかっていない。はたしてオスはどこかにいるのだろうか?

6. クマムシ(Tardigrada)

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地球上最強の生物は、繁殖法も臨機応変だ / photo by iStock

 圧倒的な生命力と防御力で極限環境に耐えることで知られるクマムシは、子作りも臨機応変だ。

 基本はオスとメスがいるが、単為生殖をしたり雌雄同体(1つの個体がオスとメス両方の器官を持っていること)がいたりもする。ただし単為生殖するのは、湖や陸上の生息地にいる時の方が多いようだ。

7. アメリカワニ(Crocodylus acutus)

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コスタリカでアメリカワニが単為生殖することが判明したのは、ようやく今年になってのことだ / photo by iStock

 アメリカワニの単為生殖が確認されたのは、今年になってのこと。

 コスタリカの動物園「パルケ・レプティランディア」で飼育されているメスが、16年もオスに会っていなかったというのに、14個の卵を産んだ。

 ただ残念ながら、その卵から元気な赤ちゃんは生まれなかった。14個のうち、育ち始めたのは7個。きちんとした胎児が形成されたのは、たった1個だけだ。

 そしてその赤ちゃんもまた結局は死んでしまった。DNA検査の結果、その赤ちゃんの遺伝子は、母親であるメスのワニの遺伝子と99.9%以上一致していたそうだ。

8. アマゾンモーリー(Poecilia formosa)

Amazon molly (Poecilia formosa)

 アマゾンモーリーは、メキシコや米テキサス州などに生息する淡水魚だ。その名のアマゾンとはアマゾンの熱帯雨林ではなく、ギリシャ神話に登場する女だけの部族「アマゾーン」にちなんだもの。

 部族「アマゾーン」の女性たちは子供を産むために他部族の男と交わり、男の子が生まれれば殺し、女の子しか育てない。

 この伝説を地でいくアマゾンモーリーのメスは、子供を産むために異種のオスから精子をもらう(そもそも同種にオスがいない)。

 ところが、これはあくまできっかけにすぎず、そのオスの遺伝子が卵に組み込まれることはない。生まれてくる子供は、メスのみから遺伝子を受け継いでいる。

References:8 animals that have virgin births | Live Science / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 32件

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  1. こういう場合、子供は母親の遺伝子のみを受け継ぐ事になるんだよな
    って事は子供は母親のクローンになるの?

    • +12
  2. 環境とか個体数によって性別を入れ替えることができるやつもいたよね?

    • +14
    1. >>2
      確か勝負に負けるとメスになるとかそんな生態
      ウミウシだったかな

      • 評価
    2. >>2
      確かカクレクマノミもこれじゃなかったっけ?
      性別が固定されてなくてカップルになると雌雄が分かれて繁殖する…ってやつ。
      映画のニモが流行った時にそんな話題を見た気がする。

      • +7
  3. 女王ハチも単体生殖可能だけど、正規にやった
    子しか女王になる資格無いという不思議な生態
    多分万が一巣がクマーや毛の生えたサルに破壊され
    逃げた地域でも巣ができるように予備の子かもな

    • +5
  4. 2024年1月1日の記事なので、原文が「今年になって」と言っていても、去年とか2023年にした方がいいのでは?

    • +5
  5. 虫や魚はともかく、コンドルはびっくりした

    • +19
    1. >>5
      これだけ隔たった種でそれぞれ単為生殖が見られるということは
      遥か昔の共通祖先が単為生殖で、そこから有性生殖が進化した後もその遺伝子を(使われないだけで)隠し持ってると思われる。

      • +2
      1. >>14
        人間の中にもひっそりと雌だけで繁殖しているグループがいるかもしれんな

        • +2
        1. >>28
          聖母マリアが浮かんだけど
          生まれたの男の子な上に
          結局子供も(推定)未婚で死んでるから
          繁殖してなかったわ

          • +2
          1. >>30
            マリアの「処女懐胎」は「男性と関係を持ったことがないが子を授かった」じゃなく、「結婚してないのに妊娠した」ってニュアンスをくみ取れず翻訳しそこなった結果って聞いた(要は「単純に婚前交渉で子を授かった」のが誤訳のせいで神秘的になったと)

            • +5
          2. >>31

            違うよ。ヨセフはイエスの父親とはされてないし。

            • 評価
  6. コンドルみたいな高等な意識がありそうな生物って意図して単為生殖するのかな?一人で産んだほうがまし、とか判断するのかな

    • +4
    1. >>6
      単性生殖とか意図して出来るもんじゃないでしょ

      俺も昔ミステリークレイフィッシュ飼ってた
      一匹で飼ってても無限に増えるもんだから大変だったよ

      • +8
  7. 最後の手段でこれができるから生物はメスの優先度が高いんだよな
    いくらでも替えの効くオスと、単独で頭数増やせるメス
    アリさんはその辺り徹底してるね
    働くのも戦うのもリーダーも全部メスで交尾終わるとオスだけポイ捨て
    末恐ろしいほどの合理性

    • +15
    1. >>8
      アンコウなんかオスの全てを取り込むもんね

      • +9
  8. どっちでもOKな奴等の場合は緊急処置だよね
    何はともあれ数増やすのが重要な状況だって事なんだろうな

    • +9
  9. 沖縄の大東島に生息してるヤモリもメスしか居ないらしい。

    • +8
  10. コストや生存可能性などからこれの何が有利なのか、色々考えたけど解らなくて
    やはり絶滅前の最後の手段を先祖が経験しているんじゃないかなと思ったりする。
    哺乳類も卵細胞を定期的に捨てているので、いつかバグで産まれることはあるかも?

    • +1
    1. >>13
      繁殖相手を見つけるまでの時間稼ぎだよ
      自分の遺伝子を残すために一世代分の猶予を作れる
      動物園や水族館みたいな閉じられた環境だと孤立や絶滅のスイッチが入るんだろうな

      • +10
  11. オスはもう滅びよ…
    私らが社会を作っていく!byメス

    からの、オスが必要!

    そして誰もいなくなった…的な終わり方やろ
    単一の性別だけで社会が続くものなの?

    • -8
    1. >>15
      続いているから記事の動物たちが生存しているのでは?

      • +5
  12. どんな環境でも遺伝子を残そうとする生存戦略すごいな

    • +9
  13. 日本のギンブナも、アマゾンモーリーみたいな繁殖ですね。

    • +3
  14. 身近なところでゴキブリもオスがいない場合メスのみで繁殖できるよね。
    もともと我々オスは遺伝子交配多様性のための存在みたい。

    • +2
    1. >>23
      えぇ…Gはそこまで繁殖に強いんか…

      • +2
  15. 人間もさ、男だとか女だとかに関係なく全ての人が両性(フタナリ)になり、パートナーとなる人と相談して父になるか母になるか、又は本人の性自認によって男女の別を決められるようになれば良いのにね。
    そうしたら少子化も防げるし、性差による差別やいさかいもなくなって真の男女平等社会になるんじゃないかな。
    ただ、やはり母体になる人は負担が大きくて母親やりたくない人が多そうだから、そこは母体になってくれる側の人には手厚い支援や手当てとか支給され、社会的にも尊敬される存在として敬われるようにすれば良いと思う。

    • -1
    1. >>24
      シドニアでそんな話があったな
      ヒロインの一人が中性でだんだん女に傾いていくやつ

      • +3
  16. 母親やりたくないって…まるで産む機械じゃん
    やるやらないじゃなくて女性は無条件にやらされてるのにすごいね

    • +2

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