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ストーンヘンジは冬至の日没を崇めるために建てられた可能性

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(著) (編集)

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 今年の12月22日、北半球は冬至を迎えた。冬至は1年間で太陽の位置が最も低くなる日で、北半球では1年間で日の出から日没までの日中が最も短くなる。

 英国の考古天文学者によると、実はストーンヘンジは、この重要な冬至の日没を崇めるために建てられたのだという。

 現代の巡礼者たちは、夏至の日の出を拝むために、毎年6月に大挙してストーンヘンジを訪れる。つまり、ここにやってくる早起きの人たちは、実際には間違った時刻に、間違った方向を見ていることになるというのだ。

ストーンヘンジの誤った物語

 英国ウィルトシア州ソールスベリー平原にストーンヘンジが建てられたそもそもの目的は、長い年月の霧の中に失われてわからなくなってしまった。

 西暦1100年、聖職者で歴史家のジェフリー・オブ・モンマスが、これは魔術師マーリンが建てたのだと主張した。

 1640年には、哲学者のジョン・オーブリーが、この建造物をドイルド僧と関連づけ、1655年には、建築家のジョン・ウェブが、ストーンヘンジは、ローマの空の神カイルスに捧げられた神殿だと主張した。

 この巨石遺跡がなんのために作られたのか、その本来の目的について長い間憶測が飛び交い、多くの嘘が流布されてきた。

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photo by Pixabay

ストーンヘンジの本当の役割は?

 今日、考古学者たちの間では、ストーンヘンジは新石器時代後期の遺物で、もともと紀元前3100年頃に建てられ、紀元前2500年頃まで発展していたという意見で一致している。

 紀元前1520年頃に放棄されたと考えられており、1960年代、英国生まれのアメリカ人天文学者で作家の、ジェラルド・スタンリー・ホーキンスが、この巨石サークルは中央ヨーロッパから移住してきた農民によって、月食を予測するための計算機として建てられたと主張した。

 この説はあくまで推測で、学術的には検証されていない。

 だが、ザ・アベニューとしても知られる「大カーサス」が、ストーンヘンジの根底にある機能的な性質を明らかにしている。大カーサスは周囲およそ3km、ストーンヘンジと3.2km離れたエイヴォン川を結んでいる。

 新石器時代には大勢の人々がこの儀式用の道を歩いたという。

 現在では毎年、1年でもっとも日が長い夏至の6月21日早朝に、人々は日の出を見るために大挙してストーンヘンジに押し寄せる。

 しかし、考古学者たちは、冬至の日没もまた、夏至の日の出と同じように、あるいはそれ以上に重要な意味があったと主張する。

 そして毎年、冬至の午後になると、巡礼者たちは南西の方角、ストーンの後ろへと沈んでいく太陽を見つめたという。それがその年の変わり目で、光が戻ってきたこの日以降、日が長くなっていく印だからだ。

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手前にあるのはヒールストーン、奥に見えるのはストーンヘンジ。地面の矢印は、冬至の日の入りの方向を示している / image credit:

太陽に背を向ける

 しかし、軸にはふたつの方向があるものだ。ストーンヘンジは、夏至、冬至共に見事な視覚効果を生み出す。

 ではなぜ専門家は、ストーンヘンジは夏至の日の出よりも、冬至の日の入りのほうに合わせて建てられたと考えるのか?

 英国を代表する考古天文学者で、ストーンヘンジの権威でもあるクライヴ・ラグルズ教授は、儀式用の道であるザ・アベニューの向きが、そのことを示していることを指摘する。

夏至の日の出ではなく、冬至の日の入りのほうが、ストーンヘンジのより重要なイベントだったと信じるおもな理由は、この建造物への正式な儀式的アプローチが、北東からザ・アベニューの直線部分に沿って、まっすぐ向かっているということです

冬至の日没前に、ザ・アベニューをゆっくりと進むと、太陽は前方にあるストーンヘンジの方向へゆっくりと沈みます。夏至の夜明け前に同じことをするなら、日の出を見るには建造物に到着してから、振り返って太陽に背を向けなくてはなりません(ラグルズ教授)

 さらにストーンヘンジは、北東から近づく人に合わせて設計されていて、背面はとくに手を入れず荒削りのままで、夏至の日の出を考慮した造りにはなっていないことがうかがえる。

 この場所が機能している時代には、何千人もの巡礼者が巨大な屋外劇場に集まり、そこで垂直に建つトリリトン(2本の立石の上に水平に石を乗せた建造物)の間から日没の最後の光が差し込み、36トンのヒールストーンを照らすのを目撃した。

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photo by Pixabay

宴によって支えられていた方角

 ストーンヘンジを建てた人たちは農民、牛飼い、牧畜民だった。季節の変化によって、なにをいつ栽培するかを決める生活だ。

 だが彼らがこのような巨大な建造物を必要としたのは、作物を育てる一年の特定の時期を知るためではなかったと考えられている。

 おそらくストーンヘンジは、人々が死者を悼んだり、農業の出来に関わる太陽神に敬意を表したりする、冬至の日の入りを表すモニュメントだった可能性が高い。

 ストーンヘンジの北西にあるダーリントン・ウォールズには、大勢の人が集まり、建築者、運営者、関係者などで、冬至の頃に宴を楽しんだことが知られている。

 ここから、牛や豚など家畜の骨が見つかっていることから、長距離をここまで運ばれてきたことがわかり、冬至の日の入りが広くあがめられていた証拠だといえる。

 農民にとっては、冬は危険な季節だった。夜は長く、日中でも寒く、大地は凍り、秋の豊かな実りがあっても、その後は食料の備蓄が徐々に目減りしていく。

 太陽は光をもたらし、生命を維持するものとして崇拝されたことだろう。そんな太陽が沈んでいくのを見るとき、暖かさ、成長、生命に必ず戻ってきてもらうために、儀式が行われたのかもしれない。

References:Stonehenge Activates On the Winter Solstice Sunset, Not Sunrise | Ancient Origins / written by konohazuku / edited by / parumo

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この記事へのコメント 17件

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  1. 確か整備中の写真付き資料の何かで読んだが近代になって一度更地にしてるんだよね
    列石はその時の研究者が適当とは言わないが想像で組んだものだと思った
    つまり石の並びとかには何の価値もない 
    残念ながら

    • -10
    1. >>1
      真面目に聞きたいんだけど、なんで元の姿を維持する為の整備で石の配置を想像で変えると思うの?
      普通考古学資料や元の写真に基づいて歴史的に正しい形に配置しない?

      • +3
      1. >>3
        100年以上前の工事だからな。現代ならちゃんと復元するけど、当時はちゃんとやってたか分からんよ。写真もないし。

        • -5
    2. >>1
      航空機で例えると博物館にあるものと空を現役に飛ぶものとでは
      全く違う乗り物だ
      博物館にあるものは後世の人が見ても勉強できるように
      発火しやすかろうが作るのが困難だろうが当時技術で修理
      たいして現役で飛ぶものは安全なように配線や機材も最新
      今回の場合も後世の人が困らんように当時のように再生してるし
      歴史修復を甘く考えるなよ

      • +4
      1. >>9
        コンクリートで固めてるのに?
        ピラミッドを調べるためにダイナマイトで入り口開ける奴らだぞ?
        100年前の意識の低さを甘く考えるなよ。

        • 評価
  2. 位置関係に深い意味はなくて大きな石を積んでみんなで拝んだぐらいな物じゃないかな。
    なぜ積んだかというのは分からないが、現代でも大きい自然石があれば拝みたくなよよね。俺はなる。

    • -1
  3. 当時(冬至)建てた人々の気持ちを知るすべもなし

    • +1
  4. 最後の2段落の表現がすごくすき
    これを読みにカラパイアに来てる

    • 評価
  5. ストーンヘンジの場所ってイギリス南部だけど
    緯度的には稚内より500kmくらい北に相当するんだよね。
    冬至の時期は相当日が短いはず。

    • +2
  6. 夏至というのは、それから先は日照が短くなっていくのだから、それを崇めるのはあまり意義を感じられない。
    冬至というのは、確かに1年で一番日照が短い日ではあるが、それから先は日々の日照が長くなっていくのだから、祝いたい気持ちが生じるのは当然だろう。
    実際に、冬至を神聖な日として崇める風習は世界各地に存在した。
    例えば、キリストの誕生日(実際にはいつのことなのかまったくわからない)が12月25日と定められたのは、古代ローマにおけるミトラス教において冬至を「太陽が再生する日」として崇めていたことの影響だという説がある。
    ストーンヘンジが冬至を祭るために作られたのだとしても、何の不思議もないと考える。
    (もちろん、他の理由もあるのかもしれないが)

    • -1
    1. >>7
      聖ヨハネの日を始めとして夏至祭は珍しいものじゃないよ
      良いことだから崇めるという考え自体が良くないと思う。冬が春の前段階として必要なものであると同様に収穫の前段階として夏至の太陽の衰退は必須な出来事であるし、そもそもたとえ必須でなくともそれがもたらす影響が大きい=強いというだけで原始的にはそれは崇拝に値する

      夏至は太陽の老化と死を齎し嘆く日であると同時に、穀物の繁殖と繁殖の前段階としての婚姻の季節。確実に太陽の命を奪い、弱め、降雨と豊作をもたらす為に神像を焼き、穀物の乙女が魔術的な義務として幸せな結婚を遂げる日だ

      • +3
  7. 冬至に限らず一年中機能する季節も判る日時計みたいなものかな?と思ってた

    • +2
  8. 話には関係ないけど、the wizard Merlin 魔術師マーリンは男ですよー

    • 評価
  9. 円形に組んだからあてずっぽうでたまたま夏至、当時の日に太陽が通ってるだけじゃないかと今でもたまに思う。

    • -3
    1. >>13
      ストーンヘンジってのは石の環だけじゃなく、
      その周りの付属施設の配置(環の一定の方角に立ってる石とか、環から延びる大道とか)
      までも含めて、夏至・冬至と関係してるって言われてるんだよ

      環だけなら言う通り偶然かもしれないけど、その他の要素には向いてる方角があって明らかに夏至・冬至を指してる

      • +3
  10. ストーンヘンジの名前はこのストーン変じゃん?からつけられたのは俺の中では有名

    • -4
  11. あんまし関係ないがその当時一生懸命やったのである
    今それやってできねえかな?

    • 評価

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