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ストーンヘンジの近くで見つかった4000年前の「シャーマン」の墓に隠された黄金の秘密

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(著) (編集)

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 19世紀、ストーンヘンジ近くで4000年前の墓が発見された。

 その当時、埋葬されていた2名の人物はシャーマンや聖人だったと推測されたが、もしかしたら高い技術を持つ金細工師でもあったのかもしれない。

 その証拠に、一緒に埋葬されていた石器に金を加工したらしき痕跡が残されていることが、最新の研究で判明している。

 『Antiquity』(12月16日付)に掲載された研究は、「墓の副葬品は、その人物のアイデンティティを表す以上のものである」と説明する。

 現代人の我々は、ある人物の属性を「シャーマン」や「金細工師」のように単純に考えたくなるが、青銅器時代の社会では、1人の人物はもっとさまざまなものを体現していたのかもしれない。

ストーンヘンジ近くの墓に埋葬されていた古代人の正体

 1801年、ストーンヘンジから西に16キロ離れたアプトン・ラベル村で、紀元前1800年頃の青銅器時代の墓が発見された。

 墓には2名の亡骸が埋葬されていたほか、石器・石斧・石のビーズで作ったネックレス・骨製の針(おそらくネックレスや衣服などの飾り)といった副葬品が発見された。

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1801年にストーンヘンジの付近で発見された墓から発掘された副葬品(ウィルトシャー博物館所蔵)/ Image credit: Crellin et al./Antiquity

 発掘当時はシャーマンや聖人の墓だったのだろうと推測されていた。

 埋葬されていた2名の性別ははっきり断定できないが、やはり当時はシャーマンとその妻だとされた。

 しかし英レスター大学の考古学者レイチェル・クレリン氏によると、最近では、少なくともどちらか1人は、金細工などの装飾品を作る人物だったろうと考えが改められつつあるのだという。

 「両者は、高度な技術があれば繊細で美しい物を作ることができる道具と関係しています」と、クレリン氏は説明する。

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墓から発見された埋葬品 / image credit:Crellin et al./Antiquity

石器に金の痕跡を発見

 今回、クレリン氏らが走査型電子顕微鏡やX線分光計などで副葬品を分析したところ、石器に金の痕跡が残っていることが判明している。

 そうした金は先史時代のもので、そこに含まている不純物はイギリスで発見された同時代の金のものとよく似ていた。

 また石器の磨耗から、金だけでなく、琥珀・木材・銅・黒玉(樹木が化石化した準鉱物)など、各種素材を加工するためにさまざま方法で使用されていただろうことがわかっている。

 青銅器時代、そうした素材からベルトのフックや留め金などの小さな装飾品が作られ、そこに金箔が貼られたという。

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現代の冶金学的な分析で明らかとなった、青銅器時代の石器に付着した金の痕跡 / image credit:Crellin et al./Antiquity

黄金の古墳との関係は?

 石器が発見された墓は、ほぼ同時代の「ゴールデン・バロー(黄金の古墳)」と呼ばれる古墳から数キロ離れたところにある。

 ストーンヘンジの周辺では先史時代の墓がいくつも発見されており、この一帯は先史時代の共同墓地だったのではないかという説もあるほどだ。

 ゴールデン・バローからは、1人の遺骨と金の装飾品ほか、1000個もの琥珀ビーズで作られたネックレスなど、貴重な品々が発見されている。

 今回石器で見つかった金の痕跡が、ゴールデン・バローの金とどう関係するのか不明だ。だが今後の分析で地理的な起源を突き止められる可能性もある。「それが100万ドルの質問ですね」とクレリン氏は話す。

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1801年に行われた発掘調査の遺物は、現代の考古学的手法で再分析された / image credit::Crellin et al./Antiquity

古代人にとって金細工は魔法のようなもの

 英カーディフ大学の考古学者スーザン・グリーニー氏は、古代人は繊細な品々を作る技術を魔法のように捉えていた可能性があると、第三者の立場から述べている。

 「繊細かつ熟練の技で何かを金箔でおおい、別のものに変化させる力は、魔術や儀式のようなものと見られていたかもしれません。それはごく一部の人間だけが知る秘密でした」

 今回の発見は、金属加工が魔法・儀式・信仰などと密接に関連していたことを示しているのだそうだ。

References:Materials in movement: gold and stone in process in the Upton Lovell G2a burial | Antiquity | Cambridge Core / 4,000-year-old ‘shaman’ burial near Stonehenge has a golden secret | Live Science / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 6件

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  1. なるほど
    鍛冶屋も薬学も錬金術の内に入るもんな

    • +1
  2. >>「墓の副葬品は、その人物のアイデンティティを表す以上のものである」
    ↑ここ大事よー

    その上で…
    「石のビーズで作ったネックレス、ネックレスや衣服などの飾りが出てきたんやろ?それはシャーマンやないかい!」
    「それがな、道具の石器に金の痕跡が残ってたんやって」
    「ほな、シャーマンとちゃうかあ」
    「ほんでな、近くに黄金の古墳があるんやって」
    「それやったら金細工師やないかい!ゴールデン・バローに関わった金細工師や」
    「それがな、金細工はごく一部の人間だけが知る秘密で魔法のような技術やってんて」
    「ほな、シャーマンやないかい!当時の人には金細工師はシャーマンと同じ扱いやったんよ」
    こんな感じか?

    • +2
  3. 後の時代では指導者と技術者は分離されるけど
    紀元数千年前の小規模コミュニティでは技術者=指導者なんだろうな

    • +1
  4. 金って本当に面白い元素だよ。
    安定同位体が一つしか無いから、ちょっとでも何かが違っていたら隣の水銀かプラチナになったりしちゃう。
    「ほぼ腐食しない」「唯一無二の輝き」「加工のしやすさ」「希少性」
    全てを網羅し、工業的な科学分野にも欠かせず、医療分野でも使われることもある。
    人類の何年有るか判らない歴史の中でもその価値や扱いが相場による差はあっても、常に一定の価値を保証された物質なんて他になかろう。
    同じ加工のしやすさでは銀もあるけど、銀は手入れが必要なぶん、より高級だった時代もある。
    割と量のある銅は一般にもなじみの深い金属となった。
    これらは同族元素である。

    • +2
  5. 金より銀の方が、魔除けのイメージが強いんですけど💧

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