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絶滅寸前のスコットランドヤマネコを救うため、飼育された20匹近くが自然に放たれる

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(著) (編集)

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 かつてはイギリス全土に広く分布していたが、20世紀初頭以降個体数が激減し、絶滅の危機に瀕しているスコットランドヤマネコを再び自然に戻すべく、再導入プロジェクトが進行中だ。

 スコットランド王立動物学協会が運営する野生動物公園で育てられた若い個体が今回、20匹ほど森林に放たれた。

 「セーブ・ワイルドキャット(Saving Wildcats)」と名付けられたこのプロジェクトでは、最終的にケアンゴーム山地におよそ60匹を還す予定だという。

 ヤマネコたちにはGPSが設置され、自然になじめるかどうかが追跡されるという。

 スコットランドではビーバーをはじめ、野生への再導入プロジェクトが進められているが、今回のように肉食の哺乳類を自然に戻す試みは、イギリスでも初めてであるという。

スコットランドヤマネコの再導入プロジェクト

 かつては英国全土に生息していた「スコットランド・ヤマネコ(Scottish wildcat)」だが、現在は絶滅の危機に瀕している。

 国際自然保護連合「IUCN」の2019年の報告書によると、生息域の減少やペットの猫との交雑などによって、彼らは機能的にほぼ絶滅しているという。

 当時約30匹のヤマネコが生きていたが、もはや生存できないだろうと評価されている。

 専門家たちはこうした状況をどうにか改善するために、このほど20匹の若いヤマネコをスコットランド東部にあるケアンゴーム山地の自然にかえすことにした。

 このプロジェクトを率いるスコットランド王立動物学協会のヘレン・セン博士は、山地に仕掛けらた監視カメラや、ヤマネコに取り付けたGPSタグで、彼らをずっと見守っている。

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 そんな彼女は、19匹のヤマネコのうち1匹は死んでしまったが、残りの子たちはみな元気に育っているとThe Gurdianに語っている。

 「全体としては上々です。ヤマネコたちが狩りをし、自分の力で生きている姿が観察されています。その意味では、本当に嬉しいことです」

 ただし油断は禁物であるようだ。これから獲物が少なく、寒さが厳しい季節になる。この冬は、ヤマネコたちにとって最初の本格的な試練となる。

 この試みが成功したのかどうか、まだはっきりしたことはわからない。その成否をきちんと評価するには、あと数年ヤマネコの様子を見守らねばならない。

 最終的には、60頭のスコットランドヤマネコがケアンゴーム山地に放される予定であるとのことだ。

Endangered wildcats released into Scottish national park in historic milestone

スコットランドヤマネコを自然に定着させるために必要なこと

 一方、セン博士は、もしも本当にヤマネコをスコットランドに根付かせるつもりなら、まだまだやるべきことはあると説明する。

 例えば、ペットの猫の去勢手術やマイクロチップ移植の義務化といったものだ。これは、ヤマネコたちがペットの猫と交雑して、遺伝的な完全性が失われることを防ぐためのものだ。

 また、ヤマネコが生きられる豊かな原生林を広めるための協力も必要だ。そのためにはケアンゴーム山地で見られるような、土地所有者たちの連携が大切だと、セン博士は言う。

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野生動物の保護プロジェクトを政府が支援

 ちなみにスコットランドでは、野生動物の再導入プロジェクトを政府が強力に後押ししているのだという。

 自然保護団体「Trees for Life」のスティーブ・ミクルライト氏は、新しい自然環境法、野心的な生物多様性戦略、ライチョウ保護区での土地改革など、スコットランドの取り組みは、イギリスの他の地域に比べてもユニークと語る。

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photo by iStock

 たとえば今回のヤマネコ以外にも、スコットランドでは次のような動物の保護が進められている。

ヨーロッパ・ビーバー
ビーバーは、自然への再導入が進められた動物の中でも、とりわけ成功している仲間だ。2000年代初頭において、スコットランドの野生のビーバーはすでに絶滅し、どうにか残っていたのはわずか1500頭だけだった。

だが今では、ハイランド地域南部に根付き、南にむかって徐々に生息域を拡大している。2030年までに、野生のビーバーは1万頭に達するだろうと予測されている。

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オオライチョウ
絶滅の危機に瀕しているオオライチョウは、ケアンゴームやハイランド北部の森林で保護された結果、約540羽ほどで安定している。

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アカリス
北アメリカから持ち込まれたハイイロリスによって、ふるさとの森から追い出されてしまったアカリスだが、今ではハイランド地方で回復し、北へと広がっている。スコットランドの西海岸地域でも再導入が進んでいる。

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イヌワシ
頂点捕食者であるゆえに、狩猟者や農家から目の敵にされてきたイヌワシだが、現在は急速に回復しており、スコットランド全土で500組以上のつがいが観察されている。

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マツテン
ネコほど大きなイタチの仲間だが、やはり人間に嫌われ、迫害されてきた。スコットランドの生息数は3700匹とまだまだ少ないが、それでもハイランド地方を中心に回復しつつある。

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 「種の回復プロジェクトへの支援は、本当に素晴らしい盛り上がりがあります」とセン博士は語る。こうした成功が支援者たちを勇気づかせ、さらに前向きな変化をもたらすだろうと博士は期待する。

 ただし、すぐに効き目がある解決策はないとも彼女は述べている。スコットランドの成功は、支援者たちの地道な努力が実を結んだものであることを知っておくといいだろう。

References:Wildcats released in Scottish Highlands in effort to prevent extinction in UK | Rewilding | The Guardian / Critically endangered wildcats now call the Cairngorms National Park home | Saving Wildcats / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 22件

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  1. 素晴らしい試みだが絶滅した原因は改善出来てるのかな
    そこが一寸気になる

    • +11
  2. なんのためにこんなことするんだ?
    その環境中ですでに絶滅したってことは、もうそこにその生物を許容できる収容力が無くなったってことだろ
    無理矢理に戻したところで何処かに歪みが生まれるか、罪のないヤマネコを死なせてしまうだけだよ

    • -19
  3. 大英は産業農業革命の地で動植物も世界中から集めてたからね
    一度壊しちゃうと直すの大変

    • +10
    1. >>3
      世界中で秩序を破壊して回る大英帝国マンセー!

      • -10
      1. >>7
        パクス・ブリタニカを壊したのはドイツ帝国な

        • +3
    2. >>3
      四不象みたいなケースもあるから諦めず頑張ってることは評価したい

      • +7
  4. 顔つきが随分イエネコに似てるな~と思ったら交雑が起きるくらい近縁なのね

    • +5
    1. >>6
      イリオモテヤマネコも交雑が問題になってるみたい

      • +7
  5. 他の猫との交配で雑種扱いされてるから絶滅危惧種ってなんかエゴを感じるわ
    ぱっと見うちの野良雑種と見た目が同じだからそう感じるのかもしれんが

    • +4
  6. 米国のイエローストーン国立公園ではその一帯で狼が絶滅してしまい、
    生態系のバランスが狂ってしまったそうで、再度、狼を放ち観察を
    したところ、みるみる生態系がもどったそうだね。
    ここも成功すると良いね、、、しかし普通のサバトラちゃんの様だ、
    放すのが悲しくなる可愛さだね。(=^・^=)

    • +6
  7. スコットランドヤマネコは肉食動物で体長が普通のネコの2倍。
    およそ50~60㎝くらいの大きさになるという事。
    そんな大きさの肉食動物が野生で居るという事は気を付けないといけない。

    • +3
  8. 拾った子猫を育てた結果
    スコットランドヤマネコだったとしてもわからないだろうな

    • +7
    1. >>15
      ウチの西表とか対馬は柄がイエネコとは違うからまだ判別できるけど、スコットランド山猫はキジトラに紛れると難しいねw。

      あれっ?!よく見ると…アメショーの血が入ってる?とか、ベンガルの血が入ってる?みたいな感じで気がつかなさそう。

      • +1
  9. もう野生を捨ててうちに来ればいいのに。
    交雑の問題はちょろ過ぎる家猫♀か、かっこよすぎる山猫♂のせいなのか?

    • 評価
  10. すごい魅力的な猫
    飼えるものなら飼いたい
    やっぱ気性が荒いんだろうな
    イリオモテヤマネコとかに比べると、ぱっと見イエネコっぽい

    • +1
  11. イギリスなら何時ぞやのマヌルネコみたいに「保護施設から自然に返されたが現地の冬が寒過ぎて戻って来ちゃった」ということはなさそうだな

    • 評価

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