
謎の石板は「サン・ベレクの石板(Saint-Belecslab)」と呼ばれている。その表面には、 何かを示すかのように小さなくぼみや線が彫られている。
最近の調査では、 これが紀元前2150〜1600年にさかのぼる地図であり、 青銅器時代の遺跡のありかを示しているという。
西ブルターニュ大学のイバン・パイエ教授は、「地図を使って遺跡を探すのは、素晴らしいですね」「まさに宝の地図です」と語っている。
古墳から何かが記された謎の石板を発見
1900年のこと、フランスの考古学者ポール・デュ・シャテリエは、ブルターニュ地方にあるとある古墳の内壁として使われていた石板に衝撃を受けた。長さ2.20m、幅 1.5m、重量は1トン近くもある巨大な石板の表面には円や線が彫られ、ところどころ小さなくぼみがあり、なにやら大切なことが記されていると思われた。
だが、シャテリエはその秘密を解明することなく、1911年にこの世から去った。
彼の死後、石板はフランス国立考古学博物館に引き取られ、今では「サン・ベレクの石板」として知られている。

ヨーロッパ最古の地図である可能性
フランス、西ブルターニュ大学のイバン・パイエ教授らは、その石板の謎を現在の技術で解き明かそうとしている。たとえば2021年の研究では、サン・ベレクの石板を3Dスキャナーで調べ、その模様の8割が、ブルターニュ地方ルドゥアレックの川や山に一致することが突き止められた。
「現代の技術があれば、上空からその地域がどのように見えるかはっきりわかります。そのおかげで、石板に刻まれた線や凹凸の意味をすぐに理解できました」(パイエ教授)
つまりサン・ベレクの石板は、ヨーロッパで最も古い、一地域を示した地図である可能性が濃厚なのだ。
ルドゥアレックは、首都パリから西に500キロほどにある地域で、石板が示しているのは21km四方の範囲だ。
ここ数週間では、石板のより正確な年代を特定するために、その発掘場所の調査が行われている。その結果、未発見だった石板の破片が見つかったという。

地図をもとに、宝探しが始まる
パイエ教授らは今、この地図を手がかりに、新たな青銅器時代の遺跡を探している。石板に彫られているくぼみが、なんらかの遺跡のありかを示していると考えられるからだ。
では、隠された遺跡は何なのだろうか?
フランス国立考古学博物館によると、この地図は青銅器時代初期の支配者が埋葬された墓のありかを示している可能性があるという。
そもそも地図はその支配者のもので、軍を率いてその地域を支配するために使っていたと推測されている。
もしも本当にそうした支配者の墓を探し当てることができれば、大発見となる。そうした権力者の墓には、青銅の短剣や矢じり、金細工といった品々も一緒に埋葬されているのが常だ。文字通りお宝がザクザクでてくるというわけだ。
だが石板が無造作に破壊され、古墳の建材として使われていたという事実は、その支配者の力が衰退したことを物語っている可能性もある。
サン・ベレクの石板は最古の地図であるだけでなく、当時の歴史のダイナミズムをも現代に伝えているのかもしれない。
References:4,000-Year-Old Mysterious Rock Marks Archaeological 'Treasure Map' in France | Tech Times / Strangely Engraved Rock Is Giant 'Treasure Map', Archaeologists Say : ScienceAlert / written by hiroching / edited by / parumo
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コメント
1.
2. 匿名処理班
当時の最高軍事機密じゃないかな
3. 匿名処理班
場所が解明できたのならば、地図の精度が低くて墓や砦の位置が比定できなくても現地に行けば集落等の配置は見えてくるだろうね。
地図の貴重さだけでなく、今後の発掘調査にとってものすごく有用だ。
4. 匿名処理班
ポーネグリフではないか。
5. 匿名処理班
ああ成程
遺跡が宝なのか
6. 匿名処理班
膝に矢を受けてしまった私では
もう冒険にでられんのが口惜しい。
7. 匿名処理班
探してみろ この世の全てをそこに置いてきた