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植物と会話する。光遺伝学を使って植物と話すシステムを開発

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(著) (編集)

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 植物に話しかけて、害虫や異常気象といった危険を前もって知らせることができたらどうだろう? 英国ケンブリッジ大学の植物学者チームは、まるでSFの世界を実現しようとしている。

 植物と人間のコミュニケーションを橋渡ししてくれるのは、「光遺伝学(光でタンパク質を制御する手法)」という技術だ。

 『PLoS Biology』(2023年9月21日付)に掲載された研究では、この技術を植物向けに改良することで、光ベースのメッセージを送信することに成功したと報告している。

 「Highlighter(ハイライター)」と呼ばれる新技術は、まだ開発の初期段階でしかない。それでも光のメッセージで植物に語りかけ、免疫や色素生成をコントロールできることが確認されているそうだ。

もしも植物と会話ができたなら?

 もしも植物を会話を交わすことができたら、どんな話をしてみたいだろうか?

 もちろんあなたが今興味があることを話してみてもいい。だが農業のような植物に関わる仕事をする人たちなら、今よりもっと上手に植物を育てられるような話ができるかもしれない。

 たとえば、病気や害虫の広まりが予測されるなら、それを植物に伝えてみるのも一つだ。あらかじめ危険を知らせることで、前もって防御しておいてもらえるかもしれない。

 あるいは熱波や干ばつなどの異常気象の訪れを植物に警告し、生育パターンや水の利用を節約してもらうことも可能かもしれない。

 こうした植物との会話は、これまでよりもっと効率的で持続可能な農法につながり、農薬を減らすことにもなるだろう。

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photo by iStock

光遺伝学とは?

 それを実現するアイデアが、「光遺伝学(オプトジェネティクス)」という光を使った技術だ。

 光遺伝学はもともと、生物の細胞レベルの機能を自由にコントロールして、その働きを解明するための技術だ。

 この技術では、光に反応するタンパク質(光受容体)を調査対象となる細胞に組み込む。すると光を当てるだけで、その細胞の遺伝的スイッチをオン・オフできるようになる。

 光遺伝学は神経科学に革命をもたらし、この10年間で数々の成果を上げてきた。

 同じようにして、光遺伝学で植物細胞のスイッチを切り替えてやれば、適切なタイミングで免疫を作動させたり、成長させたりといった操作が可能になるはずだ。

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植物で光遺伝学を使う事の難しさ

 だが、これまでのところ、植物での光遺伝学はあまり成功していない。いくつかの理由によって、動物と同じようにはいかないのだ。

 たとえば、植物はもともと光受容体をたくさん持っており、成長のために昼夜のサイクルを利用している。

 つまり昼夜という明るさの変化が必要なため、光で細胞のスイッチを正確に操作するのが難しいのだ。

 さらに厄介なのは、光遺伝学でよく使われる光受容体が、そもそも植物のパーツを利用したものである点だ。

 これを植物に使うと、ほかの光受容体と干渉して思うように細胞を操作できないといった弱点がある。

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photo by Pixabay

原核生物の光遺伝学システムを植物向けに改造

 こうした植物向けの光遺伝学の難しさを克服するべく開発されたのが、ケンブリッジ大学の植物学者チームが考案した「Highlighter(ハイライター)」だ。

 これは原核生物(細胞内に細胞核を持たない生物)の光受容体を、真核生物(細胞内に細胞核がある生物)である植物向けに改造したものだ。

 この光受容体のもともとの持ち主はシアノバクテリアで、光に含まれる緑と赤の成分の比率に反応する。

 そのおかげで、部屋の明るさなどの影響を受けずに遺伝的スイッチを切り替えることができる。

 植物向けに改造された光受容体は、想定外なことに青い光にも反応してしまうことがわかっている。それでも予定通り緑と赤の光に反応するので、植物向けの光遺伝学ツールとしては問題ない。

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植物を光でコントロールすることに成功

 まだ開発中だが、すでに植物の免疫・色素生産・黄色蛍光タンパク質を光でコントロールすることに成功しているとのことだ。

 「ハイライターは、植物向け光遺伝学ツールの開発における大きな前進です。その高精度の遺伝子制御は、植物の仕組みに関する根本的な疑問の解明に取り組むさまざまな研究に応用できる可能性があります」と、研究チームのアレクサンダー・ジョーンズ氏は説明する。

 これを利用すれば、将来的に特定の光で免疫反応を引き起こしたり、開花や成熟などのタイミングを操作したりといったことが可能になる。植物に語りかけることで、元気に育つ手助けをできるようになるのだという。

 こちらの話を聞いてもらうのもいいが、将来的には植物が何を思い、どう感じているのかをぜひ聞いてみたいものだ。ちょっと怖くもあるけれど。

References:Highlighter: An optogenetic system for high-resolution gene expression control in plants | PLOS Biology / Conversations with plants: Can we provide plants with advance warning of impending dangers? / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 10件

コメントを書く

  1. 植物に語りかけて元気に育ってもらって美味しく食べるんです……?

    • +2
  2. 植物とコミニュケーションが取れるようになれば
    植物にも知能があるのか?とか研究がさらに捗るね

    • +2
  3. 会話できるということは知性があるということだと将来的に植物を使って実験をする際は倫理委員会の承認が必要になんてことになったりして。

    • +2
    1. >>5
      成功したら一部のビーガンは涙目だな。

      • +3
  4. 記事読むまで植物と会話する猫の話かと一瞬思ってしまった

    それは兎も角、遠い種の意思を知るのって中々スリリングな気がするな
    人間の事を運搬者とか家畜とか思ってたら面白い

    • +3
  5. 人間の都合よく育てられて増やされて成分を変えられて(甘くしたり苦味を抑えられたり)食べられる。
    人間以外の生物は生きる為だけに生きると誰かが言っていたけれど…
    なんか、人間に生まれてきてすみません。

    • +1
  6. 収穫する時に断末魔が聞こえるようになったら、ビーガンはどうするだろう?

    • +2
  7. 植物の声、第六感的なものを使うとわかるんだけどな。
    木が切られる時の悲痛な気持ち、可愛いと思われてる時の花。いろいろ。
    野菜として提供される時に全てが悲鳴をあげてるわけではなくて。

    食用だけでもないし。

    ダムを作りまくった川のそばの木々、ゴルフ場にされる際の怨念、あるよ、植物に感情が。

    日本ではご機嫌な森を見ることがなかった。
    飛行機の騒音もあって。

    …誰にも聞かれないことを書いてしまいました。

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