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アメリカの高齢者6人に1人がなりすまし詐欺の被害にあう可能性が高いことが明らかに

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(著) (編集)

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 アメリカで行われた調査によると、他人のふりをしてお金や個人情報をだまし取ろうとする「なりすまし詐欺」にころっと引っかかってしまう高齢者は、想像以上にたくさんいるという。

 「なりすまし詐欺」は、日本だけでなく世界中で大きな問題となっている。

 米国、ラッシュ大学医療センターの研究チームは、政府による調査を装って高齢者に連絡し、個人情報の提供を求めてみた。すると、3分の2の人が詐欺の試みに応じなかったものの、残りの人は要求に応じるか、疑問を持ちながら情報提供を検討したという。

疑似的に高齢者に情報提供を求める実験

 『JAMA Network Open』(2023年9月22日付)に掲載されたこの研究では、「米国退職生活保護タスクフォース」という架空の政府団体を名乗り、高齢者に連絡し、個人情報の提供を求めてみた。

 連絡対象となったのは、イリノイ州シカゴ都市圏に住む、ラッシュ記憶・老化プロジェクトの参加者644人(64~104歳)で、平均年齢は85.6歳だ。

 対象となる高齢者に対し、郵便・電子メール・電話のいずれかで連絡し、「あなたのソーシャル・セキュリティー(公的年金)に不審な申請があったため、それが間違いないものか確認しています。念のため、電話かネットで個人情報を伝えて欲しいのですが」といったことを依頼した。

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6人に1人の高齢者は疑うことなく個人情報を提供してしまう

 この結果、3分の2の高齢者は、まったく応じようとしなかった。

 ところが、残り3分の1の高齢者は、少なくとも確認用の電話番号に連絡するか、ウェブサイトにアクセスした。

 そのうちの半分の人たちはこの段階で怪しみ個人情報を明かすことはなかった。ところが、もう半分の人たちはまったく疑うことなく、詐欺に遭いかねないような個人情報を提供してしまったのだ。

 全体でみれば、高齢者の6人に1人は、なりすまし詐欺にかかる危険がかなり高いことを物語る結果だ。

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なりすまし詐欺に騙されやすい高齢者の傾向

 なお危険な人たちにはいくつかの傾向が見られている。

 情報提供に応じようとしたが途中でやめた人たちは、認知症がもっとも少なく、認知能力も高い傾向にあった。また金融について一番詳しいグループでもあった。

 一方、実際に個人情報を提供した人たちは、金融についてはあまり詳しくない傾向にあった。また参加者全体の中で、詐欺に対する意識が一番乏しいグループでもあった。

 このグループでは、10人に1人が進んで個人情報を提供し、5人に1人が非常に大切な社会保障番号まで明かしている。

 「人口全体で見てみれば、こうした数字は驚くべきものであり、詐欺に遭う恐れがある高齢者がどれほど多いか物語っている」と、研究チームは述べている。

 今回、連絡時に名乗られた政府団体の名称はあくまで架空のものだったが、それでも非常に多くの高齢者が個人情報を明かしてしまった。

 このことを考えれば、本物の政府団体を名乗るようなもっと巧妙な特殊詐欺なら、さらに多くの人が引っかかるだろうと、研究チームは指摘する。

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高齢者がなりすまし詐欺に騙されないようにするには?

 なりすまし詐欺は世界中で起きている。

 米国高齢者問題協議会の報告によれば、昨年米国では9万2000人もの高齢者が被害に遭っており、その被害総額は17億ドル(約2400億円)にも上るそうだ。

 日本の場合、警察庁が発表した2022年度の統計によると、高齢者(65歳以上)被害認知件数は15,114件、被害総額は高齢者だけのデータはないのだけれど、人口全体の被害額は370.8億
円となっている。

 最近ではその手口も複雑ですごく巧妙だ。高齢者は日中家にいることから電話に出てしまう機会も多い。

 特に一人暮らしの高齢者は標的にされやすい。何かあっても「家族に迷惑がかかる」と考えてしまい、誰にも相談しないので、そこに付け込まれるのだ。

 対策としては、電話は常に留守番電話にしておいて、必要な相手にのみかけ直すか、登録した番号以外の着信を拒否する設定を家族がしてあげるとよいだろう。犯人は声が録音されて証拠を残すのを嫌がる傾向がある。

 また、家族同士なら合言葉を決めておけばオレオレ詐欺に対応できる。

 一番良いのは結論を急がずに誰かに相談することだが、そうもいかない高齢者もいるだろう。地域一体となってお互いに協力する必要もあるかもしれない。

 基本的に孤独感を感じて寂しい思いをしていると、他人から親切に話しかけられ、話をよく聞いてくれることで好意を抱きやすくなる。孤独感を解消することも必要なのかもしれない。

References:1 in 6 older adults fall victim to impersonation scams / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 8件

コメントを書く

  1. ディスカバリーの番組でアメリカ人はカモと詐欺師が言ってた
    理由はケチだけど、金投資にはすごく興味あるのでそこを
    突っつくと大儲けできるそうだ
    現地のザコごとき犯罪者にそこまで言われ怒らないのかな

    • +1
  2. 私はスマホに入るメールも見ないし家でんにも出ない。スマホのメールは旦那が時々チェックして消してくれるんだが、この間笑いながら「docomoから
    コレコレこういう内容の詐欺メールにお気をつけてってのとその内容の詐欺メールも入ってた」

    • 評価
  3. >連絡対象となったのは、イリノイ州シカゴ都市圏に住む、ラッシュ記憶・老化プロジェクトの参加者644人(64~104歳)で、平均年齢は85.6歳だ。

    今回の実験は高齢者を対象にしたものだけど、他の年齢層も実験して、どの年齢層が詐欺に遭いやすいのかの実験も期待したいですね

    • +3
  4. アメリカの高齢者100人に100人が、若者に比べてなりすまし詐欺の標的にされる可能性が高く被害に合う可能性が高いことは、明らかではない。

    • -1
  5. 詐欺に引っかからない自信がまったく無い
    今はマシでも歳取ったらなさんて

    • +8
  6. 政府や大企業のいうことは正しい、大本営発表だ、とか言う権威主義の人はヤバいね。さらに自分は世界の中心だ、自分は間違ってないと思ってるヤツはさらにどうしようもない。

    俺の親だけど

    • +1

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