
アメリカ、カリフォルニア州で、救急車に乗せられた危篤状態の男性が飼っているとされる小さな犬も、病院まで必死に追いかけてきた。
犬は飼い主が亡くなってしまったことを知らず、病院の玄関先で何日も、飼い主が出てくるのを待っていた。
心配した医療関係者らは10日後、犬を保護することに成功した。衰弱していた犬は、保護施設へ搬送され、徐々に健康状態を回復しているという。
広告
飼い主が乗っている救急車を病院まで追いかけた犬
カリフォルニア州コンプトンにあるマーティン・ルーサー・キング病院の医療従事者は、その職業柄、感情的な場面を目撃することに慣れている。しかし最近、危篤状態の患者を受け入れた彼らは、その足元で目撃した無条件の愛に感動し、涙を流さずにはいられなかった。
8月中旬、1人の男性が、危篤状態で自宅近くの病院に搬送された。
男性の飼い犬とみられる小さな白い犬は、男性が乗せられた救急車の後ろを懸命に走って追いかけ、病院までついてきた。
緊急治療室まで走ってきた犬は、飼い主がちょうどストレッチャーに乗せられて建物の中に入って行く姿を見るのに間に合ったようだ。

image credit:Suzette Hall/Facebook
飼い主の側から離れたくなかったのだろう。犬は、飼い主を追って救急室の中に入ろうとしたが、すぐにドアのところで止められた。残念なことに、犬にとってそれが飼い主を見た最後になった。間もなくして、飼い主が息を引き取ってしまったのだ。
玄関先で何日も、帰らぬ飼い主を待ち続ける
犬は、飼い主が永遠に戻ってこないことなど、知る由もなかった。ただひたすら、飼い主がドアから出てくるのを待って、犬は緊急治療室の入り口ドアの前で動こうとしなかった。
誰かがドアから出てくるたびに、犬は自分の飼い主かどうかを確認していたという。

image credit:Suzette Hall/Facebook
そんな犬の姿を毎日見ていた医療従事者たちは、とても胸を痛めた。飼い主が亡くなってしまったことを、犬に伝えることができればどんなにいいだろうかと思った。だが、その術はなく、犬はただそこで待ち続けた。
病院のスタッフたちは、なんとかして犬を駐車場から救出しようとしたが、犬はその場から去ることを拒否した。
10日後、ついに犬を救助、施設に保護される
犬が適切な保護施設に行かず、十分な栄養も与えられずに屋外に長期間滞在することは、病院スタッフにとっては心配すべきことだった。そこで助けを求められたのが、同州にある犬救済・保護団体『ローガンズ・レガシー・ドッグ・レスキュー(Logan’s Legacy dog rescue)』の創設者スゼット・ホールさんだった。
病院の警備員は、犬が救急治療室まで救急車を追っていくのを見守っていたのですが、中に入ろうとしたので、止めたようです。病院スタッフから話を聞いて、心を痛めたホールさんは早速犬の救助と保護に向かった。
ところが、ちょうどその頃、前例のない嵐がその地域を脅かしていて、一刻も早い救助が必要となった。
恐ろしいハリケーン警報とひどい雨が降っていましたが、犬は雨の中、飼い主を待っていた場所で濡れながら眠っていました。その時の嵐の名前を取ってヒラリーと名付けられたメス犬は、ホールさんが見たところ、とても衰弱していたという。
この子は飼い主思いの、とても忠実な犬です。

image credit:Suzette Hall/Facebook
亡き飼い主に対するヒラリーの無償の愛は、体力的にそろそろ限界に達していたのでしょう。ホールさんは、ヒラリーに温かいおやつを与えると、あたたかい布で包み込み、保護して施設へと連れ帰った。

image credit:Suzette Hall/Facebook
私はただ、ヒラリーの悲しみを理解して寄り添うだけです。ホールさんは、ヒラリーが無事に保護されたことに安心したが、ヒラリーがずっと飼い主のことを考えているのを知ったとき、とても悲しくなったそうだ。
私がヒラリーを車に乗せた後も、ヒラリーはまだ緊急治療室のドアをまっすぐに見つめていて、「父さんは、きっと出てくるはず」という感じに見えました。

image credit:Suzette Hall/Facebook
少しずつヒラリーが悲しみから回復することを願って
ヒラリーを保護したホールさんは、マーティン・ルーサー・キング病院のスタッフに最後の別れを告げさせてから、犬を地域の動物病院へと直行した。そこで、ヒラリーは治療と診察を受けることになった。日にちが経過すれば、衰弱した容態からも徐々に回復することができるようだ。
ヒラリーは、まだ悲しんでいます。ヒラリーは、ホールさんに細心の注意を払われながら、動物病院で治療し、その後仮里親ボランティアのもとへ預けられた。
でも、私たちはヒラリーに素敵な永遠の家を見つけてあげるつもりです。 まずは、健康を取り戻すための治癒する必要があります。
犬の表情はまだ悲しみに満ち溢れている。大好きな飼い主のことが気になってしかたがないのだろう。
ホールさんは、近いうちにヒラリーに新しい家族が見つかって、永遠の家で幸せに暮らしてくれることを切に願っている。
References:Loyal Dog Stares At Emergency Room Entrance For 10 Days, Hoping To See Her Human Again/ written by Scarlet / edited by parumo
あわせて読みたい





コメント
1. 匿名処理班
とにかく保護されてよかった。まだまだ色々理解できず、深い悲しみに満ちた目ですね。自分自身も衰弱し続けてもずっと待ち続けるワンコ。飼い主への思いの強さに泣けてくる。笑顔が戻る日は来るのだろうか…。
2. 匿名処理班
悲しすぎて凍りつきそう
3. 匿名処理班
ERは忙しいんだろうけど、ご遺体に対面させてあげるっていう、ちょっとした手間はかけられないのかな
4. 匿名処理班
飼い主さんはきっと優しい、素敵な人だったんだろうね。ご冥福をお祈りします。ヒラリー、幸せになってね
5. 匿名処理班
>>3
仮に出来たとしてもこの子は霊柩車を追いかけて葬儀会社の前で待ち、葬儀に参加して墓石に寄り添い続ける気がする
6. 匿名処理班
すげぇ、目から寂しさが伝わってきたわ
胸が締め付けられるよ
7. 匿名処理班
くぅ〜っ、泣かせるねいっ...
8. 匿名処理班
タイトルだけで胸が締め付けられる
9.
10. 匿名処理班
こんな愛情深くてかわいい子残して逝かなければならなかったお父さんもさぞかし辛くて無念だったろう
ヒラリーちゃんが幸せに暮らせるあったかい家族が早く見つかって天国で安心してくれるといいな
11. 匿名処理班
亡くなったらちょっとでも会わせてあげたほうがいいんだろうね
12. 匿名処理班
イッヌの真っ直ぐな愛ったら…この子の悲しみがどうか癒されますように🙏
13. 匿名処理班
>>11
現代って、ペットが飼い主の死に目にちゃんと会えることってほとんどないね、そういえば。救急車で運ばれて入院してそのまま…とか、施設で亡くなって…とか。
どこまで死を理解してるかはわからないけど、ゾウとか猿とかが死んだ仲間からしばらく離れず死を悼むような行動もあるようだし、
犬なり猫なり鳥なり、彼らなりの理解がいく方法がわかれば、待ち続けさせてしまうこともないのかな。
でも人間でも、「あの人が死んだということがいまだに信じられません」とか言うもんね。人間でも処理するのに時間のかかることだもんなぁ…
お別れの時間の長短じゃないのかもなぁ…
14. 匿名処理班
>>5
それでも冷たく動かなくなった飼い主に触れることができたら、犬は賢いからなにが起きたかを悟るはず
状況がわからないまま引き離されたら気持ちの整理もできない
15. 匿名処理班
この悲しそうな表情を見ればどれだけ相思相愛だったかわかる
見てるだけでつらい
16. 匿名処理班
>>3
遺体の搬出は裏口からだったとか
犬の飼い主さんがどの患者さんだったか
その当時はバタバタしてて分からなかったとか
そういう行き違いがあったんだと思う
17. 匿名処理班
「…パパ…この中にいる…まだ出て来ない…パパ…」
18. 匿名処理班
ただただ悲しい…
19. 匿名処理班
どの写真も元気がなくて悲しそうな表情で胸が締め付けられる…
20. 匿名処理班
最後の写真悲しい
飼い主の死を知らない犬の視点に立ってみれば大好きな飼い主から引き離されてよく分からない人たちに拉致されたって感じてるでしょうから