
忠実な犬の飼い主への愛は永遠に失われることはないようだ。
この黒い子犬はネガオという。ネガオにも世界で一番大切な人がいた。いつも一緒に時を過ごし、側にいてくれた男性だ。しかし、ある日突然、その人は自分の目の前から姿を消してしまった。
最後に姿を見たのは病院の前。なぜ戻ってこないのか分からないネガオは、ひたすら病院の前でその人の帰りを待ち続けている。
広告
飼い主の乗った救急車を追いかけて病院にたどり着いた
去年の暮れ、ネガオの飼い主であるホームレスの男性が、感染症にかかり病院に運ばれてきた。ネガオは必死で飼い主を運ぶ救急車の後を追い病院まで走ってきた。飼い主を乗せたストレッチャーが救急車から運び出され、病院内に入って行く様子をじっと見ていた。
しかし、不幸にもその男性は感染症により命を落としてしまった。二度と飼い主が病院から出てくることはない。ネガオはそんなことを知る由もない。
それからずっとネガオは病院の前で飼い主が戻って来るのいまかいまかと待ち続けている。

飼い主にもう1度会いたい。ネガオの願いはそれだけだった。
ネガオは救急車が病院に来るたびに、駆け寄って行き、飼い主が乗っているか確かめた。病院の前でじっと座り、夜になり救急車がやって来ると駆け寄って行くネガオ。
病院のスタッフもそんなネガオの存在に気付き始めた。スタッフたちは亡くなった飼い主を待つネガオのことを不憫に思い、水や食べ物などを与えてシェルターに連絡を入れた。

ネガオを引き取りたいと申し出てくれた家族もいた。ネガオは2回ほど引き取られたが、その度に家を抜け出し病院前に戻ってきた。
やさしかった飼い主が戻ってくるかもしれない、飼い主に会いたいよぅ...。
そのけなげな姿を見た病院のスタッフは胸を打たれた。
そしてついにこう考えるようになる。
ついに病院の公式犬に
誰かに引き取ってもらい、幸せになるよりも、ネガオの気の済むまで病院の前にいさせてあげようと考えたのだ。病院の庭で暮らせるようにするために、ネガオには定期的に獣医の診断を受けてもらい常に健康でいられる状態にした。また、散歩にも連れて行ってもらえるようにと地元の動物愛護グループの助けをかり、ネガオの世話をすることに決めた。
「ネガオが去る決心がつくまで、ネガオは私たちと一緒にずっとここにいます」、「ネガオがここにいる限り、私たちは世話をして、たっぷりの愛情を与えたいと思っています」と病院のスタッフは語ってくれた。

ネガオの人生は、世界で一番大切な人を失うという計り知れない悲しみから始まってしまったが、最後にはその忠実な姿に胸を打たれた人たちから多くの愛を受けることとなった。人々の愛に支えながらもネガオが最初の飼い主のことを忘れることはないだろう。
追記:(2018/11/9)
コメント欄によると、病院の公式犬となったネガオは、その後病院で最初にネガオに気づきせっせと世話した受付嬢が正式に飼い主になり、病院で放し飼いされながら多くの人に愛されているという。
新たなやさしい飼い主に恵まれ、これまで通りみんなと過ごせるようになったネガオがいつまでも幸せに暮らせますように。
via:facebook、globo、odditycentralなど/ translated melondeau / edited by parumo
▼あわせて読みたい





コメント
1. 匿名処理班
ネガオの寝顔が・・・・いや、なんでもない。
2. 匿名処理班
よほど愛情を注がれて暮らしてきたんだねぇ…
これじゃご主人も成仏しようにもできないよね
「大好きなご主人はもうこの世にはいない」と知ったら知ったですごく落ち込みそう
3. かわうそ
もう世界中全ての病院の前に犬小屋を設置するようにしよう
4. 匿名処理班
こんなん泣いてまう
5. 匿名処理班
お昼時にこの手の記事ぶっこむのやめてくれマジでw
泣くw
6. 匿名処理班
自分は人間だし犬を看取る側だと思っていたけど、必ずしもそうとは言い切れないもんなぁ
どうか自分がいなくなった後も幸せに生きてほしいが
7. 匿名処理班
かわいいネガオ
8. 匿名処理班
行動を他人(動物を含む)のために起こせる人は尊敬する、自分なら可哀想とは思うけど何もしないで通りすぎる
9. 匿名処理班
>ネガオの気の済むまで病院の前にいさせてあげよう
なんだかこれに泣いた。
本人(犬?)の気持ちを一番に考えてあげて、それを叶えてあげるって、なかなか出来ることじゃないと思う。
ネガオと関係者の皆さんが幸せな毎日を送れますように。
10. 匿名処理班
昼休憩中に社食で読んだけど、涙と鼻水が止まらなくて、隣席の人に心配された。
うちにも柴犬がいるけど、おやつ沢山貰える家だったら、俺の事なんて忘れそう。
でも、そんなアホ犬でも世界一可愛いと思ってる。
11. 匿名処理班
(´;ω;`)ブワッ
12. 匿名処理班
動物だけ残される終わりは辛い
13. 匿名処理班
お葬式は残された人の為のものだというけど、本当にそういうのがないとただひたすら待っちゃうんだろうなあ…
犬も薄々は帰ってこないかもと思っているのかもしれないけど、それこそ死んだ飼い主を目にしなければ諦められないんだろう
14. 匿名処理班
いやいやいや…、通院者とか病院関係者とか、エサをやってたんだろ
よくいるじゃん、公園とかに住み着いた犬や猫。
15. 匿名処理班
ちゃんと飼い主の遺体を見せてお別れさせてあげないから…
犬ってにおい嗅ぐまで信じないし
でも感染症じゃ疫学的に無理かもな
16. 匿名処理班
とりあえずこの記事見て自分の家の猫にすぐ会いに行きたくなった
17. 匿名処理班
ほんと、犬は生涯の友だよ
18. 匿名処理班
人が死んで霊魂は残るとしたら、犬は霊魂を感知できないということになる?
19. 匿名処理班
ネガ夫…(;_;)
20. 匿名処理班
※16
病院側は遺体を処分した後に待ってることに気づいたっぽいから、自然死だったとしても匂い嗅がせるのは難しかったかもねえ…
ホームレスだから遺体の引き取り手がなく、すぐに埋葬されたろうし…
21. 匿名処理班
こんなんされたら死ぬに死ねないわ (´;ω;`)ウッ…
22. 匿名処理班
たまらんな…(つд`)
23. 匿名処理班
※19
犬が入れないどこかにお出かけして
「ここで待ってるんだよ」って
習慣をつけるのがいかんのかも。
パパやママが消えたら
「とりあえずおうちに帰っってみよう
そしたら居るかもしれない」って、
小さい子でも普通は思うよね。
そっちの方が自然だし。
多分、飼い主さんの霊も元いた場所に帰ってて
「あれなんでネガオが居ないんだろう」って探し回ってるよ。
救急車ってことはそうとう状況が悪くて
本人は病院に運ばれたかもよくわかってなくから
そこにネガオがいるとは思ってなくて会えないんだよ。
24. 匿名処理班
救急車が来るたびに期待して覗いて、また違った…ってガッカリしてたのかなと思うと涙が
犬ってなんでこんな健気な生き物なんだろう
25. 匿名処理班
この話は涙が止まらない。
こういう、理由も分からないまま生き別れになってしまうのが一番辛い・・・。
言葉が通じるならネガオに「おじさんはもう痛くないから心配しなくていいんだよ。お前も人生を楽しんでおいで」と教えてあげたい!
26. 匿名処理班
※2
ハチ公とかこの犬みたいに、2度と帰って来ないご主人を待ち続けるのと、
真実を知って絶望するのはどっちが幸せなのかな…とたまに思う。
人間なら忘れていくことも出来るけど、犬はずっと覚えてるからなあ
27. 匿名処理班
また同じパターンだよ
もうあきた
28. 匿名処理班
※28
そうか
なら黙って立ち去れ
29. 匿名処理班
以前、飼い主の墓にすがって泣く犬の動画があった気がするが
一応、状況次第では人の死を理解できるのだろうか?
なら今回の記事の犬も、飼い主?が死んだということを理解できるといいな
いつか会えると思いながら待つ日々は辛いからな
30. 匿名処理班
切実に自分を求めてくれる人がより気になるのかな
動物は正直だな
31. 匿名処理班
この愚直なまでの純粋な行動
人間は本当に霊長類なんて自称できるほど凄いのだろうか
32. 匿名処理班
飼い主が死んだ事、理解してると思うよ
死んだというかそこにはもう居ない事を
人より遥かに優れた嗅覚聴覚があるし
それでも待ち続けるのはある種の祈りに近い行動なんじゃないかな
飼い主の匂いが残るブランケットを愛するか、最後の場所で奇跡を待つかは犬それぞれ
33. 匿名処理班
ご遺体と対面してないのかな
公的機関の葬儀にも出られたら良かったね
34. 匿名処理班
なにこれ、目汁だけでなく、鼻水まででてきたんだけど
これは辛いなぁ
二度新しい飼い主が決まったのに、それでも前の飼い主のところに戻るって号泣だわ
いきなり飼い主が連れていかれたんだから心配だよね
救急車が来る度に、飼い主かも!……違かった…って繰り返して
今も期待し続けてるのかなぁ…
35. 匿名処理班
全ての飼い主は自分に何かあった時に後を託す人が必要だと思う。
主人への忠誠心が強いのは立派だけどこの犬の今後を考えるととてもかわいそう。
36. 匿名処理班
(´;ω;`)マジっす!!
37. 匿名処理班
病院の英断はもっと評価されるべき
38. 匿名処理班
もしかして、病院が気に入っているだけとか…
39. 匿名処理班
情報の更新されてないから追記しておきます。
病院の公式犬となったネガオですが、その後病院で最初にネガオに気づき気にかけ世話を率先して行っていた受付嬢の方が正式に飼い主となりました。ですが今も病院で放し飼いされ多くの方に愛され過ごしているそうです。
ネガオよかったね。最後まで幸せになってね。