
image credit:Helen Woodward Animal Center/Facebook
アメリカのルイジアナ州の人里離れた場所に、母犬と一緒に望まれなかった8匹の子犬が捨てられた。親切な人の助けにより、保護された子犬たちのうちの2匹の兄妹は、特別な絆で結ばれていた。耳が聞こえず目も不自由な妹を、兄は常に寄り添い、支えていたのだ。
ルイジアナからやってきた2匹を保護したカリフォルニア州にある動物保護施設のスタッフは、この先2匹が幸せになれるようにと一緒に引き取ってくれる永遠の家を探していたところ、間もなくしてやさしい飼い主が決まった。
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Blind, Deaf Puppy Relies on Sibling to Explore World
母犬と一緒に捨てられていた子犬たち
ルイジアナ州で、辺鄙な場所に捨てられていた母犬と8匹のテリアミックスの子犬が発見されたのは、2020年のはじめのことだった。偶然、見つけたやさしい夫婦は9匹を保護し、子犬たちが母犬から授乳を終えるまで面倒を見た。
その後、夫婦は母犬を引き取り、8匹の子犬たちについてはちゃんと世話をしてくれる施設に救助を求めた。
その結果、8匹の子犬はルイジアナ州から遠く離れたカリフォルニア州サンディエゴにある保護施設「Helen Woodward Animal Center(ヘレン・ウッドワード動物センター HWAC)」にやって来た。
間もなくして、8匹の子犬たちのうち6匹は養子縁組され、それぞれの家庭に引き取られたが、デンバー(オス)とスター(メス)の兄妹が残った。
スターは、生まれつき耳が聞こえず、目も不自由でほとんど見えない状態だった。そんな妹を、兄のデンバーはいつも支えるようにして、片時もそばを離れず、一緒にいた。
目と耳が不自由な妹を常に支え続ける兄犬
愛情深い配慮のおかげで、スターは毎日を安心して暮らすことができた。障がいがあっても、スターは普通の子犬と変わりないほど、探検したり飛び回って遊んだりすることが大好きだった。
スターには、兄のデンバーがいつも一緒にいてくれるという安堵感があったのだろう。デンバーは、スターのガイド的役割を果たす存在になっていた。
同時に、2匹はとても強いきょうだいの絆で結ばれていた。
HWACのジャッキー・ケレハーさんは、このように話している。
スターが迷子になったように見えると、デンバーは駆け寄って様子を確認します。スタッフの話しぶりから、どんなときでもデンバーがスターを気遣い、自分の存在でスターの障がいをできる限りカバーしようと努力していることがわかる。
2匹は、いつも一緒に遊んでいます。お互いを引っ張ってロープのおもちゃで遊んだり、ぬいぐるみを噛んだりするのが好きなようです。
目が不自由なスターを、デンバーはつつくようにして、自分が側にいることを知らせています。
スターは、デンバーのにおいを嗅ぐことができるので、もしわからなくなってしまっても、部屋中のにおいをかいで回り、デンバーを見つけようとします。
デンバーは、常にスターの周りを警戒しています。人間の周りにいるときでも、スターにいつも注意を払っています。
スタッフは、絆の強い2匹を一緒に引き取ってくれる飼い主を望み、SNSでスターとデンバーのことをシェアした。
すると、3週間後についに2匹に永遠の家が見つかったのだ。
兄妹2匹に一目ぼれした一家に永遠の家を提供される
スターとデンバーの始まりは、決して幸せではなかった。しかし、やさしい一家に発見されたことで、永遠の家を探してくれる施設に預け入れられることができた。
そして、ついに自分たちをとても愛してくれる家族が見つかった。
スターとデンバーを引き取ることになった飼い主は、「出会った瞬間、家族にしっくりおさまる光景が想像できた」と話すほど、一目見て2匹のことが大好きになったという。

image credit:Helen Woodward Animal Center/Facebook
今、デンバーとスターは、あたたかな家族に囲まれて、きっと幸せに暮らしていることだろう。
References:Animal shelter rescues siblings then realize brother is protective because sister is special needs/ written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
嗅覚と触覚だけで生きていくとはどういう感じなんだろう恐ろしくて想像つかない
でもこの子はお兄ちゃんとじゃれたり尻尾を振って感情を表現する事も出来る
お兄ちゃんに守られて自分が感じ取れる世界をしっかり生きてた
2. 匿名処理班
捨てる神あれば拾う神あり。
3. 匿名処理班
>>1
親戚が生まれつき盲目の猫を飼っていた
1匹飼いで他の猫と自分を比較する機会が無いせいか不自由していた様子は無かったよ
逆に怖いもの知らずでこちらが怖くなる
子猫の頃は壁に顔面をぶつけるのも気にせずダッシュして屋内の様子を覚えたというし、2階のベランダ近くに生えていたシュロの木を伝い降りて庭を冒険したので慌てて木を処分したとか
そんなだからやっぱり人間が保護しないといけないね
4. 匿名処理班
>>1
スターちゃんの場合
全く聞こえなくて、あまりよく見えないってのが
生まれつきでそれが普通で日常なので
誰かに意地悪な事をされなければ
恐怖を感じる事はないと思う
ただし嗅覚と触覚だけになるから
健常の犬ちゃん達に比べて
周囲の状況を知覚するのに時間がかかるし
みんなと同じ視覚や聴覚を持ってないから
孤独を感じる事は多いかも
5. 匿名処理班
素敵なお話だった
6. 匿名処理班
>>1
>>4
目と耳がうまく機能しないって言うと人間ではヘレン・ケラーが有名だけど、あの人も87歳まで生きていらっしゃったからね。
特に嗅覚が鋭い犬ならそこまで過酷なハンディキャップではないのかも。
7. 匿名処理班
こういうニュースばっか見てたい。
8. 匿名処理班
これほかの動物でもあるよね
猫とかアライグマとか
仲間を差別で見捨てない事は多々ある
損得ではない愛がある
9.
10. 匿名処理班
飼うことにした夫婦すごい
簡単な覚悟じゃできない
11. 匿名処理班
感激しました。新たな飼い主が見つかるまで世話するかたも新たな飼い主も素晴らしい❗