メインコンテンツにスキップ

翼をもつメドゥーサのモザイク画が古代ローマの邸宅跡で発見される

記事の本文にスキップ

29件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 スペイン西部にあるローマ時代の豪奢な邸宅で、翼のあるメドゥーサの頭を描いた紀元2世紀、約1800年前の色鮮やかな巨大モザイク画が発見された。

 この珍しいメドゥーサのモザイク画が見つかったのは、スペイン西部、ポルトガルとの国境に近いメリダにある、ウェルタ・デ・オテロ遺跡だ。

翼を持つメドゥーサを描いた古代ローマ時代のモザイク画

 青銅器時代にさかのぼるこのウェルタ・デ・オテロ遺跡は紀元前15世紀から紀元前8世紀の間、古代イベリア文明の中心地として栄えていた。

 ローマ人は、紀元前3世紀頃にイベリア半島に進出し始め、その後数世紀にわたって、地元のケルト族やイベリア族を征服して、吸収していった。

 遺跡が初めて発掘されたのは1976年のこと。この時、ビジネスと礼拝の中心として機能していたローマのドムス(大きな邸宅)の遺構が確認された。

メドゥーサの頭のモザイク画が発見された古代ローマの大邸宅(ドムス) / image credit:Merida City Hall

 2019年以降、再びこの遺跡での発掘が始まり、今回はドムス内でいくつかの新しい部屋と、古代の町の壁と平行に走る通りが発見された。

 なにより驚きの発見は、翼を持つメドゥーサを描いた、30平方メートルもの大きさのモザイク画だった。

この画像を大きなサイズで見る
スペインの古代ローマ時代の邸宅から見つかった翼のあるメドゥーサのモザイク画 / image credit:Merida City Hall

ヘビの頭をもつメドゥーサの伝来

 ギリシャ神話の中では、ペルセウスの母親が邪悪な王に捕らわれ、英雄は鏡の盾、翼のついたサンダル、魔法の剣を携えて、恐ろしいメドゥーサを退治する危険な冒険に乗り出す。

 そして、メドゥーサのねぐら、ゴルゴンの洞窟でヘビの髪をもつ怪物に遭遇した。

 鏡の盾を使って、その恐ろしい視線を直接見ないようにして、ついに魔法の剣で怪物の首を刎ねた。

 プレスリリースによると、このモザイクに描かれているメドゥーサは、仮面や幾何学模様、魚や四季を表す4羽の鮮やかなクジャクなどの野生動物に囲まれているという。

 メドゥーサそのものは、模様のある八角形の中心に描かれていて、この八角形は「アテナのアイギス」、つまりギリシャ神話の英雄ペルセウスによって切り落とされたメドゥーサの頭を支えていた盾、または皮を表していると専門家は考えている。

この画像を大きなサイズで見る
4羽の色鮮やかなクジャクのモザイク画 / image credit:Merida City Hall

邪悪な存在を利用し、悪を撃退する

 バラエカⅡ専門学校の考古学者ホセ・ヴァルガスによると、メドゥーサの眉が濃く描かれているのは、厄除けの意味があるのだという。

 ほとんどの人は、メドゥーサの髪がヘビで、その目を見ると石に変えられてしまうという誤った認識があるが、必ずしもそうとは限らないという。

 初期のゴルゴン、メドゥーサは、顎髭を生やし、牙や尖った歯をもつ怪物として描かれることもあったそうだ。

 だが、西暦100年頃のローマ時代のメドゥーサは、ワイルドな巻き毛で、風になびく髪や傾けた頭など、アレクサンダー大王の特徴が見られるという。

 このモザイク画は、古代ローマの食堂トリクリニウムのようなドムスの主要な部屋のひとつを飾っていた。

 さらに、この邸宅にはメドゥーサのモザイク画だけでなく、建物全体に絵画や彫刻モチーフが非常によく保存されているという。

この画像を大きなサイズで見る
ローマの邸宅で見つかったモザイク画のひとつ / image credit:Merida City Hall

恐ろしさが増す翼をもつゴルゴン

 白黒ではなく、多様な色が使われていたため、このモザイク画は西暦2世紀頃のものだとわかるという。このメドゥーサは、丸い顔、ぎょろりとした目、乱れた髪、わずかに傾けた顔、額から生えた白い翼、という姿で描かれている。

 この翼は、ローマの使者の神、マーキュリーの描写と似ている。だが、翼をもつメドゥーサは、彼女の恐ろしい風貌を強調し、その超自然的な力、有無を言わさぬ致命的な性質を象徴する方法とし、芸術的な奔放さと神話の地域的なバリエーションから現れたものだ。

追記:(2023/08/15)タイトル・本文を一部訂正して再送します。

References:Las excavaciones en la Huerta de Otero sacan a la luz el gran mosaico de Medusa en la estancia principal de una esplendida domus romana / Rare Winged Medusa Mosaic Found in Ancient Roman Villa in Spain | Ancient Origins / written by konohazuku / edited by / parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 29件

コメントを書く

  1. 日本にはメドゥーサを倒したペルセウスの勇ましさを
    たたえるヒット曲が存在していると聞いたらアチラの人は驚くかな。
    しかも2003年の発売でプロ野球の番組テーマ曲に使われていた。
    島谷ひとみさんの「ぺルセウス」の事なんだけど。

    • +4
  2. 凄いなあ…。
    俺の家も庭から徳川の埋蔵金が出ねえかなあw

    • +5
  3. メドゥーサの髪がヘビは、後年に広めた人がいるのかな。

    • +2
  4. 八角形のアイギスの盾・・八角形のイージス艦SPY-1レーダ・・

    • 評価
  5. よく今まで発見されなかったなー。
    スペイン、結構未開の地がある?

    • +4
  6. こういう発掘現場は楽しそうで良いよなあ…

    日本で発掘なんて土の境目を延々と探って何も出なかったり、今日はあの石室の内部の泥を掻き出すよーって喜んで行ったら内部にカマドウマがびっしり張り付いていたりしてね。
    ああ、この時期は熱中症にも注意だな。

    • +5
  7. >魚や四季を表す4羽の鮮やかなクジャクなどの野生動物に囲まれているという。

    メドゥーサは元々、ゼウスを中心とする神話に取り込まれる前はコリントスで崇められていた女神でデーメーテールと同一神らしい
    この頃はまだ、豊穣神としての面影も意識されてたのかな

    • +7
    1. >>13
      古代ギリシャ神話に取り込まれる以前はその地域の地母神だったらしいから、この絵が描かれたときは悪魔扱いでなく女神扱いだった可能性もあるよね。
      なんせ周りにゴージャスな動物が描かれてるし。

      • +7
      1. >>27
        春に冬眠から覚めるヘビ要素持ってるのも納得

        • +1
  8. 古代ローマやトルコ、アフリカでは邪神ではなく力のある女神として信仰されていたらしいね

    • +6
    1. >>16
      普通は頭(顔も頭に含まれる)から飲むだろ。

      • +3
      1. >>28www
        顔の何処からでもいいよw飲んだそこから翼が出てきたらw

        • +1
    1. >>17
      わりとまじにそのへんの「魔除けの恐い顔」のシンボルは関連してる可能性ある

      神社の狛犬が伝播をたどっていくと中近東のスフィンクス像に繋がっているように

      • +3
  9. 30平方メートルって下手なアパートの占有面積より広いじゃん
    写真の八角形の外にも絵が続いてるみたいだからイマイチ割合が分からないけど
    人間の実物のものより何倍も大きい顔がドーンとあって近くに立つと丸呑みされそうな迫力がある感じか

    • +4
  10. タバサの像を取り忘れて
    仲魔のストーンカ以外、全員石にされたな

    • 評価
  11. 流石に頭に蛇がうようよいる様をリアルにしちゃったら気持ち悪い…とか考えたのかねえ

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

歴史・文化

歴史・文化についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。