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人類の二足歩行を可能にした遺伝子を発見。AI分析で特定

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(著) (編集)

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 人類(ヒト)は、600~700万年前、チンパンジーやボノボなどの類人猿と共通の祖先から枝分して進化したといわれている。

 当時、人類の祖先はまだ四本の足で歩いていた。しかし、徐々に二本足でまっすぐに立って歩く術を身につけ、現代人のような姿になっていった。

 だが、なぜそれが可能になったのだろう? 直立二足歩行に適応するために骨格が進化したのはわかっているが、何が原因で人類の体だけがそのような形に変化したのだろう。

 米テキサス大学オースティン校をはじめとする研究チームは、この謎に迫るべく、AIを利用して骨格の写真3万9000枚とゲノムを分析した。

 その結果、人間の直立二足歩行を可能にした遺伝子を突き止めたという。

 『Science』(2023年7月21日付)に掲載された研究によれば、それは「骨格のプロポーションを制御する遺伝子」であるそうだ。

なぜヒトだけが、直立二足歩行に適応したのか?

 ヒトは唯一、腕よりも足が長い大型霊長類で、直立二足歩行が可能となった。完全な直立二足歩行ができる動物は、地球上で私たち人間しかいない。

 ゆえに、この特徴はヒトとほかの類人猿とを分ける重要なものの一つだ。

 少なくとも300万年前のアウストラロピテクスの骨格には、直立二足歩行をしていただろうことがうかがえる特徴がある。

 なぜ人類が直立二足歩行をするようになったのか、その理由については諸説あり、はっきりしたことはわからない。

 だが足だけで立てるようになったことで、腕が解放された。

 おかげで物をいじったり、道具を作ったり、さまざまな物を運べるようにもなった。それは人間の知能の発達につながったことだろう。

 また、それは私たちの知能そのものを支えてもいる。

 というのも頭を体の真上に置くことができるので、体のわりに大きな頭を持てるようになったのだ。

 実際、人間の頭部の重さが体重に占める割合は、地球上にいるあらゆる動物の中で一番大きい。

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直立二足歩行のデメリット

 だが直立二足歩行にはデメリットもある。

 腰痛や関節炎といった筋肉や骨の病気にかかりやすくなった。

 内蔵が下に落ちないよう骨盤を小さくする必要があったので、出産が難しくもなった。だから人間の赤ちゃんはかなり未熟な状状で生まれてくるとされている。

 また重たい頭部を一番上におくのだから、当然バランスも悪い。うっかり転倒すれば、急所である後頭部をうつ恐れがあり、その危険性は歳を取ればますます高くなる。

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photo by Unsplash

AIを駆使して、直立歩二足歩行の遺伝子を特定

 米テキサス大学オースティン校をはじめとする研究チームは、このような人間ならではの直立二足歩行を可能にした遺伝子を解明を試みた。

 そのためにAIの機械学習が利用された。3万9000枚もの骨格の写真をAIに学習させ、肩・膝・足首といった骨同士の距離を数値化。このデータを人間の遺伝子と比較してみたのだ。

 その結果、ヒトゲノムの145ヶ所が、人間の骨格形成に関与しているだろうことが判明したという。それらは「骨のプロポーション(比率)」をコントロールするものだ。

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二足歩行遺伝子を理解することで、骨格のリスクの予測に役立つ

 これらの遺伝子は、類人猿やさまざまな脊椎動物にもあるが、私たち人間はそこから大きく分岐しているのだという。だから人間の骨格だけが、ほかの動物のものと違う。

 またこうした研究を通じて、さまざまな関節炎に関係している遺伝子変異や骨格の特徴も突き止められたという。

 たとえば、身長に対してお尻の幅が広いほど、変形性関節炎や腰痛になる可能性が高い。また身長に対して大腿骨が長いほど、膝にトラブルを抱えやすい。

 この研究は、人類の進化や骨の構造の変化について理解が深まるだけでなく、骨格障害になるリスクの予測にも役に立つと考えられるそうだ。

References:Genes That Shape Bones Identified, Offering Clues About Our Past and Future – UT News / Scientists identify genes that turned us into bipeds / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 23件

コメントを書く

    1. >>1
      二本足で歩く猫といえば
      ・きょうの猫村さん
      ・デキる猫は今日も憂鬱

      • 評価
  1. 145箇所の変異が一時期に???
    核外遺伝子の重複とか
    「前肢の萎縮」とかが先にあった気がする

    • -4
    1. >>2
      145か所が関与したとはあるけど、どこにも「変異が一時期に」なんて書いていませんが…

      • +5
  2. 突然変異した個体が子孫を残し少しづつ直立出来る個体が生まれ
    動ける個体が有利に子孫を残し、人類になったんだろうなぁ

    • +1
  3. 時々、わんにゃんの二足歩行するのは………自ら遺伝子を書き換えた❓❓❓

    • 評価
  4. 意味がわからん

    人間の骨格形成に関与しているだろうと思われるヒトゲノムが特定されることと、直立歩二足歩行の遺伝子を特定することは別物だろう

    • -5
    1. >>6
      キリンとか品種改良された極端な特徴を持つ犬とかを考えてくれればわかるけど、遺伝子がその形質を存分に発現するにはまずは骨からイジらないとダメなんだよ。
      例えば人間が筋肉だけで二足歩行に適応進化するなんて考えにくいし、もし仮にそうなったとしても生涯を筋肉による二足歩行だけで支えるなんて構造的にもエネルギー的にも無理だというのは想像に難くない。
      まずは骨を作って、そこに筋肉やらなんやらをくっつけていく。これが高等脊椎動物の進化の基本。骨にはなんの特徴もないのに、それ以外の要素でその動物を特徴づけてる様な動物なんて聞いたこと無いでしょ?

      • +2
    2. >>6
      どこかの国に四つん這いで暮らす一族がいたよね
      遺伝子変異している箇所に人間が二足歩行になった秘密があるのではとか何とか

      • 評価
  5. 遂にミッシングリンクが解明されたのかとワクワクしたのだけれども。

    • 評価
  6. 首が短いキリンの化石はまだ発見されんのか

    • 評価
    1. >>13
      「シバテリウム」という今は絶滅してしまった動物がキリンの祖先と考えられています
      化石から想像された模型では2m前後と背は高めのようですが、ウマのような体系で首は特に長くないようです

      • +1
  7. 地上で生きるしかない身軽じゃない猿はリスク負ってでも手を空けないと生き残る術が他に無かったって事なんだろうな

    • 評価
  8. >人間の頭部の重さが体重に占める割合は、地球上にいるあらゆる動物の中で一番大きい。

    そうでもないよ。
    相対的な頭部の大きさが人間を上回る動物としては
    多くのネズミやマッコウクジラ、メガネザルなど
    哺乳類だけでも結構おる。

    • -1
    1. >>15
      脳の重量の体重比の話をしているのであって、頭部の大きさの話はしていない…

      • 評価
      1. >>20
        記事には「脳の重さ」ではなく「頭部の重さ」とあるよ。

        ちなみに脳の重さ(体重比)でもネズミやリス、テナガザルなど
        人間を上回るものは割といる。

        • 評価
  9. 新しい遺伝子って、そんなに簡単にできるものなのかな。

    • -1
  10. 自分はUFOのリバースエンジニアリング暴露したロブラザーが
    人類は65回、遺伝子操作を繰り返されて誕生したと話してたような?
    あれ、これはスノーデンだっけ

    • -1
  11. ニホンザルでも訓練すれば骨格の変化を伴う二足歩行が可能なことを考えると群れの文化としての常習的二足歩行が先行してあって遺伝子の変化は後から起こったんだろう

    • -1

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