8年前、行方不明となった少年が生きて発見されたという、謎深き話題のニュース（続報あり）

　今から8年前の2015年、アメリカのテキサス州で、犬の散歩途中に行方不明になった当時17歳の少年が、今年6月末に生きて発見されるという奇跡の出来事が起こった。

　25歳になっている男性は、発見当時、全身に切り傷や打撲傷が見られ、髪に血が付着していたという。しかも、男性はショック状態なのかほとんど言葉を話すことができなかったそうだ。

　現在、病院にて回復中という男性の母親は、息子が生きて帰ってきたことに喜びを示しているが、隣人からは疑問が投げかけられている。

　なぜなら隣人らは息子の姿を、これまでに何度も目撃しているというのだ。

　謎が謎を呼ぶこの事件、警察は、8年間の空白を解明すべく、なるべく早く本人が話せるようになることを望んでいる。 Texas man who went missing as a teen 8 years ago found alive

2015年に行方不明になった17歳の少年

　テキサス州・ヒューストン北西部で、2015年3月6日の午後6時半頃、ルドルフ・“ルディ”・ファリアスさん（当時17歳）が、2匹の犬を散歩に連れて出た途中で、突然行方がわからなくなった。

　2匹の犬が、ルディさんなしで家に戻ってきたことに気付いた家族は、すぐにルディさんに何かがあったのだと悟り、警察に通報した。

　2015年、当局はルディさんがうつ病や心的外傷後ストレス障害、不安症と診断されていると報告した。 　また、ルディさんの母親によると、2011年に異母兄弟がバイク事故で亡くなって以来、彼はうつ病や不安症と闘っていたという。

　テキサス州の行方不明者センター「EquuSearch」は、ルディさんが見当識障害を起こし、薬を服用していない可能性があることを指摘して、一般の人々にルディさんを見つけるのに協力を求めた。 　ルディさんの特徴を表記したポスターやビルボードが街に掲げられ、警察も懸命の捜索を試みたが、結局ルディさんは発見されなかった。

　ところが、その8年後の今年6月29日に、奇跡が起こった。ルディさんが発見されたという知らせが家族に届いたのだ。

あざや打撲傷を負って発見されたルディさん

　ヒューストン警察によると、午前12時過ぎにヒューストン南東部にある教会の外にいたルディさんを発見した人物が、「誰かが教会の正面玄関の外で寝ている」と911通報したという。

　現在25歳になっているルディさんは、問いかけに反応せず、全身に切り傷や打撲傷を負い、髪には血が混じり、亡くなった異母兄弟のペンダントを身に着けた状態で発見された。

　ルディさんは、家族の身分証明書が記載されたアイテムを所持していて、それによって警察が家族と連絡を取ることができたようだ。

　ヒューストン消防署も最初の通報に応じ、現場へかけつけた。だが、ルディさんは救急車に乗って病院へ搬送されることを拒否し、代わりに母親の介護を受けることを希望。

　そこで母親が息子を病院へ連れて行き、ルディさんは治療入院となった。 　母親は、病院のベッドに横たわって回復中のルディさんの写真を共有し、「息子は二言三言話すと、胎児のような姿勢になる。息子はひどい虐待や殴打を受けたと信じている」と話し、ルディさんが話せる状態ではないことを強調した。

息子のルディは、トラウマを克服するために必要なケアを受けていますが、現時点では言葉が話せず、会話ができません。私たちと連絡を取ってください。

Update: 7/1/23-- After 8 long years, Rudy has been located safe. Please continue to keep his family in your prayers as Rudy recovers in the hospital. https://t.co/AFqj9qvm9G

— TX Center 4 Missing (@TXCenter) July 2, 2023

本当に行方不明だったのか？隣人が感じた疑惑

　メディアでは、行方不明の少年が8年経って発見されたと報道されているが、これには多くの謎や矛盾があると警察や捜査に近い関係者らは述べている。

　というのも、ルディさんが行方不明になった数年後の2018年9月に、親戚の家の裏に住んでいるのが発見されたと家族から警察に電話があったそうだ。

　しかし、当局者が現場に到着したところ、ルディさんは発見されなかった。

　また、ルディさんの自宅の近所の住民らは、ルディさんが8年間も行方不明とされていることに疑問を抱いている。

　メディアの取材に対し、キシャ・ロスさんとその家族は、ルディさんのニュースを見て驚いたと話した。

もともと、彼が行方不明になっていることなんて知りませんでした。だから、発見されたというニュースを見てショックを受けました。

だって、彼はよく私の家の車庫に来て、私のいとこや息子、娘と一緒にくつろいでいましたよ。

ルディは、前にバイク事故で兄弟を亡くしたと言っていて、その人のことを考えているときは落ち込んでいたのか、ウチに遊びに来なかった時期はありましたけどね。

そのとき彼は、家の近くの森の奥に一人で行って、じっと座っていたみたいですよ。あの少年は、8年間も行方不明にはなっていないと思います。

　ロスさんのいとこ、ブロデリック・コンリーさんは、ルディさんとはよく一緒に遊んでいたと語った。

楽しい時間を過ごしました。時々、彼は一人で公園に行くこともありました。頻繁に家に来ていましたけど、ここ数週間は会っていなかったですね。

　隣人の件についてメディアが取材をしたところ、母親は「それは息子ではなく甥のことだ」と言い、写真を共有。だが、隣人は「私たちが会っていたのはこの写真の人物ではない」と主張している。 Neighbors say man found after 8 years was 'never missing'

謎の8年間は未解明の状態で家族が声明文を発表

　ルディさんは、8年間ほんとうに行方不明になっていたのだろうか？

　隣人のロスさんは、「分かりません。それは、私がニュースを知ってから一日中理解しようとしていたことです。今は、混乱しています。『何が起こっているんだ？』という感じです。」と話している。

　一方で、ルディさんの母親は、「息子の治癒は長い旅になるだろうが、生きて発見されたことに感謝している」とテキサス行方不明センターを通して声明を発表している。

メディアや国民の皆様のご支援に感謝いたします。

私の息子ルディ・ファリアス4世は、8年間行方不明だったのですが、6月29日木曜日に発見されました。

現時点では、ルディの事件に関する追加情報はありません。

私たちが知っていることは、善良な見知らぬ誰かが、無反応な状態の息子を発見し、すぐに緊急通報したということです。

息子のルディはトラウマを克服するために必要なケアを受けていますが、現時点では言葉が話せず、私たちとコミュニケーションをとることができません。

困難な時期のため、今はプライバシーを守っていただくようお願いしていますが、ルディの回復が進むにつれて、詳細をお知らせします。

　ルディさんが教会の外で発見されてから５日が経過したが、捜査当局はまだ本人と話ができていないという。

追記（2023/07/07）：真実があきらかになったので追記いたします

実はずっと家にいたことが判明

　8年間に及ぶ謎の失踪事件だったが、ついにその事実があきらかとなった。

　ヒューストン警察の捜査官がその後本人と直接話をしたところ、ルディは行方がわからなくなった翌日に、家族が暮らす家に戻っていたという。

　ルディは8年間ずっと母親の家で暮らしており、その間警察と接触したこともあったが、母親も本人も、偽名や偽の誕生日を伝えていた。

　近所の人の目撃情報に対しても、ずっと甥だと主張し続けていた。

　警察は記者会見を開き、母親が警察を騙し続けて、行方不明だと主張していたことを発表した。



　だがなぜ母親は、息子が家にいるのに8年間も行方不明だと嘘をついたのか、その理由はいまだわかっておらず、警察は今後も捜査を続けるという。

　ルディは被害者なのか？それとも母親と共犯の容疑者なのか？それもおいおいわかってくるだろう。

　ただ、8年ぶりにルディと再会したファリアスさんに会ったという叔母のポーリン・サンチェスさんの話によると、「ルディはもう、母親の顔も見たくないし、会いたくない」と語っているそうだ。

References:Rudy Farias, Houston man whose mother said he was missing, no longer wants contact with her, aunt says / Man found alive 8 years after going missing was spotted by family in 2018, Houston police say/ written by Scarlet / edited by parumo
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