
アメリカ・テキサス州の非営利団体『ミッション・アランサス保護区』のボランティアたちは、毎年浜辺を探索しながら、打ち上げられた不気味でグロかわいい?漂着物を収集し、それらを販売する活動を行っている。
その売り上げは、すべてウミガメの保護基金に寄付されるそうだ。
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ウミガメ保護基金のために活動する保護団体
テキサス海岸沖に位置するマスタング島は、メキシコ湾沿いに30キロほど白砂のロングビーチが続く細長い島で、隠れた宝石と呼ばれているほど美しいと評判だ。島を取り囲む海には、ウミガメやイルカなどの野生生物を見ることができるが、時に、島にウミガメが座礁してしまうことがあるという。
そのウミガメを救助する活動を行っているのが、ミッション・アランサス保護区のボランティアたちだ。
ミッション・アランサス保護区の使命は、ウミガメの他にもリクガメや病気・怪我をした鳥などを救出してリハビリし、本来の生息地に戻すことだ。
彼らは、海岸線を探索しながら、救助を必要とする野生生物がいないかどうか確認することを毎年の恒例としている。
浜辺で収集した珍品を売ってウミガメの保護基金に
保護区のウェブサイトによると、テキサス州の海岸線には毎年500トンの海洋ゴミが打ち上げられているという。その大部分は、がれきとプラスチックだが、時に奇妙で不気味で、マニア受けしそうなものも、次々と漂着している。
美しい白砂の浜辺を歩いていると、そこには奇妙で珍しいものがたくさん打ち上げられています。このように語るのは、テキサス大学海洋研究所ミッション・アランサス国立河口研究保護区のジェイス・タネル所長だ。
過去1年にわたり、浜辺で発見して収集した奇妙なものたちを、同団体はSNSでシェアしているが、なかでも目をひくのが不気味な人形たちだ。
どこから流れ着いたのか、また誰がいつ所有していたのか、まったくわからない人形が、時には手や足、髪や目が欠けた状態で、時にはフジツボに覆われた状態で発見される。
その他にも、グラスファイバーの人魚や義足、呪文瓶、ハイチの紙幣、古い聖書、中国のビール、1800年代の蒸気船の石炭、ジャマイカから送られた瓶に入ったメッセージなど、呪物めいた興味深いものが浜辺には流れ着く。
それらユニークなものは、団体ボランティアたちに集められ、オークションにかけられることになる。
調査中に興味深い品物を見つけたら、それを持ち帰って積み上げ、毎年開催されるオークションで販売して、ウミガメへの資金集めに役立てています。(タネル所長)
浜辺で集めた風変わりなものは、1つ5ドル(約700円)から50ドル(約7000円)で販売されている。
さらには、オークションにも定期的に出品しているようだ。
より高価な商品、あるいは少なくとも高値で売れると思われる商品はライブオークションに出品され、人々はそこで好きなものに入札できます。「ある人にとってのゴミは、別の人にとっては宝物(One man's trash is another man's treasure)」ということわざがあるように、ものの価値観は人それぞれだ。
物によっては、10ドル(約1400円)で落札される場合もあれば、200ドル(約28000円)の落札価格がつくものもあります。(タネル所長)
活動維持のためにオークションを続けていく
このオークションは、1982年にテキサス大学海洋科学研究所の一部としてエイモス・リハビリテーションキープ(Amos Rehabilitation Keep ARK)を設立したトニー・エイモス氏にちなんで名付けられているそうだ。2017年に他界したエイモス氏は、生前、ARKでリハビリさせるためにウミガメや鳥を救出する活動に貢献したことで知られている。
また、同氏はマスタング島で 40 年以上にわたって海岸調査を 1 日おきに実施した人物でもあった。
そして、浜辺で集めたものをオークションで売り、救助した野生生物たちのためにリハビリ資金を集めていたという。
ARKの運営はほとんどが寄付金で賄われており、年間約1,500の野生生物をリハビリしているので、活動を維持するための医薬品、食料、包帯などの資金集めのために、毎年オークションを続けています。ちなみに、前回のオークションは2022年3月に開催され、約3000ドル(約42万円)が集まったそうだ。
少しの寄付金でも、リハビリ活動におおいに役に立ちます。
毎回、オークションの収益はすべてARKに寄付されます。(タネル所長)
保護区の活動はTV番組でも取り上げられた
昨年、深夜トーク番組『ラスト・ウィーク・トゥナイト』の司会者ジョン・オリバーが、番組内で「浜辺に打ち上げられた人形」にスポットライトを当てたトークを繰り広げた。オリバー氏は、冗談めかして不気味な赤ちゃん人形を「うわ、こんな人形気味悪すぎる!」「今すぐ燃やして!!」「私は大嫌いです!」などと話した後、保護区の活動をとりあげ、最終的に1万ドル(約140万円)を寄付したことを明かした。
Beach Dolls: Last Week Tonight with John Oliver
References:Creepy, barnacle-covered demon dolls found — and now you can own one / written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
に、人魚おるやん・・・
2. 匿名処理班
ちょい怖いのが結構混じってるけど、リサイクルショップとか雑貨屋とかみたいで楽しそう。
3. 匿名処理班
ダリの絵です?
4. 匿名処理班
海岸に逝くと俺も探して遊んでる
なぜか鉛筆や筆記道具が流れ着くので、お金も払わず
学校時代重宝した
5. 匿名処理班
トライポっぽいやつはちょっとダメだ…
でも試みはいいと思う!タダだし!
6. 匿名処理班
うわあ!トライポフォビアの自分的にはアカンやつや
(^^;)
でもこういう呪物っぽいの集めるん好きな人もいてるし、海岸も綺麗になってウミガメ保護の資金も貯まって、Win-Winやんな♬
7.
8. 匿名処理班
これも わび・さび の内かな?
9. 匿名処理班
恵比寿だね
日本でも漂着物は神聖視されて祀られたりしてるのあるよ
10. 匿名処理班
人工の海岸とかだと生き物の死骸とかも多いんだよね。
海流の問題なのか、レジャーボートの問題なのかわからんけど
見たことない生き物の死骸がわりとある。
自然の海岸でも見かけるけど不自然なくらい生き物とか人工物の漂着物が人工の海岸は多い。
11.
12. 匿名処理班
トイストーリーを思い出した
何作目のやつかわからないけど
13. 匿名処理班
>>12
それはチャッキーではないですか?
14.