この画像を大きなサイズで見る上の画像のオレンジ色の円で囲まれている部分はカニ本体ではなく寄生動物「フクロムシ」の生殖器官である。
カニなどの甲殻類をターゲットにするフジツボの仲間、「フクロムシ(Sacculina carcini)」は、取りつかれたら最後、とんでもないハッキングスキルでカニを乗っ取ってしまう。
カニの下腹部あたりに取り付くと「寄生去勢」という技を発動し、オスの場合は強制的にメスにされてしまうのだ。
ここでは、フクロムシの不思議な生態について見てみよう。
甲殻類に寄生する甲殻類の仲間「フクロムシ」
フクロムシは、甲殻類の「根頭上目」というグループに分類されている。そう、甲殻類に寄生する甲殻類なのである。
フジツボやカメノテの親戚なのだが、目に見える部分はそこまで硬そうではない。
生まれたばかりのフクロムシは、甲殻類らしくエビやカニの幼生ような姿(「ノープリウス幼生」)をしているが、脱皮を繰り返しながらちょっとノミを思わせる「キプリス幼生」になる。カニに寄生して、大変身するのはこの段階だ。
この画像を大きなサイズで見るターゲットに近づくとぶすりと針を刺し、そこから自分の細胞を注入しては、それまでの殻を捨て去る。
まんまとカニの体内に侵入すると、そこに植物の根っこのようなものを張り巡らし、宿主の栄養を吸収。
そうやって相手の栄養ですくすく成長すると、やがてカニのお腹の辺りに生殖器官である袋を露出させる。これが寄生されたカニのお腹に見えるものだ。
オスの場合、強制的に性転換させられてしまう
この袋はほとんどが卵巣でできているのだが、それをお腹に露出させるのには理由がある。
寄生されたカニは、その袋を自分の卵と勘違いして、掃除をしたり、生まれた子供の放出を助けたりと、せっせとお世話するようになるのだ。
ところでお腹の卵をお世話するカニはメスだ。ならば、もしフクロムシが寄生した相手がオスだったらどうなるのだろうか?
ここで件の強制性転換スキルが発動される。フクロムシはオスの性腺を破壊して、無理やりメスにしてしまう。これを「寄生去勢」という。
そうしてメス化したオスはただ子供が作れなくなるだけでなく、お腹が広くなるなど見た目もメスっぽくなる。そして元オスもまた、フクロムシの袋をかいがいしくお世話をするようになる。
このように宿主に子作りできなくさせるのは、宿主のエネルギーが繁殖に費やされることを防ぐためだと考えられている。
そうすることでフクロムシは、より多くのエネルギーを相手から頂戴できるようになるのだ。
一方フクロムシのオスは?
ちなみにこの強制性転換スキルは、フクロムシのメスだけの技術だ。ではオスはどうかというと、ただの精細胞のような姿で、メスよりもずっと小さい。
メスの袋の中にはオスが入り込める部屋があり、その中でオスはひたすら精子を出して、子作りに励む。
無理やり性転換されるカニのオスも切ないが、フクロムシのオスの一生も案外切ないものかもしれない。
追記:(2023/04/22)本文を一部訂正して再送します。
References:The Crab Hacker Barnacle Moves Into Crustaceans And Changes Their Sex | IFLScience / written by hiroching / edited by / parumo













珍味だったりしないかな
ウオノエだって江戸時代の文献に調理法が載ってんだし
>>1の者ですが、フクロムシは美味しいようです
“フクロムシは寄生するカニの味がするのか?食べて確かめてみた”で検索すれば食レポあります
>強制的にメスにされてしまう
というパワーワード
>>2
> ぶすりと針を刺し、そこから自分の細胞を注入して(中略)
> オスの性腺を破壊して、無理やりメスにしてしまう。
意外と身近な現象かもしれないです。
>>2
そういやオス同士がお互いのイチモツを突き刺し合って負けた方はメスにされるっていう生き物がいた気が・・・・
ウミウシだったかな
>>28
ウミウシは雌雄同体。でも、別の個体とお互いに交尾して受精するよ。
>>28
ヒラムシですな。
また薄い本が捗りそうな変態話を・・・
しかしおぞましいことこの上ないな。
そう感じるのは私が健全な精神を持ってる証拠なのだろうか。
>>3
そんなにおぞましいかな
繁殖用のパーツにすぎないオス成分も、根を張り巡らせる形態も植物みたいな生態で
植物がやりたいことをなぜか完成させた奇妙な生物って感じでかっこいい
この形態で人類に寄生するならやっぱでっかいふわふわのムネかな?行動範囲の広いヤリモクチャラめのオスとも幼体とも触れ合えるから自身の頒布がはかどりそうでさ。
>>14
やっぱり貴方が独特な価値観をお持ちに見えるな、横から見てると…
>>14
・・・目覚めたのか?
>>3
人間が同じ事されたらって考えた場合はうへぇ…ってなるけど、他種の生態として見るとかなり興味深いかなぁ。規制されたカニには悪いが、普通に面白い。
う~ん元が男で、性自認も男の時点でむり~
そのあとなんてない
>>5
ダメだよ。強制だから。
カニを人間に擬人化すると
>>6
ウマ娘もあるしワンチャン
>>19
SSR スベスベマンジュウガニ
メスにメス堕ちさせられるのか・・・・(混乱)
生きるってなんだろう、とぼんやり考えてしまう不思議っぷり
でもフクロムシさん達から見れば「人間意味不明すぎw」って感じかな。
気持ち悪いな
寄生虫って面白いよね
お前がママになるんだよ!
生物界のハッキングのプロだからなぁ・・・
他の生き物に寄生することが生きる術として組み込まれてる生き物ってどういう経緯でそう進化するんだろう…数匹程度がたまたま寄生して上手くいく程度じゃ駄目だろうし…いや一匹の寄生虫が生涯で産卵する数の多さを考えれば、高々数匹が成功する程度でも案外進化のきっかけとしては十分だったりするのだろうか…?
>>15
でもそれが、
遺伝する性質として残らんとダメやん?
オチが最高
動画みても殆ど死に体だな…辛うじて生きてるって感じ
昆虫も甲殻類の仲間だし甲殻類って意外とこう言うエグイ寄生多いんだな
寄生されたイソガニは珍しくないけど性転換させるなんて知らなかったわ
カニのフンドシの形も変わるんだろうか
>>18
フンドシは広がるしハサミは小さくなる。
日本農芸化学会のサイトのバックナンバー「寄生性フジツボ(フクロムシ)の生物学寄生に特化した根・菌糸状の体を持つ動物の謎」が手軽で詳しい。論文なのでちょっと長いが写真を見れば一目瞭然。
ちなみに火を通せば食える。味は種類や卵の成熟度によると思われる。
>>26
おもしろかった
全部読んじゃったわ
カニいちゃんはおしまい!
TSかと思ったのにただの去勢でショック…
蟹ちゃんはおしまい!
環境で雌雄が変わる生物がいるのは知ってたけど、寄生が原因で雌雄のふるまいが変わるって事もあるんだ…
身体的特徴が変わる所までは生殖器官の破壊でホルモンが出なくなるからなのかなと思ったけど、そうするとふるまいまで変化するってのが不思議
雄だったら腹の卵に水を送るとか本来はしないっぽいのに
>>25
生物は基本型が♀で、
♂は生殖のための特殊化ってはなしがあるから。
イクメン(托卵)
擬人化したらまんま薄い本にできちゃうじゃん…なんてマニアックな生き様…
おおー 今まで雑学くらいでしか知らなかったことを詳しく知れてよかった良い記事だ
🦀 クラブのママになる。
カニ専門のサキュバス?だと思えば分かりみが持てそう。
生物学的に変化させるワケではないけど
人間社会においても寄生して宿主を都合よく利用する悪党はいますよね
生物というのは本当に奥深いなぁ
アンコウの雄とどっちがましなんだろうか
同化吸収されてしまうアンコウよりもフクロムシの雄の方が幸せなのか?
>>39
アンコウのオスの件は故半村良氏なら凄い官能小説に仕立ててくれそうだ
太鼓腹のおっさんが勘違いして♀化する・・・のか?
無理やり性転換させられ母性が芽生えるのか。
薄い本にするにはもうひと捻り欲しい。
>>42
「オスの性腺を破壊して、無理やりメスにしてしまう」過程が、一生に一度しか体験できない究極の快感なんですよ。
自然界にはフクロムシのオスみたいな「生存理由が精子だけ」みたいな種類が結構いるよね…
合理的だな
>>オレンジ色の縁
オレンジ色の円
種を次世代に残す事に特化した種族だな
カニからフクロムシを引き抜くとカニの体内組織にフクロムシの器官が食い込んでいるのでカニはその場で絶命してしまう。