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魚の目に寄生して、魚を意のままに操る恐ろしい寄生虫の生態が明らかに(ロシア研究)

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credit:winnu / WIKI commons
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 寄生虫は宿主に寄生し、自らが生き延び、繁殖するために宿主をコントロールする。様々な動物たちが巻き込まれているが、魚も例外ではなかったようだ。

 魚の眼球に潜む寄生虫、ジプロストマム・シュードスファテセウム(Diplostomum pseudospathaceum)は、魚の行動を操り、寄生虫が幼虫のときは宿主が捕食者に食べられないよう安全な行動を促す。しかし成虫になるとあえて鳥に狙われるような行動を引き起こすという。

鳥・貝・魚。3種の動物を巡る寄生虫

 ジプロストマム・シュードスファテセウム(Diplostomum pseudospathaceum)のライフサイクルは3種の動物の間を巡る。

 最初は鳥の消化器内で、フンの中に卵を産みつける。幼虫は水中で孵化し、淡水に住む巻き貝の類に感染。そこで十分に成長したら、再び水中へと旅立つ。次なる宿主は魚だ。魚の皮膚を突き破り眼球にたどり着くと、そこに身を隠し、さらに成長。やがて魚は鳥に食べられ、また一からサイクルが始まる。

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photo by iStock

寄生されると魚の動きが鈍くなる

 ロシア、セヴェルツォフ生態進化研究所(Severtsov Institute of Ecology and Evolution)のミハイル・ゴプコ(Mikhail Gopko)氏による2015年の研究では、吸虫の幼虫に感染した魚は泳ぎが鈍くなることが明らかとなっている。そうすることで捕食者の目に留まりにくくなり、魚網にもかかりにくくなる。

 同氏の今回の研究では、吸虫の成虫(魚での産卵準備ができているもの)に寄生されたニジマスを調査。寄生された個体がより活発に泳ぎ、同時に水面付近に留まることが明らかになった。どちらも鳥の目につきやすい行動である。

 試しに水槽に影を作り、鳥の襲撃を模してみたところ、魚は固まって身動きしなくなってしまった――が、感染していない魚よりも早く泳ぎを再開した。

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ジプロストマム・シュードスファテセウム

成長段階に合わせて魚をコントロール

 ゴプコ氏によると、寄生虫は年齢に応じた行動をとるよう宿主を操っているという。まだ小さく繁殖できない寄生虫は魚を守ることで、自らも守る。しかし成虫となり繁殖の準備が整うと、鳥の体内に寄生するため魚を目立たせるのである。

 いくつかの先行研究では、感染した魚の行動が変化するのは視力が低下するからであると説明されていた。しかしゴプコ氏は、それでは固まって身動きしなくなる時間の違いや、成虫と幼虫による行動の変化の違いを説明できないと主張する。

 なお成虫と幼虫に感染した魚が襲撃後に再び泳ぎ始めるまでの時間を計測したところ、成虫のみに感染した魚のそれと一致した。

 互いの思惑が食い違う場合は、成虫が勝つのである。

via:newscientistneatoramanerdcoreなど/ written hiroching / edited by parumo

 目に寄生して宿主を操るといえば、カタツムリに寄生するロイコクロリディウムが有名だね。自分の都合のいいように宿主の行動を変化させる寄生虫は多いが、寄主を食い尽くしてしまう、捕食寄生者の寄生バチや寄生アリも怖い。共存とかじゃなく一方的に搾取されてしまうあたりがグサっとくるよね。

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この記事へのコメント 31件

コメントを書く

  1. カタツムリに寄生するやつもいたよね((((;゚Д゚))))怖っ

    • +12
    1. ロイコクロリディウムね…((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

      • 評価
  2. 子供の頃はかなりのイケイケだったのに
    大人になって社会からの脱落者になった俺も実は・・・

    • +8
  3. カタツムリの寄生虫のレウコクロリディウムに、そっくりだね。

    • +8
  4. オレをコントロールして女性にアプローチ上手になる寄生虫っていないかねぇ?

    • +12
  5. やべえ早く魚の目取らなきゃ!と思ったら全然違った

    • +4
  6. これは進化の過程で手に入れたのか?意味がわかんねえ

    • +1
  7. そしてもちろん我々ニンゲンも操作されている訳だ

    欲望というものに

    • +2
  8. ある男「君が好きだ。俺の真剣な目を見てくれ。」

    ある女(虫がいる・・・)

    • +9
  9. 寄生されることで小魚は食べられにくくなるのか
    大人になったら食われやすくなるなら魚が子孫残した後食われるようにしてくれたら
    見事な共存になる・・・のか?

    • +1
  10. 舌とか目とか、魚の寄生虫は色々工夫凝らしてるっつうかエグイな

    • +2
  11. 成虫と幼虫に同時に感染した場合の結果が興味深かった。もし幼虫に合わせてたら、同じ魚に次から次へと幼虫が感染してきた場合には成虫が在庫としてどんどん貯まるだけだもんね。

    さざむしの人のところで甘鯛の眼球に寄生する甲殻類系の寄生虫を取り上げてたけど、あれもひょっとしたら行動操作してるのかもね。

    • 評価
  12. うわぉ、リアルバイオハザードな恐ろしさ

    • 評価
  13. 昔ミヤイリガイっていう貝から感染する寄生虫で人間も被害受けてたんだよね
    日本では解決したみたいだけど、世界にはまだ居るんだろうか?
    恐ろしい

    • +3
    1. ※24
      ミヤイリガイは完璧に人に害しか与えないから…
      この仲間はアジアでまだ存続している。子どももこれで命を落としてしまう。撲滅を望む

      • +3
      1. ※27
        ミヤイリガイが悪いわけじゃない、ミヤイリガイの中で増えて哺乳類に
        寄生する日本住血吸虫が悪い。誤解を生む表現はやめたほうがいい。
        ミヤイリガイさんに謝りなさい。

        まぁミヤイリガイさんも無駄にアグレッシブで水中⇔湿った陸上を活発に
        動き回るので日本住血吸虫症を広めまくったんだけどな!

        この顛末は熱いので気になった方は地方病で検索だ!

        • +1
  14. 宿主をメス化させるとか操るとか寄生虫怖すぎだろ
    種の存続の為にこんな能力まで獲得すんのか…進化って凄いな

    • +2
  15. 俺が休みの日ダラダラして、1日を無駄にするのも寄生虫の仕業なのかも

    • +5
  16. 1枚目の写真
    いきなり出てきたサカナにびっくりしているように見える。
    でも、よく見えると鳥が少しだけ首を傾げてるからこの後バクっといかれちゃうね

    • 評価
  17. 脳に影響して宿主が賢くなる(=生存能力が高まる)寄生虫てのもいそうだな。

    • 評価
  18. 共生虫とかいう本を読んだことがある、共生したい!

    • 評価
  19. 水中で卵から孵り、自力ではない貝に寄生。
    で、自力で貝から水中に出て、自力で魚に付着して皮膚を喰い破り寄生…
    普通に逞しく弱肉強食を生きていけるんじゃねぇのコイツ。

    • +1
    1. 人間だって、命に関わるような病気じゃないとなかなか研究対象にならないもんな
      ちょっと変わった死に方をした所で、せいぜい通り一遍の解剖で済ましちゃうしそもそも解剖されない方が殆どだし
      後になってこの人の死の遠因は実は寄生虫や細菌のせいでした、って事も有るのかもな

      ※34
      多分、栄養を消化・吸収する仕組みが弱かったり、生存に必要な物質を自力で合成できなかったりするんだと思うよ

      • +1
  20. カマキリに寄生するハリガネムシもカマキリの行動を操るよね

    • 評価
  21. 寄生生物の怖さは、「人知れず搾取される」「自分が自分でなくなる恐怖」みたいなのをかき立てるから、創作のテーマとしても面白いだろうなぁ。いろんなアイデアがあり得るネタになる。

    • 評価

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