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今後80年で野球のホームランが10%増加する可能性。気候変動が野球に与える影響を科学分析

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 気候変動(地球温暖化)の影響で、世界最高峰のプロ野球リーグ「メジャーリーグ」では、ホームランが頻発するようになっているそうだ。

 米ダートマス大学の研究チームによると、2010年から2019年にかけて、1シーズンあたり平均56本ホームランが増えたという。

 なぜ温暖化になるとホームランが増えるのか?

 それは決して、暖かいと選手が元気にプレイできるといったことではない。研究チームによれば、気温が高くなると空気の密度が低下するからだそうだ。

気候変動とホームランの数の関係を科学で解明

 『Bulletin of the American Meteorological Society』(2023年4月7日付)に掲載された研究では、1962~2019年にかけて行われたメジャーリーグ10万試合と、2015~2019年にかけての試合で記録された22万本の個人打撃データが分析されている。

 その結果、2010~2019年の試合で記録されたホームランのうち、500本以上は平均より高い気温が作用していたらしいことが判明した。

 また地球温暖化によって、1シーズン当たりのホームランが平均58本増えたと考えられるというのだが、それには科学的根拠があるそうだ。

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空気抵抗が少なくなってボールが飛びやすくなる

「気温が高くなると空気の密度が低下」するからだ。

 空気の密度とは、空気中の分子の数や重さのことで、気温が高くなると空気の密度は低くなる。つまり、暑い日は空気が薄くなる。

 空気が薄くなると、ボールにかかる空気抵抗が少なくなる。空気抵抗とは、物体が空気中を動くときに受ける力のことで、物体の速度や形状によって変わる。

 野球のボールは球形であり、速く回転しながら飛んでいくが、暑い日は空気抵抗が少なくなるため、ボールは速度や方向を変えずに飛んでいく。その結果、ボールはより遠くまで飛ぶことができるようになるのだという。

 研究チームのジャスティン・マンキン助教は、「野球は弾道のゲームであり、暖かい日には打球がより遠くまで飛ぶようになります」と、プレスリリースで語っている。

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photo by Unsplash

2100年にはホームランが467本増加すると予測

 もちろんホームランは、練習を積んだ選手がタイミングよくバットをボールに当てることで打たれる。

 だが今回の調査対象の試合においては、地球温暖化もまたそのホームランに1%ほど貢献(寄与率)していたのだという。

 もし現在のペースで温暖化が進めば、2100年には、ホームランにおける気温の寄与率が2010~2019年比で10%跳ね上がるかもしれないという。

 また、温暖化の進行が最悪だった場合、2050年までにホームランは年に192本増え、2100年には467本に増加すると試算されている。

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photo by iStock

ドーム球場

 ダイナミックなホームランは野球の花形プレイの1つだが、あまりに乱発されると、その価値も薄れてきそうだ。

 そんな「温暖化野球時代」の対策として、研究チームは、気温が比較的涼しい夜に試合を行ったり、屋内で試合ができるようドーム球場を建設するといったことを提案している。

 今回の研究は野球に関することだが、地球温暖化の影響は、他のスポーツにも影響を与える可能性がありそうだ。

References:Baseball home runs could increase by 10% in the next 80 years. Here’s why | Live Science / Climate Change Is Making Home Runs Easier to Hit | Science| Smithsonian Magazine / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 19件

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  1. ホームラン記録塗り替えられても
    ああ温暖化のせいで空気密度が低くなってボールの空気抵抗が少なくなるんだ
    と思って感動が薄れそう

    • +4
  2. なぜ2020年、2021年、2022年は除外するのか?

    なぜ昨年は飛ばないボールでホームラン数が下がっていることを無視するのか?

    • 評価
  3. 球児だったおじ見解だけど、そこに選手の質の向上や道具の変化は含まれてるんか疑問
    高校球児が露骨だけど、水を飲むな休憩するなの根性論時代に比べ今の子の球速は当時のプロ並み
    その辺も考慮して計算…は難しいと思うけど、そんな右肩上がりに成らんと思う。体造りのプロセスは固まりつつあるし

    • -1
  4. 未来に加藤球を採用すれば問題ないな!
    正直言えばボールの反発係数を変えるだけで簡単に対応できるのよね

    • 評価
  5. 東京ドームは密度高いのに出やすいんだよね

    • 評価
    1. >>6
      東京ドームは単に狭いから出やすいというシンプルな理由。

      • +1
  6. 「気候変動するとスタンドのビール屋さんが儲かる」←new!

    • 評価
  7. 80年後・・
    すでに人類は滅び、放射能汚染された地表では
    進化したフンコロガシが球技に講じていたそうだ。

    • -1
    1. >>10
      フンコロガシ競争しか思い浮かばないわ

      • -1
  8. オータニサン シュゴイ!  変化球も、曲がりにくく成る

    • -1
  9. 気圧は日々変化しますので、如何なものかと

    • 評価
  10. 夏の高気圧に覆われた暑い日は
    空気の密度が高いから飛ばないって事で良いのかな
    台風が来るとボールが飛ぶのは爆弾低気圧だからか暴風だからか

    • 評価
  11. う~ん俄かには信じがたいがかといって情報ソースを確かめる熱意もないので
    判断は保留…というか情報を精査するのってすごく大変だよね…

    • -1
  12. 素晴らしい研究じゃないか
    応援の熱気で気温を上げればチームの打点を上げることができるぞ
    あと、ドームの場合はエアコンを調節することで不正が行われていないかチェックしないとな

    • 評価
  13. 他のスポーツへの影響というか、温暖化が進めば暑い季節はこれまで普通にできていた野外スポーツも命懸けになるという根本的な問題が…

    • 評価
  14. そういうことにしたい人がいそうな論文だね

    • 評価
  15. どれくらい気温が上がるか分からんけど、試合内外の体調にもかなり影響あるだろうからそんなに増えるのだろうか。

    • 評価

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