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謎の恒星間天体「オウムアウア」に新説。加速している理由は水素を放出する岩石だから

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(著) (編集)

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 2017年に太陽系外からやってきた恒星間天体「オウムアムア」の正体をめぐって、これまで様々な説が登場している。人工物のような動きをするため、異星からやってきた宇宙船では?との疑惑すらあるが、新たな説が登場した。

 最新の研究では、太陽の重力に逆らって加速するオウムアムアの謎めいた挙動を分析している。

 今回の研究によれば、オウムアウアが普通の彗星とは違う奇妙な動きをする理由は、そこから噴出する水素のジェットにあるという。

彗星でも小惑星でもない謎の恒星間天体「オウムアウア」

 2017年、これまでに見つかった天体の中では初めて、太陽系外から太陽系に入ってきた天体が「オウムアムア」だ。そのため、恒星間天体と呼ばれている。

 オウムアムアはハワイ語で「遠方からの初めての使者」という意味だ。

 ハワイにあるパンスターズ天文台が最初にとらえたそれは、長さ400メートルほどの葉巻のような奇妙な形状をしており、4ヶ月ほど観測されたのちに視界から消えていった。

 その正体については当初、彗星ではないかと考えられた。ところが、オウムアムアには彗星ならあるはずの特徴がない。太陽に接近しても、尾が伸びたり、塵やガスの雲(コマという)をまとわないのだ。

 また、ただの小惑星とも考えにくかった。というのも、太陽の重力に逆らって、加速すらしたからだ。

 あまりにも不可解な挙動はまるで人工物のようで、一部の学者からは異星からやってきた宇宙人の船ではないかとの仮説まで提唱されるほどだった。

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photo by iStock

オウムアウアの人工的な動きの原因は水素にあるとする説が浮上

 だが、別の科学者たちは、水素のような軽い分子がオウムアムアの人工的な挙動に関係しているではないかと考えた。

 今回カリフォルニア大学バークレー校のジェニファー・バーグナー氏らは、この仮説を検証するために、オウムアムアに閉じ込められた水素と加速の関係をモデル化して、その謎に迫っている。

 『Nature』(2023年3月22日付)で発表されたその結果によると、オウムアムアには加速できるだけの水素が十分存在することがわかったという。

 彼女らが想像するオウムアムアの物語は、遠く離れたどこかの惑星系で始まる。オウムアムアはそこでごく普通の彗星のような天体として誕生した。

 だが数億年前のどこかの時点で、生まれた故郷を離れて、はるか遠くの宇宙へと旅に出る。

 生まれ故郷の外に広がる星間空間(恒星と恒星の間に広がる宇宙のこと)では、宇宙線が飛び交っており、オウムアムアはそれを大量に浴びることになる。

 すると内部にあった水から水素原子が飛び出し、再び結合しては水素分子になった。

 そうした水素分子は、星間空間ではオウムアムア内の氷に閉じ込められていたが、暖かい太陽系にやってくると徐々に変化が現れる。

 寒い星間空間を旅していたときのオウムアムアの氷は、ガラスのような無秩序な構造だった。

 それが暖かい太陽系では、だんだんと地球でお馴染みの氷の結晶(原子や分子が規則正しく並んでいる状態)となり、水素が大量に放出された。

 これが太陽の重力に逆らい、加速する推進力となったというのだ。

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太陽系の天体にも同じ現象があるかもしれない

 今回オウムアムアに閉じ込められた水素をモデル化することで、この天体の奇妙な挙動には太陽の熱で噴出する水素が関係している可能性が示された。

 なおバーグナー氏によると、こうした水素ジェットは、太陽系にある普通の彗星からもおそらくは出るだろうが、「オウムアムア」のように小さいものでない限り、その挙動に影響することはないと考えられるそうだ。

 「太陽系のはずれにあるオールトの雲からからやってきた小さな彗星を探すことができれば、水素の噴出を検証できるかもしれませんね」と、バーグナー氏は語っている。

 謎深きオウムアウア、太陽系を通過した後は二度と戻ってこないといわれている。どこから来てどこへ行くのかはわからないが、オウムアムアは宇宙の謎を解き明かすための重要なヒントを握っていそうだ。

References:’Oumuamua isn’t an alien spaceship — it’s a rock that’s farting hydrogen, new study suggests | Live Science / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 19件

コメントを書く

  1. という風に偽装した異星人の宇宙船なんだよなぁ

    • +3
  2. もう遠くへ行っちゃったからねー。
    葉巻とか円柱とかいわれたけど、円盤型で地球からは棒状に見えた(円盤を横から見ると)という説も出てきた。
    この説が正しいなら、水素ガスが出ると回転するんじゃないかな?
    そうなら観測される姿がもっと変わっていったろうし…

    本当に何だったんだろう

    • +3
  3. 世界中のSFおたくさんが、宇宙のランデヴーのラーマだ!って思ったよね

    • +5
  4. こういう変わった天体が近付いて来た時に
    素早く探査機でも送って近くで確認できるくらいの
    技術は持っておいた方がいいと思う。

    オウムアムアはもう宇宙の彼方だから
    どれだけ考察しても答え合わせができないのがもどかしい。

    • +6
  5. イギリスだったかな、オウムアムアを追跡捕捉して探査する民間だったかのプロジェクトがあるみたい。実現性は低いらしいけど、技術的には可能だとか。2028年に打ち上げて2050年代にオウムアムアに追い付く事が可能みたい。ぜひやってもらいたいなあ

    • +1
    1. >>6
      自分が70歳…
      是非お願いしたい。太陽系外に出た探査船もあるからね。
      日本でもやろうと思えば出来るはず。

      • -1
  6. 何らかの推進するポテンシャルがあったから飛んで来れたってことかな

    • 評価
  7. 狙ったかのように、まるで地球を調べるかのような軌道だったから
    ロマンは持ち続けたいね

    • 評価
  8. 人工的なものという考えを全否定したい人が、
    ひねくりだした説のように思えるな。

    • -7
    1. >>12
      人工的なモノであるという根拠も示せてないけどね

      • +3
    2. >>12
      ネタで言ってるだろうけど、肯定するには根拠が希薄過ぎるのだ
      不可知は理由にならないんだなぁ

      • +3
  9. まぁ今までにも、太陽系からどこか遠くに永遠に行ってしまった彗星も居る事ですし。
    彗星自身から噴き出るガスによって軌道が変わる、なんて現象も珍しくないんだし。

    • 評価
  10. 水素推進の研究に使えるね
    観測可能な範囲にあればだけど

    • 評価
  11. 話は聞かせて貰った ガラッ
    これはアメリカ政府が真相を隠すために流した欺瞞情報だ!

    • 評価
  12. 予想だけで実際には分からないでしょ。近くで見れない。そう言う可能性があるってだけで。

    • -1

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