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恐怖や嫌悪感が胃酸の分泌量が上がる。感情と胃の関連性

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(著) (編集)

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 何らかの恐怖や嫌悪感を感じると、胃がキリキリと痛んだり、胃がむかむかしたり、吐き気がしたことはないだろうか?

 それはただの精神的なものではなく、実際に胃腸が反応しているからだそうだ。イタリアの研究チームの調査によると、そういった不快な感情で、胃酸がどんどん分泌されることが確認されたという。

 こうした反応は最悪の事態から身を守るためのものなのだそうだが、胃の痛みや吐き気がなぜ自己防衛につながるのか?

 以下では心と胃腸との不思議な関係についてみていこう。

胃と感情の関係

 恐怖や嫌悪感が胃を直撃するという経験は、わりとありがちな経験だろう。

 それはただ気持ちだけの問題ではない。胃腸の筋肉壁の電気活動を調べてみれば、その感情がきちんと反映されていることがわかる。

 こうした反応は、心から体へ、体から心へと双方向に作用している。

 たとえば被験者に吐き気止めの薬を飲んでから不快な場面を見てもらった実験では、あまり視線をそらさなくなることが確認されている。

 つまり胃の調子を整えてやっただけで、不愉快な気分を感じにくくなったのだ。

 どうやら人体は、関わるべきではないことに遭遇したとき、胃腸を活発にして吐き気をもよおさせるようだ。この感覚は、私たちを危険から遠ざけようとする恐怖反応の一環なのである。

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photo by Pixabay

恐怖を感じたとき胃はどうなっているのか?

 このように心と胃には切っても切り離せない密接な関係があるが、具体的に感情によって胃の内部がどう変化するのかあまりよくわかっていない。

 たとえば、恐怖を感じているまさにその瞬間、胃の化学的な性質はどう反応しているのだろうか?

 ローマ・ラ・サピエンツァ大学のジュゼッピーナ・ポルチエッロ氏らが調べたのが、まさにそれだ。

 同氏は心身ともに健康な参加者31人に、センサー・バッテリー・無線送信機がオールインワンになった食べられるセンサー「スマートピル」を飲み込んでもらい、胃腸の酸性度・温度・圧力を測定してみた。

 スマートピルを飲んだ参加者は9秒の動画を4回視聴した。

 動画は愉しさ・嫌悪感・悲しさ・恐怖・中立の感情を引き起こすように作られたもので、視聴の後、参加者はその感想をアンケートに記入した。

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photo by Unsplash

恐怖や不快感を感じると胃酸の分泌量が上がる

 この実験の結果、やはり恐怖やとりわけ嫌悪感を感じさせるシーンでは胃の感覚が高まることが確認された。また呼吸が速くなることもわかったという(これは悲しいシーンでも同様だった)。

 さらに胃の中では胃酸が大量に分泌されているようだ。というのも、嫌悪や恐怖を強く感じていた人ほど、胃腸内のpHが低下したからだ。つまり酸性になったのだ。

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photo by iStock

胃と心の複雑な関係

 こうした結果は、心と胃腸の複雑な関係を教えてくれている。

 もちろん30名ほどの小規模の研究なので、確かなことを知るために今後さらなる研究が必要だ。

 それでも、今回考案された飲めるスマートピルのようなものがあれば、以前よりずっと楽に研究を進められるに違いない。

 じつはスマートピルが発明されるずっと以前にも、感情と消化器の関係を調べたちょっと恐ろしい研究があった。

 それは1822年6月のこと。カナダの船乗り「アレクシス・セントマーティン」は、事故でお腹を撃たれてしまい、土手っ腹に一生消えない風穴が開くことになった。

 これに注目したのが、アメリカの陸軍外科医ウィリアム・ボーモントだ。

 彼は、内視鏡のようになったお腹の穴を覗き込んで、感情が腸の分泌物に与える影響など、普通なら絶対にできない研究を行ったそうだ。

 この話を聞いて胃がきゅっとしないのであれば、あなたは恐怖に強いタイプで、胃腸も守られているのかもしれない。

 度胸があって 並大抵のことでは驚いたり動揺したりしなことを「肝がすわっている」というが、「胃がすわっている」とも言い換えることができるかも。

 この研究の未査読版が『bioRxiv』(2023年2月18日付)で公開されている。

References:Fear And Disgust Could Be Making Your Stomach Acid More Potent : ScienceAlert / Deep-body feelings: ingestible pills reveal gastric correlates of emotions | bioRxiv / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 16件

コメントを書く

  1. 胃というか体が、嫌なことを教えてくれるのは良いけど、嫌な事でもやらんといかん事もあるのよ。
    そのうえ、体が反応するもんだから嫌なことが、もっと嫌で苦手なことになっていく…。

    • +3
  2. つまり食べ過ぎた時は嫌なもん見たら良いのか

    • +3
  3. 『嫌な予感』てそういう事?
    胃腸の不調よりも心臓がバクバクするとか呼吸が苦しいとか
    そっちはどうなの?

    • 評価
    1. >>4
      太田胃散がないと生きていけない体になってもうたよw
      とにかくストレスが胃に来る。

      • -1
  4. と言うか消化器全般が感情にメッチャ影響受けるって事じゃね?
    腸だってストレスに敏感だし

    • +2
  5. ストレス→胃腸がやられる→ストレス
    このループやめーや
    寝れない→ストレス→寝れない
    もある

    • +6
    1. >>7
      子供の頃から眠れない時間が永過ぎて寝ようとするのがストレス
      一度寝た後にずっと寝てるのは平気なんだけど

      • 評価
    1. >>8
      ほかにも「むかつく」など胃が関係している言い方が日本語にはありますね。
      英語やほかの言語にもそういうのあるんでしょうかねぇ。

      • +2
  6. 社会に適応できなかったのは胃が素直だったからなんだな…しみじみ

    • +1
  7. 元々ASDからの不安症傾向が強くて最近は健康とか生活とか将来とか不安すぎてずっと胃がやられてる…みんなどうやって不安と折り合いをつけてるんだろう

    • +1
    1. >>10
      とにかく考えない。思考停止するのがいい。
      オススメは面白動物動画を見ること、宇宙の話をよく読むこと。
      前者は単純に何も考えずに笑っていられる。
      後者はいかに小さいことで悩んでいるか、自分の幸福だの不安だのがいかにどうでもいいものかって気づける。
      あと暗いニュースを見ないこと。時事問題には弱くなるけど、どうすることもできない不安からは解放される。
      因みに自分は10年以上胃薬を3種類も処方されてるw楽しく過ごしてるつもりなんだけどなぁw

      • +4
      1. >>12
        自身が大変なのに詳しくありがとう。その通りに過ごしてみます、動物もSFも好きだし
        あなたの胃もよくなりますように

        • 評価
  8. >胃の中では胃酸が大量に分泌されているようだ。というのも、嫌悪や恐怖を強く感じていた人ほど、胃腸内のpHが低下したからだ。つまり酸性になったのだ。

    その因果関係の断定は、どうなんだろう??

    「胃腸内のpHが低下した=酸性が強まった」という事実があるとして、
    それが「胃酸分泌の増加」によってもたらされたのではなく、
    ストレスで胃潰瘍になる時みたいに
    「中和して胃壁を保護する粘液(アルカリ性)の分泌が減少した」
    ことによるものである可能性は・・・?

    • 評価
  9. 誰か…誰か健康でキレッキレな腸内細菌をくださいな…

    • -1

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