この画像を大きなサイズで見る寒さが苦手すぎる私の場合、冬は室内でもホッカイロをはり、指なし手袋をしながら過ごしているわけだが、寒さが苦手な人というのは割と多いそうだ。というのも、人類はもともと熱帯性の種だという。
実際、現生の類人猿はどれも熱帯の生き物だ。ついでに言えば、人類最古の化石だって中央アフリカと東アフリカで発見されたものだ。
ところが、どうしたわけか彼らは北へ向かい、凍えるような寒さやすぐに沈んでしまう太陽の元で暮らすようになる。
だが生身の人類は寒さに強くはできていない。それなのになぜ寒冷地帯に進出することができたのだろうか?
大昔の人はどうやって寒さをしのいでいたのか?
英リバプール・ジョン・ムーア大学のローラ・バック氏らによると、ヨーロッパ北部に残されていた一番古いヒト族(ホミニン)の痕跡は、イングランド東部のヘイズブラで発見された約80~90万年前の足跡と石器であるという。
その当時のヘイズブラは現在の北欧のような寒い土地だった。こうしたヒト族が温かいアフリカとはまるで違う厳しい寒さをどう生き延びたのかは、ちょっとした謎であるようだ。
ヘイズブラの辺りに洞窟はなく、シェルターを作ったという証拠もない。また発見された遺物はシンプルで、おそらく複雑な技術ももっていなかったと思われる。
この画像を大きなサイズで見る彼らが焚き火をしていたという説もあるが、バック氏らによれば疑わしいという。またヨーロッパ西部できちんとした衣服を作る道具が誕生するのは85万年後のことだ。
ならばさまざまな動物のように移動して冬の寒さから逃れればいいかというとそうでもない。というのも、ヘイズブラのヒト族なら800キロは南下しないと意味がなかったと考えられるからだ。
火もまともな衣服もなく、彼らはどうやって厳しい寒さを生き抜いたのか? 少なくともそこにいたということは、どうにか寒さをしのぐ方法を見つけていたはずなのだ。
この画像を大きなサイズで見る約50万年前の人類が焚火をした証拠
それを知る手がかりは、もっと新しい遺跡に残されていると、バック氏らは説明している。
その一例として、イングランド南部にあるボックスグローブ遺跡が挙げられている。この遺跡は約50万年前の人類史上もっとも寒かった時代のものだ。
この遺跡では、骨を切断した跡や、木の槍で刺されたらしき馬の肩甲骨など、その地のヒト族が動物を狩猟していたことを示す痕跡が見つかっている。
じつは肉はカロリーと脂肪が豊富なので、寒さをしのぐのに必要な食材だ。そのことは、現代の狩猟採集民でも寒い地域で暮らしているほど肉を食べることからもうかがい知れる。
ボックスグローブ遺跡ではそこで暮らしていただろうヒト族のすねの骨も見つかっている。その骨は現生人類に比べて頑丈で、彼らは背が高くがっしりした体格だったろうことがわかる。
そうした大きな体に短い手足は、体の表面積を小さくするので、体温が奪われにくい体型だ。
また、この時代になると、焚き火をした証拠も残っている。
氷河期を生きたネアンデルタール人すら寒さに適応していない
40万~4万年前にユーラシア大陸に住んでいたネアンデルタール人は、氷河期の気候も経験している。そんな彼らは、手足が短く頑丈で、体は幅広で筋肉質だった。体温を保ちやすい体型だったのだ。
ところが、バック氏らによると、ネアンデルタール人のつき出したような顔や幅広の鼻は、寒さにふさわしいと想像されるものとは正反対であるようだ。
例えば、寒い地域のニホンザル、低温で飼育されている実験用ラット、あるいは寒い地域で暮らす人間などは、頬骨が広く平らで、鼻は高く細くなる傾向があるのだという。
それなのにコンピューターモデルによる分析では、ネアンデルタール人の鼻が、もっと古い時代の温暖な気候に適応した種よりも、熱や湿気を保存しやすい構造であることが判明しているという。
どうも鼻の大きさだけでなく、内部の構造も重要であるようだ。
確かにネアンデルタール人の体は多少なりとも寒さに適応していたかもしれないが、それでも彼らは熱帯の祖先から完全に自由だったわけではない。
そのことは、寒い地域の哺乳類のようにもこもこと暖かそうな毛皮など持っていなかったことからもわかる。だからネアンデルタール人は複雑な文化を発達させ、どうにか対処する必要があった。
例えば、動物の皮で衣服やシェルターを作った。料理をしたし、火でカバノキの樹皮からのりを作り、それで道具を作った。それは彼らが巧みに火を操ったという証拠だ。
さらに議論を呼ぶのは、スペイン北部の40万年前の「シマ・デ・ロス・ウエソス(Sima de los Huesos)洞窟遺跡」から出土した初期のネアンデルタール人の骨が、冬眠のために代謝を低下させたことによる季節的ダメージを示しているとする考古学者もいることである。
著者らは、これらの骨は中断された成長と治癒のサイクルを示していると主張している。
この画像を大きなサイズで見る人類は進化ではなく知恵と行動で寒さに適応した
私たち自身、すなわちホモ・サピエンスの一番古い化石は、モロッコで発見された30万年前のものだ。だが、私たちの祖先がアフリカから旅に出たのはおよそ6万年前のことだ。
つまり、ほとんどの地域において、私たちは新参者だということだ。それでも凍える寒さの中で暮らす人たちは、ほんの少しだが生物学的に適応してきた。
バック氏らはよく知られている例として、日照時間が短い地域で暮らす人々の肌が明るいことを挙げている。
これはビタミンDを合成しやすくするための適応だ。またイヌイットの遺伝子は、寒い環境では必須となる脂肪たっぷりの海の食材を食べやすいよう変化している。
この画像を大きなサイズで見るもっと直接的な証拠として、グリーンランドの永久凍土に保存されていた4000年前の髪の毛から採取されたDNAもある。
この髪の毛からは、ボックスグローブ遺跡のすねの骨のように、その地域の人々が遺伝的変化によって熱をためやすいずんぐりした体型だったろうことがうかがえる。
そうは言っても、熱帯で生きた祖先の体を受け継いでいる私たちは、今もなお生身のままでは寒い場所で生きられない。
だからイヌイットは、現代のカナダ軍の冬服よりも暖かい伝統的なパーカーを発明した。
この画像を大きなサイズで見るバック氏らは、このように行動によって適応する人間の力は、私たちが種として成功するために欠かせないものだったと述べている。
私たちはほかの霊長類と比べても、肉体的に寒さに適応するのが下手だ。だが、そのかわりに知恵と行動で適応する。
それは生物学的適応よりも早く、柔軟性がある。ゆえに究極の適応者となり、ほぼすべての生態学的ニッチで繁栄することができたのだそうだ。
References:Most humans haven’t evolved to cope with the cold, yet we dominate northern climates – here’s why / written by hiroching / edited by / parumo
追記(2023/01/24)本文中の小見出しの誤字を訂正して再送します。
















不思議なのは、なぜ寒い地方に進出しようと思ったのかな?
※1 ※22
個人のたわごとだけど…ヒト属はその場から移動したい者が一定の割合で出現するのではないかな。比較的近い類人猿は森からは出なかったようだけど、ヒト属は食べ物を追ってなのか、よりよい暮らしを目指してなのかはわからないけど、移動する習性があると想像してます。
それが、あたたかなアフリカから一部は北西(ヨーロッパ方面、さらにはスカンジナビア半島)へ進み、一部は東方へ進んでヒマラヤあるいはインド亜大陸を越えその先で一部は南(ミクロネシア方面)へ進んで、残りは北方へ進んで干上がったベーリング地峡を歩いて渡り、北米大陸からさらに南米大陸へと至ったのだろうと。ベーリング地峡を越えたのはもしかするとケナガマンモスを追ってなのかもしれません。
現代の人類だって一部の人は日本人でも引っ越しいっぱいする人いますよね。米国人で一生のうちに一回も引っ越しをしない人は少なくて成人後でも10回以上する人が多いです。
引っ越ししないでも旅行という娯楽が一般的なのはその遺伝子があるからとか!人類は水辺で進化したからその遺伝子もあって海とか川とか池とかの水辺に行くと人がよくいますよね(笑 だから、意外と遺伝子に支配された行動をしていたりすると思ってます。個人の想像ですけどね。
※27
ありそうですね。ベネツィアなんか有名なそういうところですし、平家の落ち武者の部落とかね。
>>28
詩人だなあ
>>1
より遠くへ行こうという習性があるから
現代でいえば探検家や宇宙飛行士になるような人達が居たからじゃないかな
勿論全ての動植物に備わっている習性だけど人類は道具のおかげで進化適応の時間をすっ飛ばしてる
雪どころか氷もめったに張らない地域に住む人間としては、現在日本の雪国生活でさえ想像しづらいのに、極寒地なんて究極のサバイバル生活みたいに思える。
二番目のサブタイトル、「約50年前の人類に焚火をした証拠」と「万」が抜けてますね
80~90万年も経っている寒さに耐えれるように進化もしそうなのに、いまだに暖房などが無いと生活できない時点で、人は環境適応の進化できない動物だと思う。
※4
暖房あればいいんだから必要ないじゃん。むしろ無駄かもしれない。
何でも出来るようになるのが進化じゃないよ。
※4
それは違う
肉体を適応させるよりも、身の周りの道具を進化・発展させた方が遥かに短期間かつ高効率なのだから進化の必要が無い
人間は身体能力を犠牲にしてまで道具を使う事に特化した
人間の進化とは道具の進化だよ
※4
進化は淘汰が無いと起きないでしょ。
寒い環境に耐えられない個体が消え、
寒さに耐えられる個体が生き残る、ということを繰り返せば
より寒さに強い種が生まれる。
人間の場合は防寒具や暖房などを発明したことで寒さに弱くても
寒い場所で生きていけるようになったので淘汰が起きない。
>約50年前の人類に焚火をした証拠
誤植と承知しつつ昭和の人が焚火をしてる画が浮かんで和んだ。
彼らにも火を使う知恵はきっとあったはず・・・・!
アフリカを出たのは外のより好い物を得るための積極的な選択だったのか、人口過密や旱魃等で食べ物が無くなったり病気が流行ったりして消極的にそうせざるえなかったのか、どっちなのかが気になります。四六時中苦しめられる寒さを補って余りある程魅力のある物ってなかなか思いつかなくて。
それだけ寒さ苦手なのにアフリカを出たのはよほどのっぴきならない事情があったのかなー
>>7
凶暴な動物から逃れるためだったとかかね
※18
凶暴な動物=人間
苛政は虎よりも猛し
>>20
※18の意見に対して、
「苛政は虎よりも猛し」って点には同意。
ただ、「苛政」の中身って、
「独裁的な粛清で殺される」みたいな要素も無くはないが
主に「年貢(税金)の負担が過重」って点が大きいと思うんだよね。
要は、経済的に暮らしが立ち行かないという。
何年かに一度たまたま運の悪かった人が猛獣に食い殺される地より
家族全員が毎日の飯のひもじさに直面する方が、引っ越し圧は強い。
つまり、原始の人類に当てはめるなら、
飯事情――要はやっぱ気候変動や人口過剰など何かの要素が起こり
少しぐらい苛酷でも手付かずの食糧源がある辺境へ進出する
という選択をした群れが、流れ流れて行ったんじゃないかと。
ただ単に「アフリカには凶暴な動物が居る」ってだけで
食物は相変らず豊富なら、猛獣対策をしつつ住み続けてたと思う。
※18
あの時代はユーラシアもホラアナライオンやホラアナグマなど
大型の肉食獣が多かったから危険度は劣らない気がする。
アメリカ方面まで行くとスミロドンやアメリカライオン、
ショートフェスベアなんかもおるし。
南アメリカの南端らへんの寒いところの部族は体に脂を分厚く塗り重ねてコーティングしてたとかなかったっけ
植民時代にお前ら臭いから洗えって、洗ったら凍え死んじゃったとか
>>9
ヤーガン族ですな
服を着るとか火を使うとかは環境適応の進化とは逆に変化がなくなる
縄文人や狩猟採集生活の人類もそうだが同じ地域で狩りを続けると獲物がなくなるため定住できない
そうして世界中に広まっていったわけだが氷河期の人類の全体数は少ない
ある程度婆ちゃんの知恵を借りて
ひたすら気合いで耐えてたんじゃね
>>11
ポタポタ焼きって意外と歴史が古いんだな…
あまり暑すぎると 皮膚炎・・・・・
ワキガ、汗水多さ、水虫、大きいコギブリ、大きいネズミ
色々悩んでいた
北海道に暮らしたら よくなった
いかに雪や氷の世界であっても、まだ見ぬ世界への人間の冒険心の炎を消すことはできなかった…のかな?
DARPA「今は飲み薬があるからへーきへーき」
何で長く寒い所で住んでる人種は体中に体毛生えてくるような進化しないんだろうな?つまり進化論なんてないんやなって思ったね
>>15
っ「進化の不可逆性」
進化の過程でいったん捨て去った機能は、
生活環境が変わってまた必要になったとしても
もう同じものが復活することは無い。
収斂進化で似たような機能を新たに再獲得するケースもあるが、
失ったものは失ったまま、無理くり適応しているケースも多い。
例えばイルカや鯨は、海に棲み 姿は魚類のサメに似ていても
水中では息ができないから、哺乳類として断トツの潜水時間ながら
最終的には潮吹きに上がって来なきゃいけない。
※15
毛皮を着れば生き延びれるから、全身ふさふさになるような淘汰圧がかからないのよ
ふさふさな人がモテるならわんちゃんあるけどふさふさもふさふさで虱とか病気に感染するリスクがあるしな
※15
逆に進化論のもっともらしさを証明する事例ですなこれは
そもそもどうして寒い土地に住もうと思ったのか?
アイスランドやグリーンランドはノルウェーの圧政から逃げて来た人達と聞いたことあるけど
寒さに適応した人類がイエティなのでは?
生物密度が高い方へ移動したんじゃないかな?
アメリカ大陸では人の移動は南下している。
暖かそうなパーカーだな
ユニクロで売ってくれないかな
虫が少ない、病気も少ない、着こめば何とかなる
冬眠か…
冬眠出来たら冬の温かくて美味しいものを食べて脂肪を蓄えなくて済むのに…。
あぁ…脂肪、蓄えたくないなぁ…
※26
冬眠は非常手段みたいなもので寿命は縮みますよ。
大変な肉体的負担になります。
みんな本当は寒い場所になんか移動したくなかったんじゃないかな
でも動物や採集物をとり尽くさずに食べ続けるためには人口密度が一定以下である必要があって
縄張り争いに負けたグループとか兄弟の中で地位が低い人なんかが、どっかよそ行けよそ行けここは満員だって追いやられて、まだ誰の縄張りでもない場所を探して住むことを繰り返した結果、段々条件が悪い土地、寒い土地に住むしかなくなっていったんじゃないかと思う
※27
動物でテリトリーを追い出されるのは負けた側だものね
人口増で緊張が高まって負けた人々が移住を強いられたんじゃないかな
新しい土地で食物を得れるかもわからないし移住は命がけ
汗っかきな連中だったんだyo
割と慣れるもんですよ
高校くらいまで冷え性だったけど、今じゃ通年半袖余裕になった
これは格闘技始めて冬に冷たい胴着着るようになったからで
先日からの寒波でも手袋なし
寒い方向の先には寒い場所しかない
というのも現代人だから知ってるだけでしょ
より快適な場所を求めて移動してたのかもしれない
そもそも北への進出が意図的に有るわけでなくて、
地球全体が寒冷地化して仕方なく適応
後に温暖化して、寒冷化適応した種が温暖化で増え、北限まで進出可能になった
じゃないの?
※40
だとしても、南限、北限が有ったはず。
カンブリア紀前のような全球凍結は以後起きていないと思われるので、
せっかく住んでいた土地を離れたくないと思うような人達も居たって事かな、そう言う人達が創意工夫で乗り切って温暖化した頃には「じゃあ、もっと北にも行けるかな」と、生息域を広げていった可能性はある。
この際面白いのが日本で、北方南方東方と色んな所から人が来ているのに基本夏型という所。
一部縄文と交わって成立したようなアイヌ人以外は余り寒い場所に居続けるような住居も服も持ち合わせなく、千島列島での越冬が明治まで生死を賭けた戦いだった。
まぁそういう所に住むアイヌもまたほぼ居なかったわけだけど。
好き好んで赴いたのではなく、罪人のようにコミュニティの中で住めなくなった人間が寒地にたどり着いて仕方なく適応した、と聞くがどうなんだろ
ホッカイロは商品名なので記事を書くなら使い捨てカイロって書いて欲しいです
セルクナム族「寒いから脂体に塗って脱いだろ!」
ホッカイロは商品名だから使い捨てカイロだねー
テレビゲームやスマホを十把一絡げでファミコンっていうようなもんよ