この画像を大きなサイズで見る「あの歌のタイトルなんだっけ?」ちょっとしたことが思い出せないことはよくある。ましてや睡眠不足となるとなおさらだ。
もし思い出せない記憶を蘇らせる方法があるなら、試してみたいことだろう。
そんな薬が本当にあったようだ。オランダの研究チームが、既に承認されている薬(日本では未承認)をマウスに投与したところ、寝不足で失われてしまったと思われたマウスの記憶を回復させることに成功したのだ。
これはただ記憶を取り戻す方法が発見されたというだけではない。寝不足で記憶力が低下したとしても、記憶自体が失われたわけではなく、その情報はまだ脳に保存されているという証拠でもあるそうだ。
睡眠不足になるとなぜ記憶を思い出せないのか?
記憶のプロセスは、たとえほんの少しの睡眠不足であっても大きく損なわれる。タンパク質や脳細胞レベルで影響を受けてしまうのだ。
ただよくわからないのは、寝不足による記憶力の低下が、それとも記憶を取り出しにくくなっているだけなのか、それとも記憶自体が消えてしまったのか、どちらが原因なのかということだ。
この疑問に答えるべく、オランダ、フローニンゲン大学の神経科学者ロベルト・ハベックス氏らは、睡眠不足のマウスにケージ内の物体を探させるという実験を行なってみた。
さらに数日後、ケージのオブジェを別の場所に動かしてから、再びマウスにそれを探させてみる。
するとマウスはどこかに移されたことに気が付かなかった。どうやら寝不足のせいで物体の場所を覚えられなかったようだ。
だが、光で「海馬」(記憶を司る脳領域)を活性化させたときは別だった。その情報を保存している海馬のニューロン(神経細胞)を刺激してやれば、物体の位置を思い出せたのだ。
「その情報はきちんと脳にしまわれていたのに、取り出すのが難しかっただけなのです」と、ハベックス氏はプレスリリースで説明する。
この画像を大きなサイズで見る既に承認されている人間用の薬で、マウスは記憶を回復
失われたと思われていた記憶はちゃんと残っており、マウスではそれを取り出すこともできた。
だが同じことを人体で試すことはできない。
そのためには遺伝子を操作して、光に反応するようにしてやらねばならないからだ。光照射のオン・オフによって細胞の活動を制御するこうした手法を「オプトジェネティクス」という。
そこでハベックス氏らは、体に傷をつけずに同じことができないかと考えた。
彼らが注目したのが、「ロフルミラスト」という肺の炎症を治療する薬だ。海外では承認されているが日本ではまだ未承認だ。
じつはこの薬の作用の1つに、寝不足で記憶力が低下するとき減少するとある細胞シグナル分子を増やすというものがある。
この薬をマウスに投与して、同じような実験を行なってみると、光で海馬を刺激したときのようにきちんと記憶を思い出したのだ。
ロフルミラストによる記憶回復効果は5日ほど続く。だがこれと光を併用した場合は、さらに効果が長続きしたという。
この画像を大きなサイズで見る寝不足でも記憶自体は保存されている
この研究は、マウスの記憶を回復する方法に焦点を当てたものだが、私たちの人生に彩りを与える記憶がしわしわの脳にどう書き込まれるのかというお決まりの疑問についても示唆に富んでいる。
科学者たちはずっと昔から、記憶が保存されている脳細胞ネットワークを探し求めてきた。
そして、こうしたネットワークの結合と強さ(「記憶痕跡」や「エングラム」という)こそが、記憶の保存に重要であると考えられるようになった。
一時期は、記憶の基本単位であるエングラムの存在が疑問視されることもあった。だが最近では、ニューロンを光で操作する方法(オプトジェネティクス)が開発されたことで、記憶のエングラム研究が活気を取り戻しつつある。
例えば、マウスに恐ろしい体験をさせてから、光で海馬を刺激すれば、恐怖で身動きできなくさせることができる。
さらに偽の記憶を植え付けたり、アルツハイマー病でボケてしまったマウスの記憶を回復させるといったことにも成功している。
これらは今のところ動物で実験されているに過ぎないが、もちろん研究者が目指すのは人間の記憶を回復させることだ。
この研究は『Current Biology』(2022年12月27日付)に掲載された。
References:Human-approved medication brings back ‘lost’ memories in mice | Science Linx News | Science LinX | University of Groningen / written by hiroching / edited by / parumo
追記(2022/01/16)本文を一部修正して再送します。














人間に効く記憶回復薬ができたら、忘れたかった記憶を掘り起こされて悶絶しそうだな。忘却は時に癒しなのだ。
「アルジャーノンに花束を」を連想しちゃう組み合わせ
※2
「アルジャーノン」の単語が出てこなかった俺にこの薬が必要かも知れない
前に鎮痛剤を飲んだノンケの男性がゲイになったって話があったな。
逆にゲイをノンケに変える薬なんて存在するのかな。
※3
特定のホルモンの増加や抑制、あるいは脳内物質の分泌量の増加や抑制あたりまでなら薬物でできる事があるはず
なので思考の誘導までは無理でも特定の精神傾向を強める程度までなら可能ではないかと思う
ついしん
どうかついでがあったら、うらにわのアルジャーノンのおはかに花束をそなえてやってください
政治家は常用すべきですね。
思い出したい記憶だけを特定できるとは思えないけどどうなるんだろうな
回復だけではなく捏造も操作も出来るという事だよね
>>7
確かに写ってたんだ……俺の娘……まるで天使みたいに笑って……
統合性失調症は捏造と操作が脳内で勝手に行われるの病気だけれど、この薬で治療できたりしないだろうか
この分野の研究から治療方法生まれたらいいな
アルジャーノンか
私は若い頃から過去の記憶(自分の身に起きたこと、経験)があまりないというかすごくあやふやなんだけど、忘れてしまったのか記憶能力が低くて最初からちゃんと覚えられていないのかどっちなんだろう
家族や昔からの友人知人達と話していても、ある人物やエピソードを自分だけ覚えてなかったり、類似する事物や出来事を混同してたり、「あの時私はどうしたんだっけ?」とか思うことが多い
本で読んだり学んだりしたことは結構覚えてる(たぶん)けど、記憶としては同種のものなんだろうか
この薬がヒトにも有効なら、昔の思い出も鮮明になるんだろうか
そんなにいいことばかりじゃないと思うけど、周囲の人みたいに覚えてないのはなんか落ち着かないんだよね
人間がどうやって膨大な情報を覚えていられるのか、まだ分かってないみたいね。
それは置いといて、その薬早く日本でも認可してドラッグストアで買えるようにして欲しい!