
この何かを贈るという習慣は昔からあったようだが、昔の人々はいったいどんなものを贈りあっていたのだろう?
今とは異なるニーズ、価値観、好みをもっていただろうから、なにを贈り物にするか、その選び方もだいぶ違っていたはずだ。
ここでは昔の人が贈り物として使用していた、9つのアイテムを見ていくことにしよう。
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1. 特別な石
歴史学者によって特定された、もっとも初期の贈り物のひとつは石だ。先史時代には、魅力的な石が、婚姻あるいは感謝を示すために贈られたという。
珍しい美しい石を贈るということは、自分でキープしていてもいいのに、それをあげてもいいと思うほど大切な相手に贈ることに決めたということだ。
こうした珍しい石は、普通の石と違って独特な色合いやユニークな形をしていたのかもしれない。

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2. 動物の歯
古代の人たちは、輝く動物の歯を互いに贈りあった可能性がある。歯が大きいほど、無傷できれいなものほど、その価値は高いと考えられていた。手先が器用な者は、こうした動物の歯を紐でつなげて、ネックレスやその他のアクセサリーに加工したりすることもあった。
贈られた人は、それを身に着けて見せびらかすことができたのだ。

3. 病気予防のお守り
古代ギリシャでは、新生児に小さなお守りを与え、この世に仲間入りしたことを歓迎する習わしがあった。こうした小さなお守りには、子どもがさまざまな病気にかかるのを防ぐ力があると信じられていて、生まれてまもない赤ん坊に憑りつく、悪霊を追い払うと考えられた。

4. 聖水
古代エジプト人は、宝石、香水、家具など、たくさんのアイテムを贈り物にしていた。聖水を贈ることもあったという。エジプトの新年(7月中旬)には、神々を敬い、愛する人たちの繁栄と祝福を願った。
こうしたお祝いの一環として、小さな瓶にナイル川からとった神聖な水を満たし、それを大切な人に贈った。受け取った人は、翌年には神のご利益があると信じた。

5. 火をともしたろうそく
バースデーケーキにろうそくの火を灯すのは、実は古代ギリシャ時代からの風習だ。誕生日を迎える人のために、ろうそくを灯して幸運を祈る。ろうそくの火を吹き消すのは、誕生日にその人に憑りつく悪霊を祓って欲しいと神にお願いするための行為だとされる。それからの一年間、その人にとって精神的な守護にもなる。

6. 愛の歌を歌う
お目当ての女性の心をつかみたい男性が、通りでセレナーデを歌うことがある。自分で作曲する人も多いが、そうでない場合は、専門家に作曲を頼むこともあった。こうした愛の歌は、祝いの席や女性を口説くために、人々の前で歌われた。たとえ、優れた歌い手でなくとも、大切なのはその気持ちだろう。

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7. 薪(たきぎ)
近頃は、新築祝いのパーティにワインや軽食を持参するのが一般的だ。古代では、誰かの新築を祝うときは、薪(たきぎ)を持って行った。その薪でおこした火で家が暖かくなり、来てくれた人に料理を作る。英語で新築祝いのパーティのことを、”housewarming”というのは、そこから始まった。その祝いの宴は、たくさん食べたり飲んだりして、続いたことだろう。

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8. 髪を縫いこんだ服
中世では、恋人に自分の髪を縫いこんだ服を贈ることがあった。これが婚約の贈り物になることもあったし、気になる相手へのプロポーズのしるしとして使われることもあった。恋人の髪が縫いこまれたコートを身につけるなど、今では妙なことのように思われるかもしれないが、当時は不思議とロマンチックな行為だった。

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9. 唾を吐く
え、唾?と思うかもしれないが、ケニヤのマサイ族は相手への敬意の印として、唾を吐くことが知られている。贈り物、握手、新生児の額にも唾を吐く。世界中の多くの文化では、唾を吐く行為は無礼だとみなされているが、マサイ族にとっては「貴重な水」を相手に与えることになるため、究極の贈り物といえる。
祝いの席で、誰かに対して唾を吐くのは、その人の繁栄、健康、長寿を願う方法で、この伝統は何世紀にもわたって続いていて、実際、今日でも行われている。
贈り物に関する考え方は、時代とともに変化している。現代の私たちが選ぶ贈り物は、インターネットで簡単に手に入る時代だ。
だが、贈る物が何であっても、それにこめられた相手への愛や感謝の気持ちは、太古の昔から変わっていないはずだ。
References:9 Crazy Things Ancient People Gave as Gifts | Ancient Origins / written by konohazuku / edited by / parumo
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コメント
1. 匿名処理班
どこに髪飾りが登場してる??
2. 匿名処理班
贈り物は本質的には素朴で生きるために重要な物だと分かる。
髪を縫いこんだ服は念がこもりそうですね。