この画像を大きなサイズで見る「妖精」と聞くと、ピーターパンに登場する「ティンカーベル」など、ちょっと気まぐれで、愛くるしい姿が思い浮かぶだろう。
だがもともとはそうじゃなかったようだ。超自然的な存在として、かつての神話や伝説に登場する「妖精」には、暗い起源があり「不死の吸血鬼」だと思われていたという。
民俗学者のロバート・カークは、妖精とは、「死者、あるいは人間と天使の中間の性質をもつもの」だと主張する。
妖精はダークサイドに落ちた堕天使
こうした考えは、ケルト人(インド‐ヨーロッパ語系のヨーロッパ先住民族)の伝承でとくに顕著だ。アイルランドの詩人、レディ・ジェーン・ワイルドは、1887年に次のように書いていて、アイルランド人の信仰を世間に広めた。
妖精とは、その罪深いプライドのせいで、主なる神によって天から追放された堕天使のこと。悪魔が彼らに知識と力を与え、多くの悪事を働かせるために地上に彼らを送り込んだ
現在の妖精の無垢なイメージは、暗い死者の世界とはまるでかけ離れているように思える。だが、妖精と死の間には多くの共通点がある。
魔法の杖を持ち、きらきらと輝いてはいるが、妖精には暗黒の歴史があり、驚くほどゴシック的な要素を持っている。
この画像を大きなサイズで見るいつから妖精は無垢な愛すべき存在となったのか?
どうして私たちは妖精への恐怖心を忘れ、彼らを子ども時代の美しい思い出と結びつけるようになったのだろうか?
ジェームズ・マシュー・バリーの『ピーターパン』が世に出たのは、1900年代初頭のこと。当時の社会では、妖精は暗い霊界に住んでいると信じられていた。
天使、幽霊、吸血鬼にのめりこんだビクトリア朝(その後のエドワード朝)の人たちは、妖精を死んだ者の魂として見るようになった。
第一次世界大戦で愛する者をたくさん亡くしたことで、妖精を追い払うどころか、彼らが宙を舞う死者の魂だとみなし、死んだ者とコミュニケートできるオカルト的手段への傾倒が高まった。
この画像を大きなサイズで見るピーターパンのティンカーベルが妖精のイメージを変えた
しかし、『ピーターパン』の大ヒットによって、小妖精「ティンカーベル」のイメージが定着し、妖精は子ども部屋に閉じ込められて、ついには完全にその毒気を失った。
バリーは、妖精の起源を子どもと同一視したことで一躍有名になった。
赤ん坊が最初に笑い、その満面の笑みが爆発したとき、それは妖精の始まりだった
こうした解釈は、妖精の悪意や暗い歴史とはかけ離れている。
伝承の中では、妖精は子どもをさらい、人々を狂気に陥れ、家畜や作物をダメにして、人間の血を吸う。
この画像を大きなサイズで見るもちろん、バリーもこうした妖精の暗黒面に気がついてはいた。
妖精の魔法の粉や、きらびやかさとは裏腹に、本来ならティンカーベルは、人間を誘惑する復讐心に燃えた危険な存在なのだ。『ピーターパン』の中で、ティンカーベルはウェンディを殺すと脅してさえいる。
戯曲『ピーター・パン:大人にならない少年』は、1904年のクリスマスにデビューした。これは、シーモア・ヒックスの『おとぎの国のブルーベル』のような人気ショーで、妖精が演じられることでさらに触発された。
『ピーターパン』は1953年にディズニーによって聖典化され、感傷的なアニメの妖精が生まれた。現代の子供向けテレビ番組のかわいらしく若々しい妖精たちは、こうしたディズニー化の結果だ。
この画像を大きなサイズで見るもともとの妖精は血に飢えた悪魔的存在だった
しかし、伝承では妖精はよく悪魔的、死者の力、人間が避けなくてはいけない対象として描かれている。
民俗学者のキャサリン・ブリッグスは、次のように指摘している。
とくに妖精がいると言われる場所を夜にひとりで歩くときには、身を守る術がたくさんある。
まずは、神聖なシンボルである十字を切る、とくに鉄でできた十字架を持ち歩く、祈る、讃美歌を歌う、聖水をまいたり、持ち歩く、教会の土を通り道にまく、などがある。
パンや塩も効果的で、どちらも神聖なシンボル、生命と永遠の象徴とされている
この画像を大きなサイズで見るさらに、妖精の国は、人間の血に飢えているという。これは、妖精を復讐に恨み骨髄の死者や吸血鬼と結びつける。
昔の記述には、吸血鬼は悪霊によって動くことができるようになった死体だと定義されていて、夜に墓からはい出てきて、生きている者の血を吸い、彼らを殺す。
1734年にはすでに、オックスフォード英英大辞典に掲載されている。
ダイアン・パーキスの「妖精の歴史」の中には、妖精が人間の血で渇きを癒さないよう、夜は家の中に水を持ち込むべしという、スコットランド高地地方の伝説が出てくる。
吸血鬼のような非常に古い妖精は、新鮮な血がないと、しわしわになって干上がってしまうとされている。
バーヴァン・シーは、スコットランドの吸血鬼系妖精だ。
この美しい緑色の妖精バンシーには、足の代わりに蹄があり、男性の犠牲者と踊りまくって疲れさせ、しまいには八つ裂きにしてしまうという。
ほかの多くの妖精と同じように、鉄で殺すことができる。
Dearg-Dueは、アイルランドの吸血鬼的妖精で、レッド・ブラッド・サッカーともいう。シェリダン・レ・ファニュの1871年の作品『吸血鬼カーミラ』に大きな影響を与えたと考えられている。
この画像を大きなサイズで見るハロウィーンは、私たち人間界と闇の世界との間のベールが非常に薄くなる時とされている。人間と妖精が出会う話を耳にすることも多くなる時期だ。
もし、ハロウィーンの最中、なんらかのトラブルに巻き込まれたとしたら、それはもしかしたら妖精の仕業なのかもしれない。
もし妖精を見つけても、慎重に足を踏みしめ、決して妖精の輪の中には入らないように。キノコがリング状に生えている場所は、妖精たちが輪になって踊ったところだと信じられている。
このようなキノコの輪の中に、足を踏み入れると、あなたの姿は見えなくなり、疲れて果てて死ぬまで踊らされるはめになるという。賢く妖精を恐れるとことが賢明なのだ。
References:Fairies weren’t always cute — they used to drink human blood and kidnap children / written by konohazuku / edited by / parumo
追記:(2022/11/06)本文を一部訂正して再送します。














妖しい精やぞ
ヨーロッパ等の伝承で語られる妖精を日本でいう妖怪に置き換えると色々しっくり来るよ。
妖精が日本でいう妖怪であるなら、ティンカーベルはトトロに出てくるキャラとかゆるキャラがそうかな
アーサー・ペンドラゴンにエクスカリバーを渡した湖の女性の腕、赤子のランスロット卿を養育した湖の婦人は、湖の妖精である。魔女モルガン・ル・フェイのフェイ(フェ)は、フェアリーのことである。ガウェイン卿と緑の騎士に登場する緑の騎士の不死の力は、植物の勢いや再生力に結びつけられ、パックなど緑衣をまとう多くの妖精と同じく、森林信仰に起源があるとされる。
キリスト教としては妖精なんかを認められないから貶めていくだろうね。日本でなら湖の神になって斧を引き上げてるだろう。
ピーターパン一作で塗り替えられるほど欧米の夜が明るくなってたんだろうな
妖精の取り替えっ子も闇深
そもそも妖精は子供を誑かして森の奥に誘う悪い精霊って認識は残ってる気が
ピーターパンだって子供を誘う媒介として妖精が用いられてるし
現代でもハイファンタジーなら妖精はそこまで良い存在としては描かれてない
オックスフォード“英和“辞典じゃなくてオックスフォード”英語”辞典ですね
これは順序が逆で、キリスト教徒が妖精を悪の使いと定義して追放したんだよな。でも、昔からある素朴な信仰だから生き延びた。ハロウィンのカボチャとかもみんないったんは追放された者たち。
もともと怪異って暗闇や未知への恐怖から来てるからね
人間はそれに対して光を当てたり原理を解明したりして「解釈」を与えて恐怖を克服しようとする
現象に名前をつけて、さらにキャラクター化してしまうんだ
水際で死者が多い→「河童」というやつが引き込んでるんだ→河童は相撲が好きらしいぞ
みたいな感じでね
※10
流石にそれはちょっと知識不足
ケルトの妖精譚とそうだよね、人に危害を加えるものばかり
チェンジリングとかフェアリーサークルとか
ウィルオ・ウィスプは妖怪つるべ火
ブラウニーが手伝いするけどあれは約束に縛られてる
面白い話がたくさんある
ゲームしか知らない子は知らないだろう
ダンバインの機体は妖精の名称とか、変なところで役立つ知識だ
※11
あと「レプラカーン(レプラコーン)」ね!
「ランドストーカー」というゲームに出てくる
フライデーという妖精が小悪魔系のデザインで
ツンデレで攻撃的だったんだけど忠実なんだな。
メガテンとかだと悪魔とか妖怪とかと同類扱いだったし、よくある事だな
キリスト教が昔からあるものを悪として排除しようとしただけじゃん🥺
水木しげる先生は「ヨーロッパの森に住む妖怪(妖精)は比較的穏やかだが、砂漠や熱帯など過酷な地域の妖怪は凄まじい奴が多い」と指摘してた
生物と同じで「自然から発生する怪しいモノ」も環境によって変わってくるんだろうな
>>16
ヨーロッパの妖精が「穏やか」に見えるほどの過酷エリア怪異のエグさって、どれほどのものなのか…
※16
過酷な環境で生まれた神は一神教の荒ぶる神というのが常識。
(温暖なところの神は多神教になり、人とも交流しときに子供を授ける、これが英雄Hero)
で妖精も「ジン」と呼ばれ、ものすごい力を持つが(フェアリーに比べらば)呪文で縛られて使役される辺りはアラビアンナイトのお話でよく知られている。
変化、怪力、創造、瞬間移動、浮遊(主人たちも連れて)、それらを使った戦闘まで行うからね。
でも魂を持たず、この世界の終わりの前日に燃え尽きるとか。
あとお願い、みんな「ケルト妖精物語 」(ちくま文庫)くらいは読んでおこう。
ゲームが楽しくてそこから出典してる人がいるけど、あれは妖精の話を伝えた人(一次創作)→イェイツなどまとめた人(二次)→翻訳者(三次)→読者(四次)→水木先生他クリエーター(五次)→視聴者ゲーマー(六次)ということなんだよ
かなりの脚色があるのは否めない、大本を知っていれば仲間に話すネタとしてもいいと思う。
あるいは原典で読める人は羨ましい、ぜひそのままを僕たちにつないで欲しい。
衝撃的・・デ〇〇ニーのハゲ妖精も ベルセルクの妖精の戦争ごっこも衝撃的だったけど・・・(ヽ”ω`)
※17
あれはトラウマ物ではあったが無垢で道徳とか心とか倫理とかが無い妖精の妖精らしさが出てたと思うね。
まぁ、エルフの耳が長くなったのも
ロードス島戦記からで
それまでエルフの耳は長くなかったし
※18
それも正確ではない
というかアニメのロードス島戦記が異常に耳を長くしただけで小説ではそこまで長くないし
「人間より尖った形をしているので多少長く見える耳」自体はロードス島戦記以前からとっくにある認識だぞ
でもってエルフ以外にもインプとかゴブリンとか妖精全般が「人間と違う存在だから体の特徴も人間と違う」という概念のため耳がそういうふうに描写されているんだ元々
>>28
エルフに対するイメージは指輪物語の影響が決定的だと思う
指輪物語より前はゴブリンと大差ない「妖精」の1つに過ぎなかった
今の日本人がイメージするファンタジーってほぼトールキンに影響されたもんが大半なんだよね
(トールキン以前のダークファンタジーも欧州じゃ根強く残ってる訳だけど)
※28
ちょっと違う。その話題の元はD&DというTRPGのリプレイ記事としてのロードス島戦記のほうな。リプレイ記事では確かイラストの耳が長くなってたのよ。
>妖精とは、その罪深いプライドのせいで、主なる神によって天から追放された堕天使のこと。悪魔が彼らに知識と力を与え、多くの悪事を働かせるために地上に彼らを送り込んだ
こんな解釈はキリスト教バイアスがかかったものにすぎないが、もともと不可思議なもの、自然の驚異の擬人化なんだからそりゃいい面だけじゃなく恐ろしく残酷な面もある
全く日本の妖怪と同じ
某ゲームで吸血鬼の姫の名前元になったリャナン・シーとか、某ソシャゲで一躍有名になったバーヴァン・シーとかも吸血妖精のたぐいだよね
異界(主に地下世界)に住んでいて人間の生命の象徴である血を奪い、鶏が鳴いて夜が明けると逃げ出す妖精は、幽霊と妖怪のミックスみたいなものなのかも
「戦闘妖精・雪風」
人工知性搭載の戦術偵察機の物語。
人類の従順な手足とはならず、独自の思考回路を持つ人工知性体群を不気味な存在としても描いている。
人に災いをもたらしかねない「妖精」になぞらえられているのは、印象深い。
機体の名前もケルトやギリシャに由来しているしね。
統治の過程で元々住民に信仰されてたアミニズムの神様が妖精化されちゃうパターンが多いのかな。十字架が弱点とか。
アウターゾーンっていう昔の漫画に出てきた妖精も血に飢えた化け物だったな
意外とポピュラーな存在だったのか
英語のフェアリー(fairy)の語源は古代ローマに遡るのに
1800年代とかピーターパンから妖精の起源を論じても意味がない
幻想の者の姿は、人間が強く望む姿か、強く拒否する姿になるんだろう。
>ハロウィーンは、私たち人間界と闇の世界との間のベールが非常に薄くなる時
ほほう、って事は矢っ張り百鬼夜行って日本版ハロウィンで有ってるのか
※27
どっちかというと西洋版お盆がハロウィン
本来は先祖の霊が霊界から里帰りしてくるのだが、その時に便乗どさくさ紛れで良い精霊・妖精や悪い精霊・妖精もごちゃまぜで人間の世界に来る
道を歩いてるのが生身の人間なのか先祖の幽霊なんだか妖精なんだか区別か付かない混沌とした状況になる日なわけ
なのでお菓子をあげて機嫌とって大人しく帰ってもらおうっていうキリスト教伝来以前の土着宗教の祭事
原作ピーターパンの執筆時期考えると、指輪物語書いたトールキン(1892年生まれ)にも影響与えてそうだね
現代だと主流の「ライトファンタジー」は1900年初頭にはもう登場してたんだな
女神転生をやると悪戯好きの憎めないヤツだったり、本当に害のある妖精が多いからそういうイメージが強いなぁ
ところで「赤ん坊が最初に笑い、その満面の笑みが爆発したとき、それは妖精の始まりだった」って文章がちょっとツボw
順序が逆で、もともと土着信仰と紐づいた「キリスト教の教えから逸脱した存在(現象)」をむりくりキリスト教の教えにはめ込むために「悪魔的存在」に定義した(というかレッテル貼った)んだろう。
要はヨーロッパ版「妖怪」なわけで。
日本の稀人信仰も各地の妖精を折伏?してどーのみたいな説もあったような
堕天使や悪魔が出てきている時点でキリスト教の影響を受けている
それ以前のプリミティブな妖精について興味がある
邪悪な妖精像はキリストの影響もある。一説には北欧神話のフレイは妖精の王だという。外見は美形で小さくもない。ちなみに指輪物語のエルフのモデルともいわれる。もともとトールキンはキリスト教に貶められた土着神話の復権を目指して小説にしたようだし。
日本で言えば妖怪だよ、悪さもすれば気まぐれに良い行いもする
十字架だの天使だの持ち込んでくる時点で、特定宗教から見た偏見でしかない
学者と名乗る資格も無い
『魔法使いの嫁』って言う漫画が好きなんだけど、
主人公のチセという少女が、見た目は可愛い風の妖精にたぶらかされて、妖精の国に連れ去られそうになるのな。
地獄に行く程、邪悪では無い異教徒の魂は
妖精になると言われている
最近だとゲームのFGOで妖精の暗黒面が描写されてたね。
純粋な生き物だけど、純粋故に残酷な生態って表現で。
>>43
プレイしたユーザー達が、妖精憎い、妖精許すまじ、って言ってる一方で掲示板とかでユーザー達が醜い叩き合いしてるのが面白い。本質的には変わらんな。
ディズニーキャラクターで1番ティンカーベルが好きだけど、人気無くてグッズも少なくて悲しい。
>>44
一時期やたらとティンカーベルの絵がついたグッズが売られてなかったか
女はあんな性悪が可愛く見えるのかと幼心に不思議に思ったもんだが
諸説あるのでは…?
元々その地にいた神様を伝道師が悪いやつとするために妖精という伝承にすり替えたという説もあったはず。ケルトとか特にそうかと…。ケルトはダーマ神族の文化を破壊した略奪者の一面があるから。
日本で言う「妖怪」だろう。
恐ろしいのも居れば何じゃそりゃってのもいる。
つい近年でも妖怪は生まれているよ。
妖怪コード絡ませとかさ
> 妖精とは、その罪深いプライドのせいで、主なる神によって天から追放された堕天使のこと。悪魔が彼らに知識と力を与え、多くの悪事を働かせるために地上に彼らを送り込んだ
ルシファーやサタンとあんま変わらんな
むしろ神自体が傲慢過ぎないか
蚊じゃん…
シェークスピア「真夏の夜の夢」に出て来る妖精パックあたりは既に、「いたずら好きな人外」みたいなんじゃないだろうか?