
その小惑星「2022 RM4」の直径は330〜740メートルと推測されており、時速8万4500キロ、つまり音速の68倍の速度で地球をかすめ飛んでいくという。
ハロウィンのわずか数時間後に地球に最接近するだなんて、どえらい「トリック・オア・トリート」がきたもんだ。
ハロウィンに少し遅れてやってくる巨大な小惑星
11月1日午前3時32分(日本時間)の最接近時、「2022 RM4」は地球から約230万キロメートル以内にまで近づく。これは地球と月との平均距離の6倍の距離だ。十分遠そうに思えたとしても、宇宙の基準からすると目と鼻の先だ。
No danger, but newly-discovered asteroid 2022 RM4 will pass less than 6 lunar distances on November 1. Possibly as wide as 740 meters, it will brighten to mag 14.3, well within reach of backyard telescopes. @unistellar
— Tony Dunn (@tony873004) October 5, 2022
This is very close for an asteroid this size. #2022RM4 pic.twitter.com/Z8khblg3Gq
新たに発見された小惑星2022 RM4は、11月1日に地球と月6個分の距離の内側を通過します。
ただし危険はありません。その大きさは740メートルもある可能性も。明るさは14.3等級で、望遠鏡を使えば裏庭からでも十分みられます。このサイズの小惑星としては大接近です
小惑星地球衝突最終警告システムで危険な小惑星を特定
NASAは、地球から1億9300万キロメートル以内に接近する天体を「地球近傍物体」と定義している。そのうち、地球に約748万キロメートル以内にまで近づくものが「潜在的に危険な小惑星」だ。これに分類されたものは、予測された軌道から逸脱して地球に衝突する兆候がないか、注意深く観察される。
その役割を担うのが、小惑星地球衝突最終警告システム「ATLAS」だ。ATLASは24時間ごとに全天をスキャンして、衝突コースに乗った小惑星があれば、その数週間から数日前に特定することができる。
2017年以降、ATLASは700個以上の地球近傍小惑星と66個の彗星を発見した。その中には実際に地球に衝突したものまである。
かつて「2019 MO」はプエルトリコの南海岸で爆発し、「2018 LA」はボツワナと南アフリカの国境付近に落下。幸いにも、どちらも小さな小惑星だったので、大きな被害は出ていない。

photo by iStock
小惑星の危険は現実のもの
NASAはすでにすべての地球近傍天体の軌道を推定し終えており、少なくとも今後100年間は、人類を絶滅させるような衝突はないだろうことがわかっている。だからといって警戒を怠っていいというわけではない。
地球近傍天体のほとんどは、アメリカ映画『ドント・ルック・アップ』のような騒動を引き起こすようなものではないが、その危険性を思い出させるような事件なら最近も現実に起きているのだ。
たとえば2021年3月、ボーリング玉ほどの流星が米バーモント州上空で爆発。その威力はTNT爆薬200キログラムに相当すると推定されている。
Meteor explodes over Vermont with the force of 440 pounds of TNT.
また2013年にロシア、チェリャビンスク上空で爆発した流星は、広島型原爆の26〜33倍もの爆発エネルギーを放出した。その衝撃波は地上にも伝わっており、窓が割れるなど建物に被害が出たほか、1500人ほどが怪我をした。 11月1日、地球に最接近する小惑星「2022 RM4」の現在位置ははNASAの公式サイトから確認できる
人類による人類のための地球防衛ミッション
だが我々人類は、小惑星の恐怖に怯えているばかりなわけではない。世界中の宇宙機関はすでに、危険な小惑星から地球を守るべく動き始めている。その代表であるNASAの探査機「DART(Double Asteroid Redirection Test)」は、9月26日に見事小惑星「ディモルフォス」に衝突。
地球防衛システムの初テストにして、その軌道を変化(結果、公転周期が32分短くなった)させることに成功した。
同様の研究は、中国でもまた行われている。それによると、23基の長征5号ロケットが小惑星ベンヌに打ち込まれるそうだ。ベンヌは2175〜2199年の間に地球に衝突する恐れがある不吉な小惑星だ。
ちなみに「2022 RM4」が地球に飛来する様子は、The Virtural Telescope Projectでライブ中継されるそうだ。中継は2022年11月2日午前2時(日本時間)からスタート。再接近の瞬間は午前3時32分(日本時間)とのことだ
References:A monstrously large, 'potentially hazardous' asteroid will zip through Earth's orbit on Halloween | Live Science / written by hiroching / edited by / parumo
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コメント
1. 匿名処理班
月と6倍の距離が近接だったり生命誕生以来の何十億年で危機的な衝突がたった数回だったり宇宙さんのスケールぱねー
2. 匿名処理班
ゴムチューブ買い占めなきゃ!
3. 匿名処理班
これって日本からも見えるの?
4. 匿名処理班
当たらなければ、どうという事はない
5. 匿名処理班
もし地球に落ちてきたらギャリアとジロンをよぼう!(錯乱)
6. 匿名処理班
>>3
午前3時だから見えるけど、等級からいって肉眼では無理だね
少なくとも口径50mm以上の望遠鏡が必要
7. 匿名処理班
>>2
100円ショップにあるから急げ!
8. 匿名処理班
このやろう!ブルジュ・ハリファぶつけんぞ ゴルァ!
9. 匿名処理班
※7
便利な時代じゃのう
10. 匿名処理班
本社に落ちろー!
11. 匿名処理班
>>9
便利だよね
12. 匿名処理班
直訳なんだろうけど、支離滅裂だなぁ(呆)「世界一高い超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」(高さ828メートル)にも匹敵する」って、針みたいな形状の惑星なの?そして脈略なく挿入される「ただし危険はありません。」の文言。タイトルの「潜在的に危険な小惑星」全否定かいwwwまあもとの英文から支離滅裂なことも多いからね。
13. 匿名処理班
もし突入してきたら地域まるごと衝撃波で灰燼に化すな
14. 匿名処理班
僕たち、入れ替わってる!?