
プレイヤーは仮想現実のワインセラー内を移動し、いろいろなワインが注がれたグラスを傾ける。するとコントローラーに内蔵された芳香デバイスから本物の香りが漂ってくるので、それがどのワインのものか当てるのだ。
これまでのコンピュータゲームでは、目に見えるもの、つまり画面上で動く映像に重点が置かれてきた。
だがストックホルム大学とマルメ大学の研究グループが開発したテイスティングゲームでは、香りがメイン要素という斬新なプレイが楽しめる。
仮想現実内のニオイをリアルに再現したゲーム
新たに開発された芳香デバイスがリアルな香りを再現できる秘密は、そこに内蔵された4つのバルブにある。コンピューター制御でこのバルブの開き具合を調節することで、匂いをブレンドし、仮想現実のワインから漂うさまざまなアロマを再現するのだ。
もちろん、これはゲームなのでプレイヤーが上手になるほどに難易度が上がる。

研究の中心人物であるストックホルム大学のヨーナス・オロフソン氏は、
普通のコンピュータゲームでは、プレイヤーが上手なるほど難しくなります。テイスティングゲームもそれと同じで、鼻が敏感になったプレイヤーでもやりごたえがありますと説明する。
そのリアルさは、ワインのテイスターや調香師の訓練にも使えるほどだそうだ。

嗅覚障害のリハビリにも
VRワインテイスティングゲームも芳香デバイスも、ネット上でプログラムや設計図が公開されている。研究グループの狙いは、ゲーム以外にも幅広く利用してもらうことだ。たとえば、新型コロナなどによって嗅覚障害になった人のリハビリに役立つかもしれない。
オロフソン氏によると、風邪やウイルスなどでニオイがわからなくなった人に嗅覚訓練が施されることがあるが、退屈なあまりやめてしまう人が多いのだという。
しかし公開された資料を元にゲーム会社が新しい匂いゲーを考案してくれれば、退屈な訓練も楽しい体験になると期待できるとのことだ。
この研究は『International Journal of Human-Computer Studies』(2022年9月21日付)に掲載された。
References:Smelling in VR environment possible with new gaming technology - Stockholm University / written by hiroching / edited by / parumo
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コメント
1. 匿名処理班
ホラーゲーとかのグロ系コンテンツはより強くなりそうだな、血液の臭いとかきたら…きつそう
2. 匿名処理班
そのうち、VR内で料理が食べられそうだ
3. 匿名処理班
うむぅ〜〜 妄想が膨らむ(^_^;)
4.
5.
6.
7. 匿名処理班
お料理ゲームやフェチ系のゲームかと思ったらワインのテイスティングという何とも言えない微妙な題材…
8. 匿名処理班
脳神経直結で香りを感じたのと同じ刺激を与えて存在しない香りを感じられる技術はよ
もちろんそれだと動いてなくても動いてるように感じられるし食べてなくても味が感じられるし触ってなくても(ry
9. 匿名処理班
ついに嗅覚まで…
10. 匿名処理班
VR-RPGで現実に戻ったかどうかが分からなくなるな……
11.
12.
13. 匿名処理班
>>1
べつにそのままの匂い、やなにおいとかじゃなくて、幽霊が近づくとイチゴの匂いがするホラゲーとかで充分楽しいと思うんだ
今までにない感覚で幽霊の接近や強さを表現できる
メインは目や耳だけど、それを盛り上げるのに鼻も補助として使うくらいで。
そりゃVRバットモービル(車内の革張りの匂いつき)とかあったら最高なんだけども。
14. 匿名処理班
くんかくんか
ハアハア
15. 匿名処理班
ヘッドセット買ったら逆にVRへの幻想が無くなるよ(´・ω・`)
16. 匿名処理班
※7
ワインのテイスティングって、
ほんの微量の成分の種類・量の違いでも
結構な差異が出そうに思うが、
そんな繊細で絶妙な部分まで再現できるんだろうか…?
17. 匿名処理班
匂いの元を用意しないといかんよね
カートリッジか何かでゲームごとに必要な臭いを複数セットするとかになるのかな
18. 匿名処理班
ちょうど孤独のグルメの焼き肉回見てるので何ともタイムリーな話題だ
余計におなかが減るかしら?
19. 匿名処理班
ポリエステル オドラマ・システムで検索してみろ。
40年も前にそんなアイディアは出ている。
20.
21. 匿名処理班
今こそ「美味しんぼ」(ファミコン版)復活の時だな。アンキモ・アンキモ・アンキモ
22. 匿名処理班
すでにVR機器自体からゴムやプラスチックの強い臭いがして雰囲気ぶち壊しなんだよなあ
23. 匿名処理班
かなり前からこの手のものが出来るできると言われてるけどそんなに魅力ないよな
24. 匿名処理班
この手の直接物質をどうこうする視聴覚以外の感覚再現デバイスは全て過渡期の道楽的なものにしかならんよね
記事でいうと状況に合わせた匂い物質の補充、調合、噴霧?、除去等に加え本体のメンテもかなり繊細なものが必要そうだし
結局脳を直接騙す電脳的技術に収束/淘汰されない限り一般人には広まらんだろうね
25. 匿名処理班
※10
インセプションのトーテムが必要になるな
26. 匿名処理班
「〇喰漢VR」とか作られないかなあ。
27. 匿名処理班
※1
バイオハザード深夜に電気消した部屋で一人でプレイしても平気だったけれど
VRのやつ気持ち悪すぎて怖くて、ホラー系二度と遊ばなくなりました(^^;
28. 匿名処理班
>>13
それ面白いね
イチゴの香りが、ホラーゲームの香りとして刷り込まれる人々が生まれて、匂いのミーム汚染みたいなものが誕生するのか