
その隕石の内部にはロンズデーライトと普通のダイヤモンドが両方ある。オーストラリアの研究グループはそれらのダイヤモンドの起源を突き止めた。
『PNAS』(2022年8月5日付)に掲載された研究によれば、準惑星が45億年前に宇宙で大きな小惑星と衝突し、そのときに発生した激しい化学プロセスによって形成されたのだそうだ。
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隕石に含まれる硬いダイヤモンド「ロンズデーライト」
結晶学者として有名なキャスリーン・ロンズデールにちなんで名付けられた「ロンズデーライト」は、六方晶の結晶構造であることから、立方晶である普通のダイヤモンドよりも約58%硬いと考えられている。ロンズデーライトは 1967 年にキャニオン・ディアブロ隕石から発見された初めて発見され、ケナ隕石、アラン・ヒルズ77283などの希少なユレイライト隕石の中で最もよく発見される。
オーストラリアのモナシュ大学やRMIT大学をはじめとする研究グループは、最新の電子顕微鏡で準惑星のマントルが起源のユレイライト隕石を撮影した。
その結果、内部に普通のダイヤモンドと共にロンズデーライトがあることを確認した。
それは髪の毛よりもずっと細く、それでいて長さは最大1ミクロンもある、これまで発見された最長のロンズデーライト結晶であるという。

準惑星と小惑星の激しい衝突によって形成
今回の研究では、ロンズデーライトが形成されたプロセスについても分析されている。それによると、宇宙で準惑星と小惑星が衝突した直後、内部で「超臨界化学蒸着」と同じようなことが起きて形成されたのだろうという。化学蒸着は人工的にダイヤモンドを作るときにも使われる方法だ。
隕石のロンズデーライトは、高温と中程度の圧力にさらされたことで、「超臨界流体」からその前にあった「グラファイト」の形状と構造をほぼ完璧に保存したまま形成された。
だが周囲が冷えて圧力が下がると、ロンズデーライトの一部が普通のダイヤモンドに置き換わったという。

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産業利用にも期待
こうした自然のプロセスを応用すれば、産業用の超硬質素材を作ることもできるかもしれない。モナシュ大学の地質学者アンディ・トムキンズ教授は、「自然は産業で再現できるプロセスを教えてくれます」と話す。
45億年前に起きたプロセスを再現して、あらかじめ形を整えたグラファイトをロンズデーライトに置き換えることができれば、小さな超硬質機械パーツを作れると期待できるそうだ。
References:Mysterious diamonds came from outer space, scientists say - RMIT University / written by hiroching / edited by / parumo
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コメント
1. 匿名処理班
自然のプロセスを応用
これ
2. 匿名処理班
悪魔将軍ロンズデーライトの実用化へ
by ○○経済新聞
3. 匿名処理班
ん−欲しい