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今では手軽にネットで出会える世の中だが、画像加工技術の向上により、実際に会うと別人?と思うようなケースも発生している。だが本当に別人の場合もあるから要注意だ。中国の浙江省に住む男性は、ネットで知り合い交際しているつもりだった女性が、実はこの世に存在しない架空の恋人だったことを4年も知らずにいたという。
男性を騙していたのは、架空の恋人の叔母を名乗る結婚詐欺師で、複数の男性がこの女の被害に遭っていたようだ。
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オンラインで出会った女性と交際を始めた男性
中国浙江省杭州市に住む28歳のシャオさん(仮名)は、中古品のオンラインストアビジネスを行っている。2017年9月にオンラインプラットフォーム「 WeChat」で、中古品のネットショップを始めたばかりだというヤン(仮名)と名乗る女性と知り合った。
最初、ヤンはシャオさんに製品の真偽を見分けるのを手伝ってほしいと頼んできたが、やがて親しくなると、メールで連絡を取り合うようになり、交際に発展した。
だが、2人は直接顔を合わせたことはなかった。

会いに出向くも叔母を名乗る女性としか会えず
同年11月、シャオさんはヤンから「会ったことのない男性と見合い結婚を強要されている。家を出たい」と打ち明けられた。シャオさんは、ヤンを助けたいとすぐに杭州市からヤンの住む安徽省阜陽(ふよう)市に出向いた。
しかし、阜陽市に滞在していた1か月の間、シャオさんはヤンと一度も顔を合わせることはなく、代わりにヤンの叔母(46歳)だという女性がシャオさんの前に現れ、このように言った。
姪の両親は見合い結婚を諦めたが、家出を許さず、厳しい管理を続けているので、姪はあなたに会えない。シャオさんは、シュー(仮名)というその叔母の言葉を信じ、新年も近くに迫っていたことから、一旦杭州に戻ることにした。

叔母を名乗る女が自宅へやってきて同居することに
結局、シャオさんは再びヤンさんとオンライン上で連絡を取り合うことになった。2018年3月、再びヤンのところへ行くがやはり会えず、ヤンからは「親の監視が厳しい。電話も頻繁にはできなくなっている」と電話で伝えられただけだった。
しかし、ヤンは「2か月後には叔母が杭州に行く。自分の相手として、シャオさんの適性を評価したいと言っていた」と伝えた。交際が本気であることをうかがわせるその言葉に、シャオさんは何の疑いも抱かなかった。
6月になると、本当にシューがシャオさんを訪ねてやってきた。自分の将来の義理の叔母になるシューを、シャオさんは歓迎し自宅に滞在させた。
その後、無職のシューはシャオさんとヤンの連絡役をしながら、シャオさんの中古のオンラインストアビジネスの管理を手伝うという日々を送っていたという。
シューは、シャオさんがヤンに連絡しようとすると、必ずこう言った。
ヤンの家族は厳しいので、電話する時はまず私が最初にかける。そして、ヤンから電話をかけてもらうことにする。この奇妙な要求は、シューがシャオさんに疑いを抱かれないためのものだったが、シャオさんはシューに対して全く疑いを持っていなかった。
電話する時には、家から出て地下室か車の中でかけて。

ヤンから金銭を要求されるように
そうして3年の年月が過ぎた。その頃になると、ヤンはシャオさんに「将来の結婚のための準備金」として毎月送金するよう頼むようになっていた。シャオさんは、ヤンが自分との結婚を考えていることを知ると、全く疑いもせずにその要求に同意した。
結果、シャオさんは3 年以内に合計 100,000元(約198万円) 以上をヤン宛に送金したそうだ。だが、その関係は間もなく終わりを迎えることになった。
チャットログで真実が明らかに
2021年 8月20 日、シューの携帯電話の保護カバーが壊れるという事態が起こった。この時、シャオさんはシューの携帯電話のロックが解除されていることに気付き、好奇心から チャットアプリ「WeChat」をクリックした。そして、衝撃的な事実を発見した。
ヤンの「叔母」と名乗っていたシューのチャット内容は、ヤンそのものだったのだ。シャオさんは、大きなショックを受けた。

image credit:thepaper
それでも真実を確認するため、シャオさんは翌日シューにヤンと連絡を取るのを手伝ってくれるよう頼み、ヤンからの電話を受けるからと言っていつものように家を出る前、家の中に録音装置を隠しておいた。その録音会話を聞いたところ、シャオさんがヤンと話している時、シューも同じように家の中で電話をしていて、会話がヤンの言ったことと一致していることが判明。
自分が3年も同居していた中年女性がヤンで、しかも偽叔母だった... 愕然としたシャオさんだったが、信じたくない思いも強かった。
さらにもう一度確認するため、8月 22 日の午後にも再び録音を行ったが、やはり結果は同じだった。ヤンはシューだったのだ。
翌23 日、シャオさんは友人を病院に連れて行くフリをして、杭州公安公樹区局の警察署に出向き、この1件を通報した。
警察はすぐに調査を行い、様々な証拠を入手した後、シューを署で事情聴取した。

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シューは複数の男性を騙していた詐欺師と判明
最初は黙秘を貫いていたが、明らかな証拠を提示されると観念したシューは、シャオさんからヤンにと送金された結婚資金を使い込んでいたことも認めた。更に警察は、シューが複数の WeChat アカウントを持っており、「不幸な家庭環境」を持つ 2 人の子供の母親や「結婚に対して悲観的な見方」を持つ若い女性など、複数の女性のフリをして詐欺を働いていたことを突き止めた。

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しかし、シューとの「恋愛関係」を維持していた男性は誰一人として、彼女の嘘を見抜くことができなかったようだ。シューが逮捕された日でさえ、愛を伝えるメッセージを送り続けてきた、熱狂的な男性もいたという。
現在、シューは詐欺容疑で拱墅(きょうしょ)公安局に拘留されており、事件はまだ捜査中だが、この1件について警察は次のように述べている。
愛は美しいものですが、仮想世界では常に感覚を研ぎ澄まし、特に出会い系サイトで詐欺師の罠に陥らないようにしてください。References:男子网恋还把对方姑妈接来同住3年,女友竟是“姑妈”假扮的_政务_澎湃新闻-The Paper/ written by Scarlet / edited by / parumo
オンライン アカウントを持つユーザーは、プライバシーに注意を払い、相手が疑わしい場合は、金品の要求に対して常に「いいえ」と言ってください。騙されていることに気付いた場合は、できるだけ早く通報し、地方自治体に報告してください。
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コメント
1. 匿名処理班
人はなぜ、人を求めるのか?
2. 匿名処理班
> ネットで知り合い交際しているつもり
どうみても「つもり」になってるだけで付き合ってないやろ...
3. 匿名処理班
※1
人という字はねぇ〜(ry
でも実際はもう一本無いと倒れるよねー
4. 匿名処理班
ネット上で知り合って惚れるということは今の時代ありえるとしても、「交際している」といえるのは実際に会ってからだと思う。
5. 匿名処理班
攻殻機動隊のゴミ収集車のオッサンの
話が現実になったのか。ネットは広大だわ…。
6. 匿名処理班
こういうのは表に出てこないだけで日本でも相当数あるのでないかなあ…。
7. 匿名処理班
金を騙されることはあるだろう
だが3年もババアと同居していたなんて信じられないな
3ケ月でも無理
いったいこの二人はどんな生活してたんだ?
すでに夫婦みたいなものだろ
8. 匿名処理班
ゴーストハックは結構古典的に有るよね
9. 匿名処理班
※5 怖かったよね、あの話
10. 匿名処理班
中国も男性の方が数が多いとかあるから、DT拗らせて夢見ちゃうのが多いんかね
11. 匿名処理班
どんなに異性の容姿や言動に魅力を感じても金銭的なものは
実際に会ってからだ
12. 匿名処理班
シューと結婚するわけにはいかないのか?
シュー=ヤン なんだから
13. 匿名処理班
※5
だよね、直接脳にアクセスして無くとも、ゴーストハックされている人は沢山いる。
14. 匿名処理班
恋は盲目…いや
盲目すぎんか…?
15. 匿名処理班
ネットでの出会い系は信用するなという例なら日本にいくらでもあるのにねぇ…
16. 匿名処理班
今の日本の中高生は、ネットで話が合った相手を普通に恋人って言うよ。
会った事も無いのに友人に恋人が出来たって楽しそうに話してる。
17. 匿名処理班
このケースの特異な点は、犯人の女が叔母と名乗って、被害者男性と長期間同居していたこと
バレるリスクが大きいと思うけど、なんで犯人はそんなことしたんだろ?
もし疑似恋愛を楽しんでいたとすれば、かなりホラーだな
18. 匿名処理班
国内ロマンス詐欺
19. 匿名処理班
同じように貢いでも
直接会えて枕営業してくれる
水商売の人の方がなんぼかマシやな
20. 匿名処理班
>>16
直接会ったことなくてメールと画像だけなのに交際?結婚??
おばちゃんにはわからんわー…と思って読んでたけど、若い人には珍しくないんだ…へー…
にしても、叔母さんと3年同居はさすがにおかしいでしょ!
21. 匿名処理班
※20
釣られ過ぎ
22. 匿名処理班
これもガスライティング的な何か?