通学途中の少年が野良犬をぎゅっと抱きしめるやさしい世界がここにある

　動物好きな少年が無償の愛情を示したのは、道端にいた野良犬たちだった。そのイノセントワールドは通りかかった近所の人にとらえられた。

　通学途中だった少年は、路上で2匹の野良犬を見つけた。しゃがみこむと1匹の犬をぎゅっと抱きしめ、もう1匹の犬の背をやさしく撫でる。

　野良だろうが血統書付きだろうが少年にとっては同じ「犬」だ。犬も少年の好意を理解していたのだろう。ずっとその場でおとなしく身を任せていた。

2匹の野良犬に無償の愛情を注ぐ少年

　チェチェン共和国の首都グロズヌイ市で、犬と少年の心温まる交流が捉えられた。

　偶然目撃した近所の住人は、そのピュアな光景に心打たれ、スマホで撮影し、ソーシャルメディアに投稿した。

　するとこの少年が誰であるかが判明した。

　少年は、近所の小学校に通うイブラヒム君。この日、いつものように登校するため歩いていたところ、路上にいた2匹の野良犬を見つけた。

　動物好きのイブラヒム君は、大型の野良犬に何の恐怖心も抱かず、近付いていってしゃがみこみ、ぎゅっと抱きしめた。 　犬はイブラヒム君に抱きしめられたままじっと座っている。嫌がることも威嚇することもなかったそうだ。

　イブラヒム君は1匹の犬を抱きながら、もう1匹の犬の背中をやさしく撫でた。 　イブラヒム君は、しばらく犬の傍にいて愛情を注いでいたが、学校に遅れると思ったのか立ち上がり、その場を去ろうとした。

　だが、立ち止まって犬の方を振り返ると、再び犬に近付いて2度目のハグをした。

やさしい光景が多くの人の心を温める

　去年12月にソーシャルメディアでシェアされた動画を見たのは見知らぬ人ばかりではなかった。一家の友人カテリーナさんも動画を見て、イブラヒム君のやさしさに胸打たれた。

イブラヒム君は、うちの娘と同じ小学校に通っています。とっても心やさしい子です。この動画は、まさに普段のイブラヒム君のやさしさが表れています。（カテリーナさん）

　野良犬に接している時、イブラヒム君は誰も見ていないだろうと思っていたようだ。しかし、彼のやさしさは偶然誰かの目に留まり、インターネットでシェアされ、多くの人の心を温かくした。

　犬は、人の恐怖や悲しさなどを察知できると言われている。近付いて来たイブラヒム君が決して危険ではないと、犬も察したのかもしれない。

　たった数分の出来事でも、少年と犬のやさしい世界は多くの人の心を温かくしたようだ。

written by Scarlet / edited by parumo
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