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犬は仲間の死を悲しむことが新たな調査結果で明らかに

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(著) (編集)

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 大切な人を失えば、誰だって悲しい。新たな研究によると、同じようなことが、仲間を失った犬にも起きるのだそうだ。

 同じ家族で飼われている仲間の犬が死ぬと、犬の行動に変化が起こり、食欲がなくなり、元気がなくなるという。

 この研究を行った、イタリア・ミラノ大学のフェデリカ・ピローネ博士は、次のように語る。

犬は感情豊かな生き物で、仲間と固い絆を結びます。つまり仲間が死ねば、深く悲しむかもしれないということです。そうした悲しみに対処できるよう手助けするべきでしょう

仲間の死後、犬の行動に変化

 悲しみの表現は人間だけのものではない。類人猿・イルカ・カラスなどの鳥類などでは、仲間の死を嘆くかのような儀式を行う姿が観察されてきた。

 『Scientific Reports』(2022年2月24日付)に掲載された研究では、ミラノ大学がイタリア人426人を対象に、仲間の死に触れた犬についてインターネットで質問し、その分析結果を報告している。

 回答者は全員、どこかの時点で複数の犬を飼い、そのうちの1匹が死んでしまった経験のある人たちだ。

 それによると、「仲間の死後、残された犬の行動に変化があった」という回答は86%にものぼったという。

 「全体としては、犬が遊ばなくなり、食欲が落ちたと報告されています。睡眠時間は長くなり、飼い主の注意を引くような行動も増えるようです」と、ピローネ博士は説明する。

 こうした結果は、飼い主と犬との愛情の深さや、犬を人間のように扱っていたかといったこととは関係がなかったという。

 つまり、愛犬を失った飼い主の悲しみが単純に反映されたわけではないということだ。

 また犬同士が一緒に暮らした期間や、残った犬が仲間の遺体を見たかどうかにも関係がなかったという。

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Photo by Sherry Wright on Unsplash

仲間の犬に対する愛着

 このような行動の変化は「悲しみ」だけとは限らない。

 仲間の死後、犬の行動が変化する原因としては、それまで犬同士が行ってきた共有行動(分かち合い)が乱れるからだとも考えられる。

 その裏付けとして、犬たちが食べ物を分け合うことに慣れているほど、残された犬の活動が低下し、睡眠時間が長くなる傾向にあることが判明している。

 その一方で、死に別れた犬と仲が良かったり、親や子供であった場合ほど、行動の変化が大きいことも明らかになっている。

 この理由として一番考えられるのは、「残された犬がそれまで安心できた”愛着”の対象を失った」からだろうと、ピローネ博士は話す。

 また飼い主が原因である可能性もある。愛犬の死は、飼い主にとってもトラウマで、苦しみや怒りを感じさせる。残った犬はこれに反応して、恐怖を感じたり、食欲が減退したりするのかもしれない。

 「感情や恐怖が伝染するのかもしれません。これは潜在的に危険な状況に適応するための対応戦略の一環で、社会的な生き物では一般的なことです」と、ピローネ博士は説明する。あるいは飼い主が、勝手にそう思い込んでいるだけの可能性もある。

 ピローネ博士によると、犬の「悲しみ」の定義は、人間の子供と同じく、そう単純ではないのだという。

犬は感情的な絆を結ぶので、仲間に死なれれば、行動に変化があるはずだと予想されます。今回の研究で記録されたようなものは、人間なら悲しみと解釈されるものなのです。

ですが、今回の結果からは、犬たちが仲間を失ったことに反応しているのか、それとも仲間の”死”そのものに反応しているのか、はっきりとはわかりません

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photo by Pixabay

仲間の死は残された犬の心に影響を与えている

 エクセター大学の社会人類学者サマンサ・ハーン教授は、今回の研究は、仲間に死なれた犬が何を経験しているのか理解するうえで重要だと、第三者の立場からコメントする。

 だが、最終的な結論ではないとも指摘する。飼い主は必ずしも犬の行動を上手に読み取れるわけではないし、また質問という研究方法も主観的なものになってしまう。その分、今回の結論を差し引いて考える必要があるとのことだ。

 そう説明するハーン教授だが、少なくとも彼女の目には、犬は仲間の死に打撃を受けているように見えるそうだ。

私自身の研究では、犬とそれ以外の動物では振る舞い方がまるで違うことがわかっています。そうした違いを目にすると、仲間に死なれた犬は、心に大きな影響を受けているように私には思えます

References:Dogs experience a form of mourning when another dog in the household dies | Animal behaviour | The Guardian / Dogs Seem to Truly Grieve For Their Lost Canine Buddies, Survey Reveals / written by hiroching / edited by parumo

追記:(2022/02/28)タイトルを一部訂正して再送します。

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この記事へのコメント 15件

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  1. そりゃあそうだろうなぁ。
    むしろ仲間の死に変化のなかった14%の犬が何考えてるのか気になる。
    無関心なのか、犬独自の死生観なのか。
    大抵の飼い犬は小さい頃に親元から引き離されてるし案外同じように考えてるのかもね。

    • +6
    1. >>1
      縄張り争いの敵扱いなら
      気にしないかも

      • -5
    2. ※1
      イヌも悲しい気持ちになる説を支持するが、あえて他の可能性を考えてみた。
      つまり、たとえば二頭飼っていて、一頭が死ぬと一緒に遊ぶ犬がいなくなったので、活動量が減って寝る時間が増えたという感じ。もし三頭以上飼っていても新たに他の犬と遊ぶ時間が増えないとこういう方向になるかなと。
      変わらないように見えた 14% はおバカかもしれないけど、多頭飼いだと別の犬が一緒に遊ぶので変化がなかったのかも。

      活動量計みたいな仕組みで実際に減っているのかどうかを見ないと、飼い主の主観によるバイアスもありそうで、こういうのは解釈が難しいですね。

      • 評価
  2. 送りがな抜けてるかな?
    「悲む」ではなく「悲しむ」かと。

    • +2
  3. こんなの研究しないでも、一緒に過ごしていればわかる。
    犬だけでなく、動物だけでなく、何もかもが、悲しんでいる。

    • +1
    1. >>6
      その裏付けを取るのが科学的実験
      イヌを飼っている人でも、そんなわけ無いと言う人もいるように、当然という言葉はどうとでも使えるのだ

      まあ感情自体、人間が定義するから君の主張もよくある話でもある

      • +6
    2. ※6
      「いや一切悲しんでないよ。一緒に暮らしてればわかる。」って言われたら君はどう反論するの?ただの水掛け論にしかならないけど?
      それに答えを出すのが科学的な研究

      • +2
  4. 何をいまさらだろうけど
    科学的実証ではっきり証明されたなら良いことだ

    • +9
  5. 調査するまでもなく明らかだよ
    先日実家で飼ってた2匹の内1匹が亡くなったけど残された方は途端によぼよぼになって寂しそうに相方が生前いた場所をウロウロしてる
    年寄りの割に相棒にワンワン吠えたり跳ね回ったりすごく元気だったのが今じゃ吠えも走りもしない

    • +1
  6. 家の飼い犬が死んだとき、よその飼い犬が犬小屋のまえでウロウロしてた。

    • +2
    1. >>13
      その犬は亡くなった犬の友達だったのかもね。

      うちは親子犬を飼ってた。
      親犬が死んだ時、何ヵ月も子供は親を探して悲しげに鳴いたり、うろついたりしてたよ。

      • +2
  7. 知ってたけど
    そうであるなら、元気がなかったら寄り添ってあげたいね
    きっと同じように寄り添ってくれるから

    • +2
  8. 犬を飼ってる人なら誰でも知ってることだけど、たぶん論文にしたのが画期的なんだろうな

    • +1

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