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超音波で脳を刺激するだけで細胞を活性化させる方法を発見。手術いらずで難病の治療に光明

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(著) (編集)

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 超音波を使って哺乳類の細胞を活性化させる方法が発見されたそうだ。これを応用すれば、インプラントを埋め込んだりせずとも、脳の奥深くを刺激してパーキンソン病などの難病を治療できるという。

 「パーキンソン病」は、脳の神経細胞が破壊され、徐々に体の自由が利かなくなる。だが将来的には、患者たちを手術なしで治せるようなるかもしれないとのことだ。

超音波で脳深部を刺激し細胞を活性化

 パーキンソン病の治療法の1つに、「脳深部刺激療法(DBS)」という治療法がある。患者の脳に適切な電気的または磁気的刺激を継続的に送りこむことで、神経回路の働きを調節する。しかし、これをやるには電気刺激を発生させるインプラントを脳に移植しなければならない。

 そこで、アメリカ、ソーク研究所の分子生物学者スリカンス・チャラサニ氏は、超音波を照射して遺伝的にマーキングした細胞を刺激する方法を考案した。

 その方法は「ソノジェネティクス(音響遺伝学)」と呼ばれるもので、10年前にチャラサニ氏が考案した造語だ。

 チャラサニ氏率いる研究チームは、新しい研究で、研究用のヒト細胞株に含まれる「TRPA1」というチャネル・タンパク質が、超音波に反応して開くことを発見した。

 このタンパク質は、有害な化合物に反応し、脳や心臓などのヒト細胞を活性化させることで知られていたものだ。

 その性質をさらに探るため、マウスの脳にTRPA1の遺伝子を移植してそこに超音波を照射してみると、TRA1遺伝子を移植した神経細胞だけが活性化することも観察されている。

 この研究は『Nature Communications』(2022年2月9日付)に掲載された。

Progress for Sonogenetics a non-invasive way to treat brain disorders

手術しなくても脳深部刺激療法が行える

 今後ソノジェネティクスの研究が進めば、血液脳関門に阻まれることなく、パーキンソン病を治療できるようになるという。これが完成すれば、わざわざ外科手術でインプラントを移植する必要もなくなる。

 「この発見を将来の研究や臨床試験に役立てるため、具体的にTRPA1のどの部分が超音波に反応しているのか明らかにし、その感度を強化する方法などを見つけたいと考えています」と、共著者のコリーネ・リー=クブリ氏は説明する。

 ソノジェネティクスで脳細胞を活性化させれば、パーキンソン病と同じく体を不自由にしてしまう「てんかん」や「運動障害」のような病気も手術なしで治せる可能性があるとのこと。

 それだけなく、心臓の細胞を活性化することで、ペースメーカーとしても利用できると期待できるそうだ。

References:In a first for “sonogenetics,” researchers control mammalian cells with sound – Salk Institute for Biological Studies / written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 11件

コメントを書く

  1. これパーキンソン症候群にも効くのかな?
    パーキンソン病ではないけどほぼ同じ症状が出る上に患者数も多いから、治療に使われるようになると良いなぁ

    • +10
  2. 脳を鍛えるお勉強シリーズのゲームとかやるより効果でかかったりするのか

    • +5
  3. 入院せずに治せるので医療費軽減にもつながり
    患者の精神的負担も無くなるのでウィンウィンだ
    しかも一度失敗しても30分後に再度照射できるという
    外科治療では不可能な治療も可能とはすげえな

    • +12
  4. 本態性振戦やこのパーキンソン病の治療にFUSって言う超音波治療があるけど(国内でもやってる)それとは別かな

    • +4
    1. >>5
      それは宇宙からの毒電波や
      悪いエスパーが送って来るテレパシーを
      シャットアウトするだけなので
      病気の改善にはならないぞ

      • +2
  5. イルカと泳いで病気が良くなる話を思い出した

    • 評価
  6. こうした素晴らしい研究についてあれこれと話題にはなっても(ガンや老化、ハゲに効くなど)
    実用化(一般化)にはまだまだ時間がかかるのが歯がゆいところですね
    研究を続けるためにも有益な(可能性が高い)ものだと初期段階で発表するからなのかねぇ
    重い疾患ほど研究段階の実験台でもいいから試してほしいって人もいそうだし
    臨床をガンガン重ねて早期に実用化されるといいなーと思うものの、まあ難しいですよね

    • +4
  7. うちの母がパーキンソン病なんだ!
    嬉しい、こんなアイデアもらえて。

    母はずっと待ってもいられないから
    要はこの仕組みさえ把握してれば
    自分なりのやり方を開発できそうだ

    • -2
    1. ※10
      >自分なりのやり方を開発できそうだ

      待ってられない気持ちは本当によくわかりますが、生兵法は大怪我の元という言葉もあるように、専門的な施術を専門家でない人が見よう見まねで敢行するのは非常に危険
      どこをどう切れば良いのかという手術の仕組みを把握しただけで、素人が外科手術を敢行するのと同じくらい危険、相手は脳なので場合によってはもっと危険

      病気については専門医が一番よく分かっているので、どうかかかりつけ医の見解に従ってください、お母さまのためにも

      • +5

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