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串刺しとなった人骨が大量に発見される。500年前のペルーで何が起きていたのか?

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(著) (編集)

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 ペルー、チンチャ渓谷の石造りの墓から、串刺しにされた脊椎(せきつい)、200組近くが発見された。誰が?いったい何のために行ったのか?

 イギリスの考古学者らがこれらの謎めいた遺物を分析したところ、約500年前のものであることがわかった。

 どうやら、スペイン人に墓を荒らされた先住民たちが、先祖の墓に散乱した遺骨を集め、再び組み合わせるためて埋葬する為、いったん串に刺して保存したのではないかと推測されている。

 この研究は『Antiquity』(2022年2月2日付)に発表された。

墓で発見された串刺しの頸椎

 考古学者たちは、かつてチンチャ王国の中心地だった、ペルーのチンチャ渓谷にある44の埋葬地のうちの、40平方キロエリアの664の墓を調査し、の竿で串刺しにされた192組についてまとめた。

 それから、骨と葦の竿の放射性炭素量を測定をしてみた。放射性炭素は、その生物が生きているときは蓄積されるが、死んでしまうと一定の割合で窒素に分解されていく。

 そのため、この炭素の量を測れば、葦がいつのものかを推定することができる。

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ペルー、チンチャ渓谷で発見された串刺しの脊椎 / image credit:Copyright Antiquity Publications Ltd./Photo by C. O’Shea

荒らされた墓を復元する為、骨をまとめていた可能性

 分析の結果、脊椎と葦は西暦1450から1650年の間のものとわかった。

 ちょうどこの頃、インカ帝国が崩壊し、ヨーロッパの征服者が勢力を増していた時期であり、南米にやってきたスペイン人によって先住民の墓が冒涜された激動の時代だった。

 「チンチャの人々は、略奪された墓を再び訪れ、壊された墓を復元するために、葦の竿で脊椎をまとめた可能性がある」と語るのはイギリスのイースト・アングリア大学の考古学上級研究員、ジェイコブ・ボンガース氏だ。

こうした串刺し脊椎は、チンチャ渓谷のいたるところ、広範囲に192組も見つかりました。つまりこれは、複数の部族グループが協調し、共通の方法をシェアしていたことを意味します。

この興味深い行為が、冒涜された死者の遺骨を扱う適切な方法だと考えられていたということだと思います

 葦の竿のほとんどは、チュルパと呼ばれる大型で精巧な石造りの墓の中や周辺で見つかった。

 ひとつのチュルパには、数百人分の人骨が埋葬されることもあるという。埋葬を行ったのは、「インカ帝国以前の後期中間期に、チンチャ渓谷を支配していた裕福な中央集権社会」チンチャ王国の人たちだった。

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チュルパのひとつで見つかった串刺し脊椎には頭蓋骨が乗せられていた / image credit:Copyright Antiquity Publications Ltd/Photo by J.L. Bongers

スペイン人の墓略奪の歴史

 チンチャ王国は、かつて3万人の人口を擁する、西暦1000年から1400年頃まで繁栄した国だったが、15世紀が終わりに向かう頃、インカ帝国に併合された。

 だが、ヨーロッパ人がやってきて、飢饉や疫病をもたらすと、1583年にはわずか979世帯まで減ってしまった。

 歴史の記録によると、スペイン人は谷にあるチンチャの墓をたびたび略奪し、金や貴重な遺物を盗み、遺体を破壊し冒涜したという。

 新たな研究では、79組の串刺し脊椎を詳しく調べている。この中には、大人から子どもまでの脊椎が含まれている。

 1本の竿にはひとり分の人間の脊椎が貫かれているが、不完全で、その並びもバラバラだ。

 つまり、この串刺し行為はもともとの埋葬のときに行われたものではないということだ。むしろ、遺体が腐敗した後、おそらくは略奪で骨の一部が失われてしまった後で、遺骨を集めて串刺しにした可能性が高いという。

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チンチャ渓谷のふたつのチュルパ / image credit:Copyright Antiquity Publications Ltd./Photo by M. Rosales

 アンデスの文化では、遺体の完全無欠な保存を重視した。

 チンチャの人々が略奪された墓を再度訪れ、散乱した遺骨をきちんとまとめたのは、冒涜された遺骨を少しでも完全な形に復元させようとしたからと考えるのが、もっとも妥当な説明と思われる。

「私たちが収集したすべてのデータを見れば、これらの墓が略奪された後で、串刺し脊椎が作られたという説を裏づけているのがわかります」ボンガース氏は言う。

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脊椎の順番は揃っていなかった / image credit:Copyright Antiquity Publications Ltd./Photo by M. Rosales

死者の扱い、埋葬に関する洞察を与えてくれる貴重な遺物

 このように遺骨を串に刺すような、過去の埋葬行為は、遠い昔のコミュニティがどのように死者を扱っていたかについて、貴重な手がかりを与えてくれる。

 古代の人たちが、死者との関係を通して、どのように自分たちのアイデンティティと文化を定義していたかに、光を当てることにもなる。

亡くなった仲間を丁寧に埋葬するのは、私たちを人間たらしめている行為で、人間という種の重要な特徴のひとつです。

こうした埋葬行為を記録することで、人々がどのように人間らしさを示していたのか、その多様な方法を現代の私たちは知ることができるのです

References:Assembling the dead: human vertebrae-on-posts in the Chincha Valley, Peru | Antiquity | Cambridge Core / written by konohazuku / edited by parumo

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この記事へのコメント 21件

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    1. ※2
      もうそれにしか見えなくなっちゃったじゃないか!

      • -3
  1. 猟奇的な話かと思ったら全然違った
    御遺体の補修の可能性が高いのか

    • +19
    1. >>4
      人骨+ペルー遺跡でインカの人身御供の斬新なバリエーションかと思ったわ

      • +4
  2. 墓を荒らし死体を破壊するとか、何と言う罰あたりな事を!
    エジプトの王家の墓を盗掘した連中もここまで酷い事はしなかった。やはり異民族で自分達よりも劣った人種だと思っていたからだろう。
    呪われるがいい!

    • +6
    1. >>5
      その見下す態度はスペイン人の同種だぜ
      ちなエジプトの盗掘家たちも死体の損壊をやってる
      敬意云々ではなく、死体の数が違うから作業が雑になるか否かだな

      • +3
    2. >>5
      先住民がいなくなるとスペイン人は神の憎しみを受け仲間同士で争うようになったとその当時から言われている

      • +7
    3. ※5
      『金になる』と分かったら、盗掘ついでにミイラも売り払ってたらしいんですが…

      • +7
    4. ※5
      ミイラって、江戸時代ぐらいには
      粉にして生薬にされたりしてるよ。

      • +7
      1. >>23
        没薬「ミイラの防腐剤として使われてたのに、いつの間にか“ミイラから取れる薬”にされちゃいました」

        • +3
  3. 怒りと屈辱に震え祖先や家族を思って涙しながら
    骨をふたたびまとめたかと思うと胸が痛む

    • +12
  4. >先祖の墓に散乱した遺骨を集め、再び組み合わせて埋葬する為

    どんな思いで当時の人たちがご先祖(もしかしたら親兄弟)の骨をひとつひとつ拾い集めて串に刺したんだろうと思うと急にスペイン人が憎くなった。当時のスペイン人酷過ぎ。

    • +14
  5. 墓あらしされたからまた埋葬する為に纏めてたらまた墓あらし()に逢うなんて…

    • 評価
  6. >放射性炭素は、その生物が生きているときは蓄積されるが、死んでしまうと一定の割合で
    >窒素に分解されていく。

    おいおい・・・・。炭素が分解?して窒素になる? 

    • -2
    1. >>18
      ググって見よう
      窒素になる理由が分かるはず

      • +3
      1. ※22
        へー、なんか変
        炭素がチッソになるの?

        • -3
        1. >>24
          そうなると記事に書いてあるでしょ
          あとは自分でお調べなさい

          • 評価

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