
ドバイで毎年開催される国際展示会『グローバル・グラッド・ショー(GGS)』には、世界中の大学関係者から、創意工夫に飛んだ斬新なアイデア作品が持ち込まれる。
GGSでは、環境問題や社会問題(SDGs)の解決策を提供することを目的としており、今回はこの「アシードボット」が注目を集めたようだ。
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A'seedbot (P.1)
砂漠に種をまく、かわいらしいロボット「アシードボット」
地球の砂漠化は、持続不可能な農業慣行や鉱業、気候変動および一般的な土地の乱用により引き起こされる世界中の大きな問題だ。ドバイのデザイン・アンド・イノベーション研究所に所属するマジャール・エテハディさんは、複雑な生態学的問題ともなる砂漠化について考えを巡らし、「もっと多くの植物や緑を増やすことができたら」という思いがきっかけとなって、この作品を開発した。
広大な砂漠の地形を這い回って、木を植えるための肥沃な地域を見つけて種をまく、20センチほどの小型自律型ロボット『アシードボット(A’seedbot)』だ。
太陽光を利用して夜間も自律して作業を続ける働き者
衝突回避システムが組み込まれてある本体には、コントローラーにレポートを送り返すために使用する距離センサーとナビゲーションシステムから取得したデータに基づいて種子を植えるための独自のソーラーパネルが装備されている。日中はバッテリーを充電しながら活動し、夜間も作業を続ける働き者なのだ。

image credit:maz.et/Instagram
3D印刷された脚を利用して砂漠を這い回り、たくさんある目の1つを使って種まきに適した水分を含む場所を探し出す。衝突回避機能も内蔵されており、半径およそ5km以内を自律して駆動するため、人間はロボットに種を補充するだけでいい。

image credit:maz.et/Instagram
不毛の風景を豊かな緑に変える斬新な方法
エテハディさんは、アメリカのメディア取材でこのように語っている。簡単な解決策だったと思いますが、実際には今まで誰も思いつきませんでした。
将来的には、このアイデアが植物をより効率的に育てる方法として、政府や農業業界および
個人農家などに採用されることを願っています。

image credit:maz.et/Instagram
人手を使わずに効率的に緑を増やす試みは、今年の初めにカナダのトロントを拠点とするフラッシュ・フォレスト(Flash Forest)というスタートアップ企業でも行われていたようだ。彼らは、空中ドローンを使用することで、シャベルを使う作業員の10倍速くの植林の自動化を可能にし、2028年までに10億本の植林達成を望んでいるという。
Flash Forest – Index Award 2021 Winner
今後もGGSでは環境の変化を促す開発に期待
2021年のGGSのイベントでは、2020年同様パンデミックに対応したコンセプトが多く、「ニューノーマル(新たな日常)」向けのアイデアがプロジェクトに反映されていたようだ。同ショーディレクターのタデウ・カラヴィエリ氏は、次のように述べている。
人々は、健康とメンタルヘルスについて強い懸念を抱いています。また、自宅を仕事や教育、医療、食料安全保障のための文明化した場所にすることについても関心を持っています。GGSでは、今後もますますSDGsに配慮した開発作品が増えていくことが期待されている。
現在、行われている会話は、将来の応募に更に大きな影響を与えることになるでしょう。
大学の革新者たちほど、真の、そして具体的な変化を生み出すための設備に恵まれたグループは存在しません。
GGSは、このショーに参加するみなさんの意欲を沸かせ、物事への素早い変化を期待させ、変化を促す最高のきっかけとなるイベントです。
written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
このタイプのロボットを改良してばらまけば、少しは改善されるかな?
といっても緑化できたら人間が入植してきておジャンになりそうだから、もうひと手間必要だろうけど
2. 匿名処理班
子種を撒くロボットはいけません
3. 匿名処理班
クロノトリガーのロボを思い出した
4. 匿名処理班
かわいいかどうかっていうとめっちゃかわいいけど、実用性どうなのかねぇ?
沙漠緑化最大の難点は土壌そのものなんだわ
多少水があるところに種を蒔いても強烈な太陽や暴風から遮るものがないから芽が出る前に全部吹き飛んでしまうわけね
日本だと襟裳の緑化がこれで難航した
解決手段は売れない海藻を被覆剤にするっていう斬新な手段だったんだけどね
ん?マルチ張り担当の子をつくりゃいいのか?
襟裳緑化面白いから興味があったら調べてみて
5. 匿名処理班
種を蒔くだけなら正直、そんな人手も時間もかからない。
種から育てると虫や動物が種や芽を食べる、発芽しない、病気に弱い、などの問題がまず出て、育ち始めると植物の間隔を調整するための間引きが必要で、これを怠ると発育不良や病気になるし下手すりゃ全滅する。なので普通は苗から、って話になる。効率が悪すぎるから。
また、定期的な草刈りだの肥料だの間伐だの多くの苦労があって森になる。
この部分の人手を省くロボットが必要。
6. 匿名処理班
「おまえクロノトリガーやっただろ」って発案者に質問してみたい
7. 匿名処理班
>>4
無人化ロボットをばらまく前提とすれば、手数で勝負、たまたま条件が良いところに当たれば成功ってところじゃないかな
他の計画と並行してやっておく、みたいな
コストとロボットが壊れたり停止したときの対応をどうするかにもよるだろうけどね
まあ偉い人がもっといい活用法を思いついてくれるかもしれないよね
8. 匿名処理班
かわいい‼️
9. 匿名処理班
ナデナデしてあげたいくらいかわいい
壮大な計画じゃなくてもいいから家庭菜園とかちょっとした畑用に
これのちっちゃいの欲しい
10. 匿名処理班
けなげで泣けてきた;;
11. 匿名処理班
行き過ぎた砂漠化ってのは懸念する事は沢山あると思うけど、
砂漠の存在意義自体も緑化より少ないとはいえ、あるからなぁ
砂漠地帯がこの緑化によtって完全になくなる事も人間による
自然破壊の1つの行為にもなりうる
とはいえ、砂漠化が進むにつれ、起きている弊害の方が現実には大きいので頑張ってほしい
12.
13. 匿名処理班
>>7
個人的には壊れたロボの回収の方が気になった
重金属とプラの塊とか放置するには害悪やろって
一つ一つにコストをかけないとなると、駆動部に異物が詰まりやすくなるしそれを回収する職員必要になるとか逆にコストがかかりそう
回収担当の大型母艦作るとか?
マブラヴオルタのBETAの母艦級的な
14. 匿名処理班
砂漠の問題は保水であるとあれほど研究結果が・・・
15. 匿名処理班
飛行機から散布しちゃいかんのか
まあ種より水の心配よな
16. 匿名処理班
人類滅亡後に種まきロボットがせっせと種まきしてるの想像して笑ってしまう
17. 匿名処理班
※3
フィールドで耕作してるロボかわいいよな
18.
19.
20.
21.
22. 匿名処理班
クロノトリガーのロボやんけ!
と思ったら他の方々も同じこと思っててワロタ
フィールド上でせっせと森を育ててるロボが可愛くて、ずっと眺めてたな
23. 匿名処理班
※3
あれはいい話だったね。
ただ、1体とはいえ記事のロボットとは比較にならない程
高性能かつ自律的なロボだから・・・
24. 匿名処理班
※4
土壌に含まれる塩分をどうするかというのも解決しなければならない課題。
一歩ずつ解決しなければならないことは多いね。
廃棄されるオレンジの皮を利用するってのもあったな。
25. 匿名処理班
たとえ明日世界が滅亡しようとも、今日私はリンゴの木を植える。
マルティン・ルター
26. 匿名処理班
クロノトリガーやったことないが興味湧いてきたよ
なんとなくウォーリーを思い出した
27. 匿名処理班
もう何周したかも忘れたぐらいやったクロノトリガーだけど、また久しぶりに遊びたくなったなぁ。
自分が過去の時代に選んだ選択によって未来がプレイヤーそれぞれ変化するのも好きだった。
ロボと再会した時のあの感動をもう一度味わいたい。
28. 匿名処理班
クロノトリガーのロボはほぼ感情持ってたからお疲れ様と労う事ができたけどこのロボットも報われると良いなあ
29. 匿名処理班
この小さくて健気なロボットが昼夜問わず砂漠を一生懸命はい回ってると思うと涙が込み上げてくるな
30. 匿名処理班
うーむ、種まきも良いけど今ある森林を守る事はもう諦めたのかね。
31. 匿名処理班
砂漠にはもともと風で飛ばされてきた植物の微小種子が大量に散らばっていて生態系を支えているから種まき自体には昆虫たちの献立を増やす以上の意味はないんだわ
32. 匿名処理班
植物の種なんて砂漠でも自然に飛んできてる
それでもほとんど発芽しないのは水分が足りないからで、単に種を巻いても無駄だと思うが
33. 匿名処理班
※16
自分はむしろ泣いてしまう
34. 匿名処理班
少しずつ土壌を改良してくれるロボットが先かな?
35. 匿名処理班
>>3
あれプレイヤーにとっては一瞬っていうのが子供心になんか怖かったわ。
36. 匿名処理班
バッタがそれを食い散らすところまでは観えた
37. 匿名処理班
地元民がロボットを収穫してホクホク
38.
39. 匿名処理班
保護欲をそそられる