
image credit:Egyptian Ministry of Tourism and Antiquities
上エジプト州のオキシリンカス遺跡で第26王朝(紀元前664〜前525年)の墓が発掘された。2つの墓の中には、金箔がでつくられた黄金の舌を持つ3体のミイラが発見された。エジプト観光・考古省によると、黄金の舌は死後に冥界の神、オシリスと会話を交わすものと考えられているそうだ。
かつての州都で3体の黄金の舌を持つミイラ3体を発掘
エジプト観光・考古省とバルセロナ大学の共同チームが、金の舌を持つミイラ3体を発掘したのは、カイロの南、160キロの場所にある「オクシリンコス遺跡」からだ。ここはかつて上エジプト19番目の州の首都で、「オクシリンコス・パピルス」(数千点ものパピルス文書)が発見されたことでも知られている。
男性・女性・子供の計3体のミイラは、2つの墓に埋葬されていた。

1つの墓は、すでに盗掘で荒らされていたが、女性と3歳の子供の遺体が見つかった。墓には、石灰岩の棺と女性の姿をかたどった蓋が安置されていた。
もう一方の墓は荒らされておらず、男性の遺体が埋葬されていた。

墓はエジプト第26王朝(紀元前664〜前525年。サイス朝とも)のもので、石棺の蓋は、やはり男性の姿をかたどっていた。
それ以外にも、死者の内臓を収める4つの「カノプスつぼ」、「スカラベ」などのお守り、緑のビーズ、400体ものファイアンス製の人形(「ウシャブティ」)も見つかっているという。

黄金の舌は冥界の神「オリシス」と会話を交わすため
古代エジプトのミイラから黄金の舌が発見されたのはこれが初めてではない。今年2月にもアレクサンドリアで黄金の舌を持つミイラが発掘されている。金箔が施されたこの舌は、死者の神として広く崇拝された、エジプト神話における冥界の神「オリシス」と死後の世界で話せるようにするためのものだと考えられている。
死者の魂を裁く冥界の支配者であるオシリスに、死者が慈悲を示すように説得するために、金の舌が使われたと言われている。
男性の墓は全く手つかずの状態で残っており、このようなきちんと封がされた状態の墓は珍しく、非常に重要な発見であるとのこと。During excavation work carried out by a Spanish archaeological mission from Barcelona University and IPOA, at El-Bahnasa archaeological site in Meniya, has uncovered two Saite tombs with human remains with golden tongues. pic.twitter.com/9bAMmPpVJN
— Ministry of Tourism and Antiquities (@TourismandAntiq) December 5, 2021
3体の遺体の身元は不明だが位の高い一族である可能性が高いという。現在行われている発掘調査によって、新たな手がかりが得られるのではと期待されている。
References:Ministry of Tourism and Antiquities / Mummy with gold-foil 'tongue' found in sealed Egyptian tomb | Live Science / / written by hiroching / edited by parumo
追記:(2021/12/18)タイトルと本文を一部訂正して再送します。
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コメント
1. 匿名処理班
私もよく女の人に、黄金の舌を持つ男って言われます
2. 匿名処理班
400体ものウシャブティは月給や飯代を払うとあの世でも
維持費が大変だろうにどこから資金得てるのだ
3. 匿名処理班
沈黙は金、雄弁は銀。と思ってたけど、古代エジプトでは価値観が違うんだろうな。それとも見栄えだけじゃなく、腐らないようにという実利もあったのかなあ。
4. 匿名処理班
手札の枚数だけ強くなるのは知ってる
5. 匿名処理班
パルモ姐さん、オリシスじゃなくてオシリスよ
6. 匿名処理班
閻魔大王がくすねるぞ
7. 匿名処理班
ウシャブティ コレクションがひょうちゃんに見えた
8. 匿名処理班
>>2
中華文化圏でかみ
9. 匿名処理班
>>2
ごめんなさい送信してもうた…
紙の銭を焼いて冥府の先祖に届けるみたいに、エジプトでも子孫が何らかの形で負担するのかな?
それとも死語の世界で稼いで自弁するのか
10. 匿名処理班
あなたのオシリスカワイイワ