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極寒の北極圏で独自のガーデニングをするホッキョクギツネ。巣穴のまわりだけ緑豊かな場所に

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(著) (編集)

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 北極圏のツンドラを歩いていて、ホッキョクギツネの巣穴を見つけようと思ったら、1.6キロ離れていてもわかるだろう。周辺に緑の植物がたくさん植えられているからだ。

 ガーデニング(庭造り)は人間がするものと思われがちだが、実は他の動物もする。ただし本人はそれを庭造りと気がついていなかもしれない。

 ホッキョクギツネは数百年も同じ巣穴を利用することがある。必然的にそこには獲物の食べかすなどが蓄積されていき、それが栄養分となって徐々に植物が増え、周辺の不毛な土地とは明らかに違ってくるのだ。

ホッキョクギツネの巣穴の周辺だけ緑豊かに

 捕食者は、ほかの動物を狩るとき、栄養循環などの生態系サービスを提供するが、ホッキョクギツネの場合は、その効果がもっとはっきりと表れる。

 まず、ホッキョクギツネは北極のツンドラのような栄養の乏しいところに住んでいるため、とった獲物を介して栄養を再利用すると、その効果はより強いものになる。だが、それだけではない。

 キツネは、何世代にもわたって巣穴を使い回す傾向があり、ときに数百年前の巣もある。つまり、何世代にもわたってそれだけ効果も増大する。

 時の流れとともに、巣穴のまわりの土地には徐々に植物が増え、周辺の不毛な土地とは明らかに違ってくる。

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カナダ、ワパスク国立公園にあるホッキョクギツネの巣穴を空から写したもの。巣の周辺の緑の植物とまわりの地面との境がはっきりわかる。 / image credit:Gharajehdaghipour et al.

ホッキョクギツネは不毛の地に緑化をもたらしていた

 ホッキョクギツネにとって、彼らの巣穴は生命線だ。そこに獲物を隠し、子どもを育て、敵から身を隠すだけでなく、厳しい北極の寒さや風から身を守る。ひとシーズンで、カモの卵や獲物などを数百もハントしてくる。

 彼らが棲みかにしている厳しい土地では、こうした栄養豊富な獲物をたくさん巣穴に持ち込むことが土壌を豊かにする。

 研究者たちは、衛星などを使って、この効果のほどを追跡して、ホッキョクギツネが周辺環境に与える緑化効果を記録してみた。

 しかし、GPSの更新は遅く(三日ごとの更新しか受け取れない)、それに比べてキツネの動きは素早い。結局、固定翼機を使って、この緑化の様子をもっとよく観察することにした。

「結果的には、私たちの研究から、ホッキョクギツネが北極圏の生態系を局所的なスケールで操作していることがわかった」研究者は書いている。

「局所的に栄養の動力を高めることで、北極圏のツンドラ地帯の生態系サービスの提供に、ホッキョクギツネが重要な役割を果たしていると考えられる」

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 ホッキョクギツネが、ガーデニングの推進者として行動することで、彼らの巣穴周辺の緑化が進み、豊かになる。

 ホッキョクギツネは、北極圏の生物の中では見過ごされることが多い。北極圏そのものが、生き物の棲む生態系として過酷な場所なのだが、彼らが周辺環境に影響を与えるかなりの能力をもっていることは確かだ。

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気候変動の影響で生息域が減少

 しかし、ホッキョクギツネは今、危機にある。気候変動によってその生息地が減っているのだ。もっと体の大きなアカギツネに勢力的に負けていることもある。

 北ヨーロッパでは、アカギツネを捕獲して、ホッキョクギツネの生息地を維持する試みを導入しているところもある。それだけ、北極圏は容赦ない場所なのだ。

 この研究は『Nature』に発表された。

References:In the frigid Arctic, these foxes grow their own gardens / written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 24件

コメントを書く

  1. けもフレ3で最近出てきたからタイムリーな生態の話は嬉しい。

    • +1
  2. ガーデニングていうもんだから雪原にぽつんと空いた巣穴の周りだけ
    植物が茂ってるメルヘンな光景をイメージしてたら
    規模が違い過ぎたでござる。

    • +22
  3. 芝生が張ってある公園でもよく見られる現象で、ポツンと緑濃く伸びてる箇所は犬などのおしっこの跡。

    • +5
    1. ※3は完全に間違い
      むしろおしっこの塩分にやられそこだけ「焼け」を起こすか最悪枯れる
      全く真逆

      • 評価
  4. 補食することで小動物が食べた種子を運んできているのでしょう。

    • +6
  5. きれいに書いてありますが、現実には「糞」が原因じゃないでしょうか?

    • -4
    1. >>6
      巣の周りに重点的に糞をする習性はないから、普通に食べ残しメインだと思うよ。
      というか、動物記事でそこをごまかす意味はないしね。

      • +7
    2. >>6
      自分も「栄養を再利用」って糞が肥料になるってことかな?って混乱した

      • 評価
  6. 狼が森を作る
    ってのもこういう事含んでる感じなのかな
    生態系のバランスが取れてるって事なんだろうね

    • +19
  7. 北海道行ったときにキタキツネは結構見たな。
    怖い寄生虫がいるらしいが、、

    • +1
    1. >>10
      あえて名を出さないが、犬やたぬき、猫などにも感染する。
      日本だと北海道のキツネが一番接触の可能性が高いってことやね。
      海外だと牛や豚から感染した例もあるんで、動物に触った後は顔を触らない、すぐ手を洗うという基本に従えばよいかと。
      まあ、海外だと狂犬病も無視できないけど。

      • +5
    1. >>11
      黒も美しいよ。純白の犬と漆黒の犬が並んでる姿とか最高♪

      • +4
  8. 数百年物の住居かあ
    やっぱり兄弟の中で一番強い子が家を引き継ぐんだろうか

    • +3
  9. 自然は無駄な生き物なんて存在しないんだよな
    無駄なのは人間くらいだ

    • +4
  10. ロシア人に怒られる動画が好き
    ttps://www.youtube.com/watch?v=0OaxZXizA0M&list=WL&index=21

    • +1
    1. ※19
      何言ってるかわからないけどなんとなくわかっちゃうw
      あまりにも可愛いから許しちゃう「1匹だけだぞ」って言ってるんだよね

      • +1
  11. フワフワでもちもちな白い狐。
    可愛いな~

    • 評価

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