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コーヒーも人工培養の時代に!コーヒーの細胞を培養して作られた人工コーヒーが開発される

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(著) (編集)

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credit:VTT Research.
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 地球環境保護の観点から、家畜飼育を行わず、動物の細胞を抽出しそれを成長させることで人工的に作り出す培養肉の開発が進められているが、培養できるのは肉に限ったことではない。

 フィンランドの研究グループは、コーヒーの細胞を培養して作る「培養コーヒー」を開発した。

 コーヒーの木の細胞から作られているので、味わいは本物のコーヒーと変わらないという。それでいてコーヒー栽培による生態系の破壊を避けられる、環境に優しいコーヒーなのだそうだ。

コーヒーによる自然破壊

 芳醇な香りとキリッとした苦味で、気分をリフレッシュしてくれるコーヒーは、私たちの生活には欠かせない飲み物だ。

 ただ、誰からも愛されるために、その栽培が環境に与える負荷は小さなものではない。世界中からの需要を満たすコーヒー農園を運営するために、広い範囲にわたって生態系が破壊されている。

 それだけではない。温暖化で気温が上昇したことで、コーヒー農園の生産性まで下がりつつあるという問題もある。

 VVTフィンランド技術研究センターのハイコ・リッシャー博士は、「輸送の問題や化石燃料の使用など、コーヒーは確かに問題の多い作物です。だからその代替品を探すのは理に叶ったことです」と語る。

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コーヒーノキの種子からコーヒーの原料となるコーヒー豆が採取される / image credit:Pixaboy

コーヒーの細胞を培養して作る人工コーヒー

 そこでリッシャー博士らは、自然を破壊することなく環境に優しいコーヒーの開発を進めている。

 バイオリアクターの中で理想的な温度・水・酸素を整えて、コーヒーの細胞を培養するのだ。人工フォアグラから人工リブロース・ステーキまで、近頃よく話題になる培養肉と同じアイデアだ。

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credit:VTT Research.

 現在、培養コーヒーを大量生産した場合の持続可能性と実現可能性が評価されている最中だ。

 だが、これまでの調べによるならば、培養コーヒーは従来のものに比べて、少ない労働力と資源で生産できることがわかっている。

 特に水の使用量という点で、培養コーヒーははっきりと優れているそうだ。

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credit:VTT Research.

気になるお味は?

 もちろん、一番気になるのはその味や風味だろう。いくら環境に優しくても、不味くては話にならない。

 そして今のところ法律上の問題でこれを飲むことはできないのだが、少なくとも専門家による味見は行われている。

 その結果によると、普通のコーヒーよりも苦味が少なく(おそらくはカフェインが少ないため)、フルーティさもやや乏しいそうだ。

 ただしコーヒーの風味は焙煎によって大きく左右されるので、それが関係している可能性もあるとのこと。

 「私たちは焙煎のプロではありません。コーヒーの風味は焙煎によって生まれるものです」とリッシャー博士は言う。

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credit:VTT Research.

2025年以降には市場に並ぶ可能性

 リッシャー博士らによると、培養コーヒーが製品化されるには少なくともあと4年はかかるそうだ。その間に、焙煎コーヒーの完成度を高め、必要な認可などを取得する予定とのことだ。

References:Sustainable coffee grown in Finland – | VTT News / written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 18件

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  1. これは興味深いな。
    培養肉の場合、どうしても食感という厳しい壁があるけれど、コーヒーならどうせ粉にしてしまうから、組織の作りはあまり問題にならないし。
    朝のコーヒーを飲むまでは本当には目覚めることができない自分としては、カフェインが少ないという点が気になるけれど。

    生態系や資源の今後のことを考えると、あるいは命を奪わずに済むという点を考慮すると、近い未来には、培養が食料獲得の主流になっていくかもしれないね。

    • +8
    1. ※2
      自分は逆に、培養肉に関しては、多少 不味くても
      貧乏人向けに「安く腹が膨らませられる」栄養源になり得るなら
      「…っぱ天然物よな」と不満持たれつも普及の余地はあると思うが
      (食感については、まずは挽き肉系加工食品などから始めて)、
      香り・風味を楽しむ純然たる“嗜好品”であるコーヒーが
      独特の苦みやフルーティーさが薄いって、
      それ致命的に無価値じゃね? 飲む必要自体が無くなる。
      おまけにカフェイン含有量も少ないそうだし。

      …と思ったけど、戦時中の代用コーヒーのことを考えれば
      もし栽培物が制限されれば、需要が生まれるのか…??

      • +3
  2. 焙煎の問題じゃないやろ
    培養はコピーじゃない

    • 評価
  3. 培養コーヒー、ぜひ買いたいな。培養ココアとかもできるかな

    • +3
  4. コーヒー製造からはかなりの温室効果ガスが出てるらしいしね。

    • +1
  5. コーヒーの木を露地植えにしてないだけで環境負荷はそんな変わんないでしょ
    肥料も必要だし、廃棄物は絶対に出るし、今と同じ量を生産しようとしたらどうしても敷地面積が必要になる
    水耕栽培の野菜工場でも成功したところなんて聞いたこと無い

    • -1
  6. 麦茶や焼き芋の皮を煮だしまくれば代用コーヒーの一丁上がりだ

    • +2
  7. 依存ってほどじゃないがカフェインは普通に取りたいからソコも改善して欲しいな

    • +1
  8. コーヒーの豆だけを培養して作るってこと?(木の苗じゃあ意味ないもんね)
    実(種)だけどんどんできあがるのか、なんか不思議

    • +1
  9. そのかわり春摘みとか夏摘みとか秋摘みの種がなくなる可能性も出てくるわけか
    いつの時期に摘まれたかで味も変わるだけにそこは不安要素として残るな

    • 評価
  10. >普通のコーヒーよりも苦味が少なく
    天然のコーヒー豆には、シルバースキン(=チャフ)と呼ばれる部分があって、粉に挽いた際にどの程度そのシルバースキンを取り除くかで、苦みや渋みがコーヒーの抽出液にどのように加味されるかが違ってくる。もしも培養コーヒーにシルバースキンに相当する部分が無いとすれば、それを補うべく培養コーヒーの品質を改良し、また焙煎の仕方を工夫する事で天然のコーヒーのように美味しくなるか、あるいは天然のコーヒーよりも美味しくなる可能性があると思う。
    いつか製品化されるのを楽しみに待ちたい。

    • +2
  11. 普通のコーヒーも長年の品種改良やら栽培手法やらのたゆまぬ努力の結果で味が変わってきたんだから、研究段階の試作第一号みたいなのがそれまでと遜色ない味が出ると考える方が傲慢だろう、まず製造手法の確立で味はその後、使える売れると判れば味にこだわり、より高品質を目指すのは世の流れだし。
    いや、むしろこっちの方が味のコントロールがしやすくて、天然物より多彩な味で顧客満足度が高くなるかも。

    • +6
  12. 既存のプラント野菜も土壌で栽培するよりトータルコスト高くて、進んでる種といない種ではっきり分かれるしどうだろうね

    • 評価
  13. 俺はこれはフェイクニュースだと思うぜ。
    コーヒーの木の細胞を培養することと、抽出してコーヒーとして飲める実を工業的に量産することには1億光年の隔たりがあることを無視している。

    • +1
  14. コーヒーの木を組織培養してもコーヒー豆にはならんだろ。

    • 評価

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