
結局夫婦は離婚し、元妻は自身の研究所を立ち上げることに。そこで夫の研究所に冷凍保存されていた人間の遺体や脳、ペットの犬猫の遺体を盗み出したのだ。
元夫が警察に通報したことで明るみとなった。ロシアの技術ウェブサイト『Rubase』によると、警察の調査に対し妻は「研究所のCEOは自分であり、所有者としての権利がある」と主張。
だが、しかし、冷凍保存されてあった遺体や脳は、運び出された際に損傷した可能性があるとして懸念されているという。
広告
冷凍保存施設の遺体を盗み出し、元夫から訴えられた元妻
ヴァレリア・ウダロワ(59歳)は、ロシア・モスクワ地域にある冷凍保存施設に保管されてあった冷凍保存の遺体や脳を持ち出したとして、元夫のダニラ・メドベージェフ(41歳)から告発された。もともとヴァレリアとダニラが共同で設立し運営していた「 KrioRus」と呼ばれる研究所は、ロシアを代表する冷凍保存施設として知られていたという。The owner of a Russian cryonics firm has alleged that his ex-wife made off with the frozen remains of people who one day hoped to be revived after cutting through a fence at the storage facility and draining nitrogen from vats containing the cadavers https://t.co/rkTcgkj24U
— The Times (@thetimes) September 13, 2021
ここでは人体、ペット、DNAサンプルの凍結保存が行われており、海外からの遺体も複数保管しており、人間の遺体が81体、ペットだった犬猫の亡骸47体が、巨大な真空断熱タンクに冷凍保存されていた。
ヴァレリアは、この研究所でCEO(最高経営責任者)を務めており、冷凍保存を望む約500人の人々との間に契約を済ませていたが、夫ダニラさんとの間で極低温の取り扱いに意見の異なりが生じ始めた頃、2人の関係が悪化し離婚した。
間もなく、ヴァレリアは2019年11月にトヴェリ地域でOpen Cryonicsという新会社を設立し、個人事業主として登録した。
その結果、元夫のダニラはヴァレリアに対し複数の訴訟を起こし、ヴァレリアはこれに対立するための優位な作戦を実施しようとしていたようだ。
ヴァレリアは、自分の新会社のスタッフと共にダニラの運営となったKrioRusの研究所に保管されてある冷凍保存遺体を無断で持ち出そうとした。

離婚争いの果てに遺体の保管を奪い合う夫婦
ヴァレリアは、ある日スタッフを引き連れてKrioRus研究所に忍び込み、凍った遺体が入った巨大なタンクから液体窒素を排出し、遺体と分離された脳を複数トラックに積み込んだ。脳は、特別な金属製の医療ボックスに入っていたが、タンクから液体窒素が取り除かれた遺体は損傷した可能性があるようだ。

9月8日、YouTubeで15分にわたり心情を吐露したヴァレリアは、元夫ダニラさんとの法廷での争いをいとわないと話している。
また、動画内では3か月にわたって研究所から冷凍保存の遺体を運び去ることを計画していたことを暴露した他、仰臥位に冷凍した遺体を保つ特別な機器を考案したとも語っている。
О преступном поведении Медведева и Самыкина относительно крионики
ダニラさんから通報を受けた警察は、元配偶者同士のこの奇妙な争いについて調査を進めているが、ヴァレリアは「自分はこの研究所の正当な所有者」と主張していることから、現時点ではヴァレリアの逮捕に至っていないという。
冷凍保存に最後の望みを託す人々
現在の医療技術で治療が不可能な遺体を液体窒素による超低温下で保存し、未来の医療技術で蘇生可能となった時点で解凍、治療する冷凍保存技術に最後の望みを託す人は多い。本当に、技術が進めば冷凍保存された遺体が生き返るかどうかの保証はないが、何もしなければ可能性は完全にゼロである。
決して安くない費用だが、2016年の時点で、世界全体で約350人が冷凍保存されていると言われている。
written by Scarlet / edited by parumo
あわせて読みたい





コメント
1. 匿名処理班
高額費用を払ってまで冷凍保存に賭けた末に技術の未発達でも災害でもなく人災でどうにかなるとか
それこそ死んでも死に切れませんねこれ
2. 匿名処理班
20歳近く年上の女房かー。
3. 匿名処理班
高い金を払ってでも蘇生を願った相手の肉体がこんな他人の愛憎劇で損なわれるの悲しすぎるだろ……
4. 匿名処理班
ただの凍った死体に希望を見せて遺族から費用を徴収し続けるアコギなビジネス
死体は高額債権。そりゃあ、盗んでまで欲しいわね。
5. 匿名処理班
こんな感じのB級SF映画のセットみたいな施設で保管されてるのか…
6.
7. 匿名処理班
修羅場のスケールおかしくて草
8. 匿名処理班
手前で肘ついてる人が何かジョーカーとかヴィランに見える。映画のワンシーンみたい。
9. 匿名処理班
日本人も保存されているとこだぞ。
遺族からしたら家族殺されたのと大して変わらんぞこれ。
10. 匿名処理班
御遺体は無事なのかコレ
粗末に扱って遺族の皆さんが一斉に訴訟起こしたら終わると思うが
11. 匿名処理班
夫からだけじゃなく顧客からも訴えられそう
12. 匿名処理班
例え研究所が自分のモノでも勝手に持ち出していい訳ないだろ
13. 匿名処理班
現在の技術じゃ凍結膨張で細胞破壊されて脳の神経細胞や内臓の組織なんかズタボロになってるしどっちにしろ蘇生なんて絶対不可能だしまあ
凍結する時が一番重要なのにまだ凍結技術が確立されてないんだから金の無駄だよこんなの
14. 匿名処理班
※3
SFならそういうストーリーになるだろうけど実際は億万長者の社長の爺さんばっかだと思う
美少女は寝てないよ
15. 匿名処理班
このテの施設って廃業したら遺体がゴロゴロ出てくるのか
遺族も代替わりしてたりで片付けを依頼されたら困るだろうな
16. 匿名処理班
脳だけ冷凍する人ってなにがしたいんだろう
そして死んだ人を冷凍しても、解凍したから生き返るわけではないと思うけどね
17. 匿名処理班
ぶっちゃけ会社なんてものは永続性の保証はないもんね
そのへんをどう信頼に足ると思わせて希望者を募ってたのか興味あるわ
18. 匿名処理班
これは酷い
ろくでもない女だ
自分の事しか考えてない
19. 匿名処理班
現代版ミイラだよなこれ
20. 匿名処理班
保存された遺体を粗末に扱うような人間に、自身や大切な人、愛するペットを冷凍保存してもらおうと思う人間はいないだろう。
損傷するリスクを冒す行為は冷凍保存の主旨を理解していないことの証左だ。
21. 匿名処理班
>>16
ここでも無いし冷凍されてるわけでもないけど、スライスされたアインシュタインの脳も存在してるくらいだから、何か研究目的で最近の偉人の脳を保存しているのかもね。
22. 冷凍処理班
遠い未来には、脳自体の蘇生は出来なくても、それからコンピューターか何かに人格を復活させることが可能になるかも知れない、、という望みか?
23. 匿名処理班
「争い、っていた。」……タイプミス
「明るみとなった。」……慣用句の誤用(「明るみ」を使うなら「明るみに出た。」とすべき)
24. 匿名処理班
自分の人生を託せるのは自分だけって事ね。
25. 匿名処理班
利用者に訴訟されたらどうなんのこれ
26.
27. 匿名処理班
写真のSF感がすごい