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リスにも個性がある。それが生き残る上で大いに役立っている

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(著) (編集)

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 おとなしい子、積極的な子、臆病な子、大胆な子、人間にも個性の差があるように、小さなリスにもしっかりと性格に違いがあるという。

 アメリカの動物学者が、リスに性格テストを行ってみたところ、それぞれに性格や個性があり、それが生存率とも関係していることが明らかになったそうだ。

野生動物にも個性があり、生態系に影響する

 人間には個性があり性格がそれぞれ違うのは周知の事実だろう。また、犬や猫などを何匹も飼ったことがある人なら、その性格の違い、個体差の違いに驚かされたことがあるだろう。

 実は、動物の性格について学術的な研究が行われるようになったのは比較的最近の話だ。野生動物たちも、それぞれ性格や個性が異なっており、それは生態系に影響を与える可能性があるという。

 たとえば積極的で、恐れ知らずな性格なら、それだけ多くのエサを見つけ、広い縄張りを手に入れられるかもしれない。

 だが、それは同時に危険な天敵に遭遇したり、事故に遭う危険を高めもする。つまり性格が生存率を左右するのだ。

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キンイロジリスの性格を調査

 『Animal Behaviour』(21年9月10日付)に掲載された研究は、動物の個体レベルの性格を調査したものだ。米カリフォルニア大学デービス校のグループによって、アメリカ西部に生息するリスの性格が世界で初めて調べられた。

 ジャクリン・アリペルティ氏らが調査したのは、コロラド州ゴシックにあるロッキー山脈生物学研究所が放し飼いしている「キンイロジリス」だ。同研究所は30年前に設立されて以来、ずっとこのリスを観察し続けてきた。

 今回の研究は、そうした長年にわたって集められてきたデータと、アリペルティ氏らが3年間、夏に行った実験の結果に基づいている。

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ロッキー山脈生物学研究所のキンイロジリス / image credit:Jaclyn Aliperti, UC Davis

動物の性格テストのやり方

 動物にも性格を定量化して分析するための標準的な方法がある。それは次のような4つのテストに対する反応をもとにするやり方だ。

1. 新しい環境への反応:リスを格子状の線と穴が開けられた箱に入れる
2. 鏡への反応:リスに鏡を見せる(今回の実験で、リスは鏡に映った姿が自分自身であるとは認識しなかった)
3. 逃走反応:リスにゆっくり近づいたとき、逃げていくまでのタイミングを確認する
4. 罠の中での行動:怪我をしないような罠でリスを捕獲し、そのときの行動を観察する

UC Davis Releases Study on Squirrel Personalities

リスには確実に個性があり、それが生存に役立っている

 アリペルティ氏らは、こうした性格テストの結果から、リスそれぞれの「大胆さ」「攻撃性」「活発さ」「社交性」を分析した。

 すると、まず大胆なリスほど主要な活動エリアが広いことが判明したという。また大胆で活発なリスは、素早く移動する傾向にあった。

 さらに大胆かつ活発で、しかも攻撃的なリスほど、岩のような高いところによく登ることも確認された。そうした場所は、周囲に危険な敵がいないか見回したり、敵から逃げたりするには有利なところだ。

 面白いのことに、社交性の高いリスも高い場所をよく利用する傾向にあったことだ。

 じつはキンイロジリスは群れで暮らすような社会的な動物ではない。大人になれば独立して行動し、仲間同士で協力し合うようなことは滅多にない。

 それでも、社交性が高いほど安全な場所をよく利用するのならば、それは生存するうえで有利に働いている可能性があるという。

 生き残りやすい性格の個体は、それだけたくさん子供を作れる可能性が高いということでもある。そのため、ひいては集団やコミュニティレベルにまで影響するかもしれない。だから動物を守るうえで、個々の性格が重要とされているのだ。

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photo by Pixabay

動物にも個性があると知ることで共感力が深まる

 アリペルティ氏は、「私は動物を種のレベルではなく、個として見ています」と述べている。

野生動物の個性を探ることは難しいですが、どんな動物にも性格があって個性があるとわかれば、親しみがわき、人々は動物の保護に関心を持つようになるかもしれません

 人間同士も同様かもしれない。人種や国、性別などにとらわれず個としてみることで、固定概念が払しょくされ、自分に似たタイプもいるということが理解できるようになるかもしれない。

References:Bridging animal personality with space use and resource use in a free-ranging population of an asocial ground squirrel / written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 30件

コメントを書く

  1. 近所に走り回っている台湾リス見ても性格あるのが
    素人が見てもわかってたぞ
    例えば広い視野を見るべというフロンティア型
    今ある場所で十分だという保守型、よくわからんが
    とにかく走るべというイノシシ型など笑えるものいる
    自分が軽く見てもこれだけいるので正確に調べたら
    ここの木以外木の実食わんし嫌だという偏食タイプとか
    赤色見ると3倍速くなる大佐タイプもいてもおかしくない

    • +11
  2. 尻尾に毛が生えたねずみでチューよ。
    生まれてから完全無菌室で飼っていないと
    病原菌いっぱい持っていて怖いでチューよ。
    あっ、ぼくもそうだったでチューよ。

    • -5
  3. 動物全般、個性というか性格が十人十色で面白い
    同種の多頭飼いの楽しみはその個性を見る事
    餌の取り方、普段の過ごし方、全然違うね

    • +4
  4. リスはペットとして飼えるから、犬猫の様に性格の違いを知る事は出来るぞ。
    俺が飼っていたのは大人しい性格の奴と神経質な性格の奴だ。
    でも巣箱の掃除をする時は両方とも同じ様に抗議していた。

    • +8
  5. 生物の多様性は、絶滅を防ぐための保険
    この通説が補強されたね

    • +1
  6. 知識からじゃなく共感から入るってのがちと気になる
    ソレ本当に野生動物への理解になるか?
    間違った接触に繋がるだけの様な気がするが

    • 評価
    1. >>7
      宇宙カッコイイって思って研究者になる人もいるしリスを唯一の友達だと思い込んで救われる人もいるのではないだろうか
      虫やタコが嫌われてるのも共感されないからだし

      • 評価
  7. だろうね。
    性格差は行動差になり生存戦力に有利なのだろう。
    その個体の違いは鼠というか実験用のラットで証明されてるし、それを利用して系統も改良されてる。
    犬や猫などのペットは人馴れするのを条件に選抜されてきた歴史があるから、性格差は遺伝要素が強いのだろうけど。
    それでもペット達は選抜されてなおバラつき(個体差の違い)は必ず見られるから、やはり性格差は必要(有利)なものとして残されいるのかも。
    バラつく個性を生じさせる遺伝子を持つ生き物だけが進化の流れの中、残ったのだ。
    そして、それはおそらく魚よりも前の生き物が獲得した特長だと予想できる。

    • +2
  8. 某神父「崖に激突して死ぬツバメがいるそうだ…」
    「そのツバメは得てして他のツバメよりもとても上手にエサを捕獲したりするのだが…」
    「宙返りの角度の危険の限界を親ツバメから教わっていないためつい無謀な角度で飛行してしまう」

    • -2
  9. シマリスくんは性格が変化したらしい

    • 評価
  10. 言うほど人間に多様性を感じない…
    むしろ製品みたいに画一化されてる

    • 評価
    1. >>11
      規格外はすぐ排除されちゃうもんね

      • 評価
  11. 野生動物の個性という内容も興味深いが、最後の人間同士も〜のくだりが心に沁みた

    • 評価
  12. うちのリスも、気が強い子と穏やかな子とのんびりした子がいたなー
    飼い慣らしてすら性格の違いが出るんだから、野生でだって色んな性格がいるだろうに

    • +2
  13. 考えてみたらあって当然の個体性格差なんだけど、ちっこいリスがそれぞれせっかちとかのんびり屋とか食いしんぼうとかおこりんぼとか色んな性格でワチャワチャしてるのを想像するととても可愛い!

    • +1
  14. 当たり前なことがなぜ実験しなきゃわからないのだろう?
    すべての哺乳類、魚類、ウィルスまで実験するつもりか?

    リスに限らずすべての哺乳類、魚類、ウィルスに至るまで個性はある

    同一種ですべての個体がロボットみたいに同じ行動とるわけないのだから
    個体によって個性が異なるのは当然

    • -2
    1. >>15
      当たり前だと思っていることが
      実際には間違ってる可能性があるから
      実験するんだよ
      そもそも君の言う「当たり前なこと」
      だって、先人の実験の結果かも知れないし

      • +3
    2. >>15
      当たり前の事でも、しっかり確認するってのは大事な事
      みんな当たり前だと思ってた事がただの思い込みだった事だってあるんだから
      ことに個性に関しては、全体主義や優生学といった形で、個性を抹殺しようとした歴史もある
      「個性はあって当たり前」に科学的な後ろ盾が得られたのは大いに意味がある

      • +3
    3. ※15
      世の中のすべての人間が君みたいに優秀なら実験なんてしなくても直感で発展していけるんだけどね
      残念ながら実験しないとわからない人間が大多数なんだ
      「地球が球体である」なんて当たり前のことまで実験して確かめていたんだから

      • 評価
  15. 今の社会は個性を大切にしてる感、薄いなぁ
    口だけって感じで

    • +1
  16. 人間と違って言葉を持たない種だから、仲間同士で危険を共有できない。そのうえ弱いので、危険を理解して学習する間もなく死んじゃう。
    じゃあどうして生きてこれたのかというと、性格にもとづく行動パターンがあって、偶々正解のパターンを引いた個体だけが生き残れる。死ぬやつはすぐ死ぬけど、死ななかったやつはその後も同じ行動をとるので、それからも死なない。

    • 評価
  17. 「飼ってる金魚を餌の反応速度で分別し、5種類の水槽に棲み分けさせたら性格の違いが明らかだった」
    みたいなの読んだことある
    活発なやつ、おとなしいやつ、みたいに魚にも性格の違いがあるみたいだね

    • 評価
  18. 当たり前とは言われてるが、昔は痛覚や感情など無いものだといわれていたからね

    いつまで経ってもそれがわからない
    事実じゃないという人への叩きつけと、研究者個人の興味だろう

    大体の事象の理由に感覚的に分かっても、実験して明確化にしてないことがおおいからね

    • -1
  19. 個性を尊重せよと人前でなら言うが
    プライベートになった途端もう尊重しない
    人から良く思われたいだけのナルシストばかり

    • +1
  20. 個性が研究によって証明されたって叫ぶだけでは意味が無い
    実際に個性を存分に発揮して人の個性を尊重する行動を取れよ

    • +1
  21. これ結局、太鼓判押されてるのは
    集団にメリットをもたらす向社会的な個性だけ
    個性って言い方が紛らわしい。利便性と言えw

    • 評価
  22. 嘘つきは個性が大切などと人には言うけども
    自分自身は無個性かつ無難な生き方をしているというw

    • +1
  23. ハムスターと長年一緒に居たけど色んな性格の子ばっかりでしたよ?今更と感じてしまう…。

    • 評価

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