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何の植物なの?インドの屋台で売られている謎のスナック「ラム・カンド・ムール」

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(著) (編集)

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credit:Kailash Mohankar / WIKI commons
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 「ラム・カンド・ムール(Ram Kand Mool)」とは、インドの路上の屋台で気軽に売られているスナック(軽食)である。

 ドラムのような円筒形をした形をしている。植物が原料なのだそうだが、しかし、いったいなんの植物から作られているのか、どの部分から作られているのか、少なくとも数十年から、専門家にもわからないミステリーとなっている。

なんの植物なのか?根なのか茎なのか?それ以外か?

 インドの植物学者は、1980年代からこのラム・カンド・ムールに関心を寄せてきた。通りの屋台で、赤みを帯びた塊茎(植物の根や地下茎などの地下部が肥大化して養分を蓄えた器官)のようなものから紙のように薄くスライスして食べる。

 このスナックの起源を知ろうとしてきたが、どうにも釈然としない。屋台の売り手も、なんの植物から作られたものなのか誰も明かそうとせず、しかもそれぞれ言うことがまるで違う。

 植物の根だと言う者もいれば、茎だと言う者もいる。だが、ほとんどは答えを濁すか、第三者から仕入れているので、なにが材料なのか本当のところは知らないと言う。

 奇妙なことに、科学的に調べても、明確な答えは得られなかった。

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ラム・カンド・ムールにまつわる継承。で、そのお味は?

 一説によると、インド神話の英雄ラーマが、妻シータと弟ラクシュマナと共に追放され、森をさまよっていたときに、このラム・カンド・ムールを食べて、命をつないだという。

 これを食べると、暑い夏には体温が下がり、飢えや渇きを癒し、さまざまな病にも効くと売り子はいう。

 300キロもあると言われる塊茎から極薄にスライスして、チリペッパーや塩、ライムや砂糖など、さまざまな調味料をつけて食べる。

 ちなみに味の方は、キウイフルーツのように甘く、ラディッシュのようにしっとりとした食感で、後味も悪くないという。

 チーズのようにスライスして食べるそうで、値段は1つ5ルピー(およそ7円)ほどだという。

Ram Kand Mool Phal | Rare Fruit

ラム・カンド・ムールの謎を探れ!

 インドのジャーナリストでフードブロガーのバルタ・クマリは、植物学者がラム・カンド・ムールの謎に挑み始めてから現在に至るまで、この謎に取り組んでいる。

 1994年、民族植物学者のコップラ・ヘマドリ博士が、この食べ物の謎を解き明かそうと、インド
じゅうを駆け巡って、植物の根を掘り出しては調べまくり、いくらか研究は進展しているようだ。

 ヘマドリ博士は、原料はリュウゼツラン(アガベ)だと結論を出したが、これが正しい答えなのかどうか、揺るぎない証拠はまだ見つかっていないと本人も認めている。

 同じ頃、アリ・モウラリ博士は、ラム・カンド・ムールの屋台の売り子に1000~2000ルピー支払って、真相を聞き出そうとしていた。

 その男はしぶしぶと、リュウゼツランの繊維のことをさすKitta Naraをベースにしたものだと明かした。彼曰く、それは根ではなく、地上に伸びるものだという。

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リュウゼツランのDNAと一致。ようやく謎が解けたか?

 2010年、ついに念願の謎が解けた。植物学者たちがこの謎の塊茎のDNA検査をして、89%の割合でリュウゼツラン属のDNAと一致したのだ。

 これまで集めた証拠は、すべてリュウゼツランを示しており、研究者にとってこれは理にかなった結果だった。リュウゼツランは、アルカロイドをたくさん含んでいて、大量に摂取すると毒になる。そのため、薄いスライスでしか売らないのではないかと思われる。

 2011年、ラム・カンド・ムールの原料が、200種以上あるリュウゼツランの中から、アガベ・サイザルアサに絞られた。

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サイザルアサ photo by iStock

 葉を落としてみると、確かに屋台で売られているような大きくて白い塊茎があらわれる。この発見に関する論文が、同じ年に『Current Science』誌に掲載されたが、話はこれで終わりにはならなかった。

まだ特定はできていない

 リュウゼツランの種類はたくさんあり、どれもよく似ているため、このスナックの原料が本当はどれなのか、はっきりと特定できていない。

 サイザルアサか、アメリカーナか、それともほかの未知の種である可能性もある。

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リュウゼツラン属のアメリカーナ image credit:Stan Sheb WIKI commons

売り子がきちんと原料を示してくれるまでは、断定はできません。彼らはラム・カンド・ムールを謎めいたままにしておいて、好奇心を煽って売ろうというなかなかのやり手なのです

2011年の共同研究者、ヴィノド・B・シンペール博士は言う。

 ラム・カンド・ムールは、リュウゼツランではないと主張する者もいる。

 リュウゼツランを専門に研究するチェンナ・ケサヴァ・レディ・サンガティは、これはリュウゼツランから作られたものではないと断言する。

 このスナックの原料とされているものは、かなり甘くて、渋みもあり、繊維質が多くて噛みにくいが、スナックそのものは、滑らかな舌触りで、噛み心地も柔らかく、それほど甘みは強くないという。どうも、辻褄が合わない。

Kandmul | Ram Kand Mool Phal | Bhoochakra Gadda | Tasty Street Food

原料を秘密にするスタイルが商売のやり方

 ウィキペディアでは、ラム・カンド・ムールの原料として低木のMaerua oblongifoliaの根があげられているが、「この根は極秘のうちに店に持ち込まれ、どこで採取されたものか、どこで手に入れたのか、徹底的に秘密にされている」ことや、「植物学者の間では、これが本当にMaerua oblongifoliaであるかどうかも疑わしい」とされている。要は、誰も本当のことを知らないのだ。

 ラム・カンド・ムールの原料を秘密にしておくのは、商売上の大きな特徴だ。インド中西部マハラシュトラの森林局は、屋台の売り子の行動をひそかに監視しようとしたが、無駄骨に終わり、大量に商品を購入することも受け入れられなかった。

 塊茎の出どころについての本当の情報や接触先を明かすことは、タブーとされているようだ。

「ラム・カンド・ムールについて、誰に訊ねても、決してまともには答えてくれないだろう。これがこの商売のやり方なんだよ」ある売り子は語ったという。

References:Ram Kand Mool – The Mysterious Plant Snack That Has Intrigued Scientists For Decades / written by konohazuku / edited by parumo

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この記事へのコメント 45件

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  1. なんか千枚漬けみたいだね
    ちょうどこんな感じで大根を薄くスライスして塩ちょっと振って食べるとシンプルだけど美味しいよ
    オススメ

    • +21
    1. >>1
      美味しそうです。今度大根買ってきてやってみます♪

      • +2
  2. これに関しては秘密のままにしてくれた方が魅力的な食べ物に見えるので
    無理な詮索はしないでくれたまえ。

    • +16
    1. >>2
      いやいや。訳わからん食い物を口にしたくないでしょ💦
      特に今のコロナ禍のご時世に💦

      • -8
      1. ※30
        まぁ数十年間専門家にもわからないって事は、地元で数十年食べ続けられてるわけじゃん
        直近で実害が出てるのであればそんな長い事親しまれていないでしょう

        それにインドまで行って探して狙って買わないと食えないんだ
        日本で怯える必要はない

        • +7
  3. 学が無くとも強かなジモティーと翻弄される研究者。かわいい。

    • +22
  4. 原料が不明な食べ物を堂々と提供できる国って限られるよね。

    • +27
  5. そんな追求できないもんを露天で不特定多数に売るなんて
    さすがインドか中国かという感じ。世界は広いね

    • +25
  6. モロッコヨーグルトも原料知らずによく食ってたなぁ。

    • +11
    1. >>8
      自分も子供の頃食べていた。ショートニングに風味を着けただけだから今考えると恐ろしい。当時はショートニングがお菓子の材料としてスーパーで普通に売られていたからね。イメージが悪すぎて現在はショートニングから食用油脂と表記しているらしいけど…

      • +3
      1. ※24
        ショートニングなら今も普通に売ってるよ?

        • +2
      2. >>24
        乳化した油=旨い!
        まぁヨーグルはそんなうまいもんでもないけど

        • 評価
    2. >>8
      今なら植物油脂だって分かるけどな
      子供の頃に自分の食べてる物の原料が何かなんて考えなかった

      • +2
  7. 古くから飲まれていたリュウゼツランのどぶろくがあって
    そのどぶろくを使いスペインの蒸留技術よってテキーラが誕生したというあのリュウゼツランか!?

    • +5
  8. 広く知られてる食べ物なのに状態分からないって不思議
    不思議すぎて最初何言ってるのかよく分からなかった

    • +14
  9. 大きなヤマイモっぽい感じがした。
    アガベシロップって低GIで、砂糖の1.3倍の甘さがあって、血糖値が上がりにくいとかで凄い気になっていた。
    外国には珍しい食べ物があるけど、中身の色もオレンジ色をしたカボチャみたいなサツマイモもあるんだよね。
    栄養素もカロチンが豊富とかで、食べるべき野菜とされていて凄く食べてみたかった。
    誰か日本でも生産してくれないかな。

    • +2
  10. サムネがマジで太鼓にしか見えなくて、どこにスナックがあるん?って思っていた

    • +42
  11. 資源量は大丈夫なのかな これが原料植物の茎なり根なりのそのものとしたら 収穫するとその株はおしまいになりそうな気がして
    野生か栽培かも気になりますね

    • +8
    1. ※13
      インド産のサイザルアサは品質が悪くて繊維を取るのに向いてない。ってなんかで読んだ記憶があるから栽培モノだと思う。繊維の取れないサイザルアサなんてなんに使うんだと思ったら食べてたのね

      • +8
  12. リュウゼツランの世に知られていない種類が原料なのかもしれない。

    仮にリュウゼツランだったとすると、アルカロイドなどの成分の関係で妊婦は食べられない。
    また過食すると消火器の炎症や肝臓への障害が起こるそうだ。
    原材料が分からないと命にかかわることもあるので、そこは自己責任で試してくれ、としかいえない……。

    • +2
  13. なんか読み切りのホラーにありそうな展開だな
    秘密を探っていた博士が地下の栽培場で見たものとは……

    • +13
  14. サイザルアサは葉の繊維を麻紐のように加工して使って芯の部分は残るからそれを加工してるんじゃないかな
    加工方法がまだ秘密だけど

    • +4
  15. リュウゼツランて大きくなるのに時間がかかるんじゃ…
    カルチ培養は可能だろう、栽培してみては?(ホルモンも特定されてるから)

    • 評価
  16. 一本消費するのにそれなりの日数かかりそうだけど、日持ちするのかな。食べ切る前に腐っちゃわないんだろうか。
    それにしてもスライス上手。

    • +12
  17. ドキュメンタリーにして欲しいくらいの面白い話

    • +12
  18. ほんとは毒のある食べ物だから教えられないのかも。

    • +3
  19. 安易に探偵雇って出どころバラしたら植物学者さんにキレられそう

    • +1
  20. まるでウモッカみたいな話だな。
    あっちの方は現地の人がカレーの具に
    してるらしいが。

    • 評価
  21. ル・クルーゼにあるラムカンダムールかと一瞬

    • 評価
  22. こういう話がまだ現代にあったのか。
    ちょっとうれしくなった。

    • +10
  23. テテテテッ↑ テテテテッ↑ テテテテッ↓ テテテテッ↑ ドンツクドンツク マサラふぁっ

    • 評価
  24. きのこの山にもたけのこの里にもすぎの子にもチョコレートと小麦しか入ってないんですよ

    • 評価
  25. いっぺん食べて知的好奇心を満足させたい。
    正直、旨くなくてもいい。試しに食感を味わいたい

    • +4
  26. ロマン的な意味ではそのまま謎にしといて欲しいけど万が一長期的に食べると害がでるような毒があったりすると困るから難しいなあ

    • 評価
  27.  youtubeに アガペの中身 というのがありました
    なるほどパイン風のさらに中にこういう部分があるね 
     何の事象でも必ず自分の知ってる範囲で否定する「専門家」ていうのが出てくるけど、どの程度の専門家なのか?じゃあ真相を知ってんのか?を聞きたくなる
    まあニュースでも「関係者の証言」とかあるけどね

    • 評価
  28. え ついでに翻訳かけたら 「ラム 茎 オリジナル」 と出たよ。。。

    • 評価
  29. これがいつから売られているのか分からないが、
    もし、イギリスが支配していた頃には売っていたとするなら、
    こいつの調査をしなかったのは一番の失態だ。

    • -1
  30. 以前見たときは勝手にチーズだと思って見てた。
    これ以外に、結構ゴワゴワしてそうな葉っぱに駄菓子っぽい物をゴテゴテ乗せて
    最後に火をつけ客の口にねじ込むって言う謎のお菓子(?)も見たw
    謎が多くて最後はパニプリ動画を見て落ち着く

    • +2

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