生まれつき骨に疾患を持っていたケヅメリクガメは、11年間まともに歩くことができずに動物施設内で過ごしていた。だが、この亀を救いたいという女性が現れた。
女性は施設から亀を引き取ると、特別な歩行器をカスタマイズした。歩行器を装着した亀は、はじめの1歩を踏み出すと、そこから先は亀らしくゆっくりと前に進むことができるようになったのだ。
生まれつきの障がいで歩くことが困難だったカメ
テネシー州ノックスビルのエキゾチック動物施設にいたケヅメリクガメのジョージ・ベイリー(11歳)は、足の骨の発達を妨げる代謝性骨疾患で生まれ、これまで一度もまともに歩くことができなかった。亀などの爬虫類は、カルシウムとリンの不均衡や涼しい環境での結果により、代謝性骨疾患を抱えて生まれる可能性があるという。
動物施設にいたジョージ・ベイリーの動きを見たジェイミー・レーベナーさんは、今はまだ後ろ脚をひきずることでなんとか動けているが、年を取るにつれて全く動けなくなることを懸念した。
そこで、なんとかしてジョージ・ベイリーの歩行を可能にしてやりたいと施設から引き取ったのだ。
亀のために特別な歩行器をカスタマイズ
その後、ジェイミーさんはニューハンプシャー州アマーストに拠点を置く『Walkin’ Pet』に問い合わせ、ジョージ・ベイリーのための歩行器作成を依頼した。Walkin’ Petは、個々の動物にカスタマイズした歩行補助装置の設計を専門とする業者である。主に犬や猫用のものを作っているが、過去にも交通事故で後ろ脚が麻痺してしまった亀のスクート・リーヴスに歩行器を作成した経験もある。
Walkin’ Petは、ジョージ・ベイリーのための歩行器の作成を引き受けてくれた。
亀の殻の自然の輪郭に対応する凸上のサポート構造をデザインし、成長に合わせて拡張するよう伸縮性のあるハーネス装置を歩行器に取り付けた。
そのおかげで、ついにジョージ・ベイリーは11年目にして初めて、前に1歩を踏み出すことが叶ったのだ。
Giant Tortoise in Wheelchair - Before & After Video!
これからは思う存分動けるように
現在、ジョージ・ベイリーは体重が32kgだが、ケヅメリクガメは成長すると最大90kg近くにまでなり、最長100年も生きることができるという。まだ11歳のジョージ・ベイリーにとっては、今まさに成長中であるため、このカスタマイズされた歩行器は、今後の長い年月を生きていく彼にとって大きな助けになる。
ジョージ・ベイリーが初めての1歩を踏み出した動画がシェアされると、多くのユーザーらから感動の声が寄せられた。
このケヅメリクガメの名はアメリカ映画『素晴らしき哉、人生!』(1946年)の主人公「ジョージ・ベイリー」の名にちなんだものだ。映画のように、これから素晴らしい亀生になることを皆が祈っている。Introducing the FIRST-EVER giant tortoise in the Walkin' Wheels, taking his very first steps!!! 😍😍😍 We are so happy to have helped such a special soul. pic.twitter.com/CvVzeZZFCV
— Walkin' Pets (@WalkinPets) June 2, 2021
Top image:walkinpets/Instargam / References:Simple Most / written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
そうそう、カメの人生は長い。
歩けるかどうかはデカいよ。
2. 匿名処理班
『後ろ脚をひきづる』じゃなくて、
『ひきずる』じゃないかな?
3. 匿名処理班
キャンピングカーみたいと言わざるを得ない…
4. 匿名処理班
残り90年近く生きるであろう、障害もちの亀を引きとるって凄いな…。
90kg近くにも成長するんだし、世話も大変だ。余裕がなければとてもできない。
5. 匿名処理班
こんくらいの大きさならスケボーにのっけてやったんでもあんまり変わらないような
スケボーはいろんな身体障害動物に使える万能いざり車
(´・ω・`)
6. 匿名処理班
※2
ここのブログのタイトルも1920年頃までは
カラパイア ではなく ヤイパラカ(カラパイヤ)
表記だったからね…。古参読者はしってると思うけど。
7. 匿名処理班
青いハーネスがクララを連想した
「クララが這った!」
8. 匿名処理班
まだ寿命が90年近くあるなら、歩行器もどんどん進化して最終的に凄いことになってそう
9. 匿名処理班
代謝性骨疾患ってことだから要するに骨形成がうまくいかなくって骨がもろくすぐ骨折する病気だよね
たぶん後ろ足は骨折が重なって関節がおかしくなってて動かないんだと思われ
とすると、これは根本的な解決にはなってないんじゃ
亀の場合は甲羅で守られてるから体の骨は大丈夫だろうけど、成長して体重が増すといま移動に使ってる前足も骨折する可能性が高いかと
前足の負担を軽減する機構をなにか考えたほうがいいのでは
10. 匿名処理班
※6
>ここのブログのタイトルも1920年頃までは
ごめん、生まれてないや。
11. 匿名処理班
多分あと50年もしないうちにこのジョーン・ベイリー氏の意思で自由に動けるドローンが開発されるでしょう(^^)
12. 匿名処理班
>>9
そうなると怖そう
良い解決法ご存知なら上記のアカウントに教えてあげて
13. 匿名処理班
今後カスタムされて利便性が上がる可能性あるしな
14. 匿名処理班
チャリオットタートル
まさかポルナレフ!?
15. 匿名処理班
似た様な施術で歩けるようになった小型の亀がいたなと思って検索してみたら去年に亡くなってた
短い期間とは言え自由に動き回る事が出来て幸せだっただろうと思いたい
16. 匿名処理班
前も前足を動かして進もうという意思はあったみたいだから、やっぱちゃんと進めるのは嬉しいんだろうな
人間から見ていくら亀の遅速であっても
17. 匿名処理班
ジョージ・ベイリーとかスクート・リーヴスとかいかした名前つけてやがんな
18. 匿名処理班
何だっけ、アポロだっけ?
「偉大なる一歩」っていう
19. 匿名処理班
こんなでっかいタイヤを横にはみ出さなくても、腹の下に台車みたいなのをおいた方がよっぽどよさそうなんだけど
20. 匿名処理班
これ定期的にメンテしないとカビそうだな