メインコンテンツにスキップ

カリブの海賊の根城から古代エジプトの港町まで、世界8の水没都市

記事の本文にスキップ

16件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 水は人類が文明を営む上でも重要な資源だ。水路としての利用価値もあるため、海岸や川沿いには歴史的に重要な都市がいくつも存在する。

 しかしときに自然は人間に牙をむく。津波や嵐、洪水などの水の襲撃がはじまれば、いかに栄えた都市であってもあっけなく水没してしまうこともある。

 水の中を覗いてみれば、失われた文明が今も当時の姿を残したまま佇んでいる。ここでは歴史に刻まれた、世界の水没都市と見ていこう。

1. 千鳥湖(中国):1959年水没

 浙江省の渓谷にある千鳥湖は、ダムを建設するためつくられた人造湖だ。その湖底には「賀城」と「獅城」という2つの城郭都市が沈んでいる。

 前者は紀元前208年までさかのぼり、後者は621年に県都として栄えた古い都市である。しばらく忘れ去られていたが、2001年に行われた潜水調査で再発見。以来「中国のアトランティス」と呼ばれている。

 保存状態は良好で、龍・鳳凰・獅子といった繊細な彫り物が彫られた木製アーチや寺院・仏塔などが見つかっており、その時が止まったかのような姿が古代中国の建築デザインを今に伝えている。

2. セフティンゲ(オランダ):1584年水没

 現在は湿地でしかないセフティンゲだが、かつてはとても豊かな村だった。13世紀、肥沃な大地を得るために沼地の干拓が行われ、さらに堤防もつくられた。

 しかし1570年に発生したオールセインツの洪水で大部分が水没すると、さらに1584年の八十年戦争によってとどめを刺された。スペインからの独立を求めて戦ったオランダ兵たちが、アントワープを守る最中に堤防を破壊してしまったのだ。

 一方、地元の伝承では、洪水はセフティンゲに囚われていた人魚の怒りに触れたことが原因だと伝えられている。今日、村は土砂におおわれており、そこから当時の大修道院のものとされるレンガが発掘されている。

3. ポート・ロイヤル(ジャマイカ):1692年6月7日水没

 カリブの海賊たちの根城だったポート・ロイヤルは、かつて地上で最悪の場所として知られていたという。

 しかし1692年の地震と津波によって、街の3分の2が波にさらわれてしまった。2000棟ものレンガ造りの建物が流され、地震と津波による直接の犠牲者は住人6500人中2000人。さらに怪我や病気で3000人が亡くなったという。

4. ラングホルト(ドイツ):1362年1月16日水没

 ラングホルトは、単なる伝説と考えられていたこともあり、正確な場所も不明なままだ。しかしワッデン海から遺物や耕作した痕跡が発見されており、そのあたりの交易港だったらしいことが示唆されている。

 そんな港町は聖マルケルスの洪水によって沈んだと考えられている。北海で発生した台風による高潮は、イギリス諸島、オランダ、ドイツとデンマーク北部に壊滅的な被害をもたらし、その死者は数千人にのぼったという。

5. アトリットヤム(イスラエル):紀元前6300年頃水没

 1984年、地中海の難破船を調査していたグループによって、新石器時代の村が発見された。8~12メートルの海底に8000年間沈んでいたその村は、既知のものとしては最古の水没都市だと考えられている。

 炉辺のある長方形の家や空積みの井戸などが発見されているが、もっとも興味深いのはストーンヘンジにも似た遺跡だ。

 それは泉の周囲に設置されていた各々が600キロにもなる7つの巨石構造だ。また墓地や人間の遺骨も発掘されている。水没の原因は津波である可能性が高いという。

6. バイア(イタリア):16世紀水没

 かつてローマの人々を癒した温泉街だったが、地下の圧力によって地面が隆起・沈下し、今ではそのほとんどが海の下に沈んでしまっている。

 特に注目すべきは、ガイウス・カルプルニウス・ピソの領地で、ピソの陰謀(皇帝ネロの暗殺計画)の舞台だったと考えられる「ピソの村」と、石像で飾られた皇帝クラウディウスの「ニンファエウム」(ニンフを祭る神殿)だ。

 往時にはユリウス・カエサル、ハドリアヌス、セプティミウス・セウェルス、グナエウス・ポンペイウスといったローマの権力者たちも訪れたようだ。

7. パブロペトリ(ギリシャ):紀元前1000年頃水没

 1967年に発見されたパブロペトリの遺跡は、建物や土器の分析から5000年前のものであることが明らかになっている。

 街の成立から2000年が経過した頃、おそらくは地震によって水没した可能性が高い。保存状態は完璧で、水面から4メートル下に時間によって侵食された通り・建物・墓などを見ることができる。これまで特定された建物は15棟以上ある。

8. ヘラクレイオン(エジプト):6~7世紀水没

 ナイル・デルタにある古代都市アレクサンドリア、その北西にヘラクレイオン(トロニスとも)は沈んでいる。

 港町として栄えたが、地震によって地盤が緩み、やがて海底に没した。さまざまな遺物が発掘されているが、中でも6トンにもなるナイル川の神「ハピの石像」がもっとも重要な発見とされている。

Top image:photo by Pixabay /References:Sunken cities: Discover real-life ‘Atlantis’ settlements hidden beneath the waves | Live Science/ written by hiroching / edited by parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 16件

コメントを書く

  1. すげ~っ とか見ていたけどお台場あたりも分からんよ?この温暖化じゃ

    • +1
  2. なぜ皇帝ネロって書いたあとに皇帝クラウディウスって誤解を招きそうな書き方なんじゃろか。
    両方ネロで良くないか。

    • +1
    1. ※2
      皇帝クラウディウスは、第4代(在位41~54年)
      ティベリウス・クラウディウス・ネロ・カエサル・ドルスス、
      皇帝ネロは、第5代(在位54~68年)
      ネロ・クラウディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクス
      ではないの?

      • +1
  3. 水温が低くて藻が繁殖しにくい、生物も少ないところの方が遺跡は盗掘もされないし崩落もしないから現状を保ちやすいみたいね

    • +2
    1. >>4
      まー1000万年くらい前は埼玉海没してたからねー

      • +7
    2. ※4
      通称「水没ペンション村」というのを見に行ったことがあるよ。

      バブルの頃、干拓地にペンション群やレストランを建ててたのが、
      バブル崩壊でリゾート業者に放棄され
      排水設備を稼働させなくなったため浅瀬に戻った、
      って感じのショボい経緯の場所だけど。

      水没という程の深さでもなくて、床上浸水ぐらいで
      池みたいな中にペンション跡が点在するという、微妙な浸かり方。

      • +1
  4. 琵琶湖湖底遺跡(日本)
    琵琶湖の湖底には集落の遺物が100以上確認されている。時代は縄文時代から江戸時代までさまざまで、うち12箇所に「地震で突然沈んだ」という伝承が残されている。液状化現象に伴う地滑りと考えられている。
    三ツ矢千軒遺跡は1662年に地震で水没したと思われ、石材の基礎などが見つかっている。
    西浜千軒遺跡は2011年に仏塔や石仏の一部などが発見された。1586年に地震で水没したと考えられる。
    2014年には長浜市沖で柱や石積みなど建物の遺物が初めて発見された。1819年に地震で沈んだと考えられている。

    • +9
  5. キルギスドンの住まう湖イシククル湖もそうか

    • 評価
  6. 最近やったゲームのせいで、水没した都市に神話生物の幻を見そう。それでもワクワクが止まらないんだが。

    • +1
  7. 大陸プレートの沈み込みで巻き込まれる海水はどこへ行くんだろう?
    と、ふと思っただけ

    • 評価
    1. ※12
      有馬温泉の水源は南海トラフに沈んだ海水だそうだ。

      • 評価
  8. 3の動画に葵の紋が入った日本刀が出てくるね。象牙の鞘と柄という美術品としてのものだけど

    • 評価
  9. 与那国島の近くの海底にあるアレは遺跡なのかな?

    人好物じゃなく自然が作り上げたものだという説もあるけど、
    古代の与那国の神殿であって欲しいなあ☆

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

自然・廃墟・宇宙

自然・廃墟・宇宙についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

動画

動画についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。