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地球の内核に異変。西側と東側で偏って成長していることが判明

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(著) (編集)

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 地球は生きている。地球内部は球状の層が幾重にも積み重なった構造となっているが、最も中心にある「内核」は少しずつ鉄が固まりながら成長している。

 だがその成長には偏りがあるようだ。新たな研究によると、西側よりも東側の方が速い速度で成長しているという。

地震波の移動速度が方向によって異なる謎

 鉄の内核が成長するのは、外核に含まれる溶けた鉄が徐々に冷えて結晶になるからだ。奇妙なことに、鉄の結晶は地球の自転軸に沿ってできる傾向があり、特に地球の東側よりも西側でその傾向が強いことが知られていた。

 その証拠は、地球内部を伝わる地震波の速度に違いがあることだ。これまでの計測から、赤道方向に伝わる地震波よりも、南北方向に伝わる地震波の方が速いことがわかっている。

 そしてその原因は、鉄結晶の長軸の向きが地球の自転軸に沿う傾向にあることだとされてきた。なぜそのような向きの偏りが生じるのか?

  その理由を説明するために、米カリフォルニア大学バークレー校をはじめとするグループは、地球力学と鉱物物理学をベースにしたコンピューターシミュレーションで、内核の結晶の成長を検証した。

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米カリフォルニア大学バークレー校などのグループの仮説によれば、内核の成長は西側よりも東側(図の左側)の方が速い。非対称的な成長は、重力が鉄結晶を南北に押し出すことで均質化される(矢印)。これによって、鉄結晶の長軸は地球の自転軸(破線)に沿う。地震波の移動速度に違いが出るのもこのためであるそうだ(Marine Lasbleis)

東側と西側で内核の成長が偏っていた

 その結果、内核の東側(インドネシアの地下)では西側(ブラジルの地下)よりも60%鉄結晶の成長が速いと想定すると、これまで観測されてきた地震波の速度の違いをうまく説明できることが判明したそうだ。

 新たに成長した部分は、重力によって均等になさらされる。そのため結局内核は球状を保ちつつ、毎年1ミリずつ大きくなる。

 しかし、結晶が形成される速度に偏りがあるということは、内核から外核へと伝わっている熱が、インドネシアの地下ではブラジル側よりも冷えやすいということだ。そのために鉄の結晶化が促進され、成長に偏りが生まれる。

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溶鉄でできた外核(オレンジ)が冷えて固まることで、固体の内核(赤)が徐々に成長する。南北を伝わる地震波(青の矢印)が東西(緑の矢印)よりも速く伝わるのは、鉄結晶が自転軸と平行に並ぶ傾向にあるからだと研究グループは主張している(Daniel Frost)

内核の誕生よりも地磁気の誕生が先だった

 このことは地球の地磁気について示唆に富んでいる。

 地磁気は地上で暮らす私たちを太陽から降り注ぐ危険な粒子から守ってくれている。今これが生じているのは、内核から放出される熱によって外核で対流が起き、ダイナモとして機能するようになるからだ。

 その地磁気が地球に発生したのは今から30億年前のことだと考えられている。ところが固体の内核が誕生したのは10億年から15億年前とされている。つまり内核がまだない頃からすでに外核で対流が起きていたということになる。

 では最初の地磁気を生み出した対流はどうやって生じていたのか? それは今日のように鉄の結晶から放出された熱ではなく、鉄から分離した軽い元素から放出された熱によるものだと考えられるそうだ。

 この研究は『Nature Geoscience』(6月3日付)に掲載された。

Top image:photo by iStock /References:Is Earth’s core lopsided? Strange goings-on in our planet’s interior. | Berkeley News/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 25件

コメントを書く

  1. 人類は一部の権力者、資産家の保身によって優れた技術が潰され宇宙進出も進まないまま全滅するのだろうか?
    50年以上照らし続ける事のできる白熱級、高効率大容量蓄電の技術などなど幾多の優れた技術は闇に葬り去られている訳でしょう
    そんな事していたら本気で地球、太陽と心中する事になるよね

    • -14
    1. ※3
      すげえ!!
      蛍光灯もLEDもリチウムイオン電池も発明されなかった世界線からの書き込みだっ!!

      • +1
      1. ※8
        LEDの寿命は10年程度、「高効率大容量蓄電」は定義が明確じゃないからリチウムイオン電池以上のものを言ってるかもしれない。まったく反論になってない。
        こういうのは反論しようとせずに「何いってんだこいつ根拠出せ」で良いんだよ

        • 評価
    2. >>3
      ってか放射線の問題が解決できるまでは宇宙進出無理なんだわ
      火星までの往復で放射線の生涯被曝上限超える可能性あるし、太陽系を出るなんて夢のまた夢

      • +1
  2. となると、地表での重力の強さにも影響がでるわけですね。どうりで最近よく転ぶわけだ

    • +4
  3. 素晴らしい発見だ。息子スティックの偏りの解明に繋がるかもしれない。

    • +3
  4. ありがとうございます!生まれた時から感じてた違和感が解消されました!

    • -3
    1. >>7
      本初子午線(グリニッジ天文台あたりを通ってるアレ)と180度経線(フィジー)のラインで東西に分けてる
      グリニッジ天文台あたりより東が東半球で西が西半球
      アメリカは西半球で日本は東半球にある
      東西って自分基準な感じがするからなんか違和感あるよな

      • +7
      1. ※11
        ありがとう、よくわかる解説でした。
        まぁ便宜的にそういう風に分けないと訳が分からなくなるからというのも理解できるけど、違和感はぬぐえないかな。

        ※16
        バケツの中で水が回転すると水自体は外側に振られるけど、砂とか重いものは中心に残るように思えるんだけどどうしてかな。今回の話はそっちに近いと思いました。

        ジャイアントインパクトの溶け残りとか、パンゲア大陸が分裂する原因になったマントル対流の不均一問題の原因ではないかとも想像してます。
        今後の研究に期待ですわ。

        • +1
  5. 内角低めに球が集まるのはこれが原因だったか

    • 評価
  6. 回転してる球体の中心が遠心力で外側に移動していくのは当たり前すぎる話では。
    ただでさえ地球のコアは月に引っ張られているわけだし。

    • 評価
  7. やはり西側諸国は成長が遅れているようです、同志スターリン

    • +4
    1. ※18
      そう言う言い回しは、たぶんフルシチョフだね。

      • 評価
    2. ※18
      はい!我々東側諸国は崖っぷちの西側に対して常に一歩先を進んでおります!

      • +1
  8. 素人だし詳細も理屈も良く分からないんだが、地球くらいのでかくて重くて回転してる物体が偏芯でもしようもんなら大暴れして大変な事になるんじゃないのかって不安。

    • 評価
    1. ※24
      私も別に玄人でもないが、
      考えるに、
      回転軸のシャフトが南北を貫いてフレームに収まっているわけでもない、宇宙空間にぽっかり浮かぶ我らが地球の自転は、
      物理学の示すところによれば常に重心(=芯)を真ん中に回転するわけだから、
      振動モーターみたいなことにはならんのではないかな。

      • 評価

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