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45億年前の隕石に謎の金属物質が含まれていた

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photo by Pixabay
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 イギリスの隕石コレクターであり「Spacerocks UK」という隕石専門店を運営し、「Spacerocks」の著者でもあるデビッド・ブライアント氏は、昨年少々変わった隕石を入手したという。

 それは2020年4月17日のことだ。その日、彼は仕入れた隕石の小包を受け取った。中には「NWA 869」という「コンドライト(球粒隕石)」が20個入っていた。

 コンドライトは45億年前に形成された初期太陽系に形成された原初の岩石で、ごく一般に販売されているものだが、そのうちの1つに一般に隕石には含まれていない謎の金属物質が含まれていたという。

太陽系の惑星が誕生するまで

 今から50億年前、「原始太陽系星雲」というガスや塵の雲が収縮し、「太陽系」の成長が始まった。

 最初にできた固体の天体は「コンドルール」という数ミリしかない球状の粒だ。これらは数百万年をかけて互いにくっつき、どんどん大きな塊に成長。衝突を繰り返して「微惑星」となり、45億年前に太陽系を構成する8つの惑星が誕生した。

 8つの惑星の軌道の間には、天然のデブリがたくさん浮遊しているが(特に火星と木星の間の「小惑星帯」が有名)、これらはごく初期の太陽系の名残だ。今でもときどき衝突し、岩石や金属の粒を飛ばす。

 たまたまその先に地球があれば、大気との摩擦によって6000度まで発熱する。夜ならば、地上からは流れ星として見えるだろう。もし流れ星が十分に大きければ、燃え尽きることなく地上に落下する。それがいわゆる「隕石」だ。

 冒頭で述べた「コンドライト」はこの隕石の一種だ。

 45億年前に形成された初期太陽系に形成された原初の岩石で、先述したコンドルールを含んでいることも多い。

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コンドライト隕石 photo by iStock

北西アフリカで発見された隕石

 一般に隕石の名称は発見された場所にちなむものになる。たとえば米アリゾナ州バリンジャー・クレーターで発見されたものは、周辺のディアブロ渓谷にちなみ「キャニオン・ディアブロ隕鉄」と呼ばれる。ロシアのシホテアリニ山脈に落下したものは「シホテアリニ隕石」と呼ばれる。

 ブライアント氏が入手した「NWA 869」は、モロッコ・アルジェリアの国境付近で回収された石質隕石で、869番目に発見された北西アフリカ(North West Africa)の飛散地域で見つかったことでこの名がついた。

 NWA 869は通販サイトAmazonでも2500円くらいで売買されており、コレクターに人気が高い。

 NWA 869が人気なのは、大きな天体が爆発してできた欠片ではなく、小さくても完全な標本であるからだ。その多くは表面が溶けており、青みをおびた灰色。形状は落下してきたときの「向き」を反映している。

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credit:Amazonで販売中のNWA 869

NWA 869に含まれていた謎の金属

 標本を処理していたブライアント氏は、NWA 869の1つに金属の光沢があることに気がついたという。だが特に珍しいことではない。コンドライトならニッケルと鉄を含んでいるからだ。

 だが問題のNWA 869は普通と違った。金属らしき部分は、直径6ミリほどの筒のような形をしており、まるで隕石から流れ出たかのように表面から突き出ていた。

 また筒の表面には小さなクレーターらしきものもあった。これは隕鉄や宇宙から帰還した宇宙船にはよくある特徴であるという。

 好奇心をくすぐられたブライアント氏は、イースト・アングリア大学の研究者に連絡し、検査を依頼。その結果、筒の部分は一般に隕石に含まれている副成分とは違うことが判明し、さらに詳しい分析が行われることになったそうだ。

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ブライアント氏が注目する謎の金属が含まれた隕石NWA 869
(Image credit:David Bryant / Spacerocks)

前世代の惑星が起源なのか?

 ブライアント氏によれば、その筒状の物体は、NWA 869が地球の大気に突入したときに融合したものであることは間違いないという。そして隕石自体は太陽系の惑星が誕生する数百万年前に形成されたものだ。ここまではいい。

 問題は、それが原始太陽系星雲に入り込む前はどこにあったのかということだ。そして同氏の見解では、「種族II」の星を周回していた惑星が起源である可能性はかなり現実的なものであるという。

 この宇宙でもっとも古い星のグループを種族IIIという。これらの星の中心はいくつかの水素よりも重い元素の起源でもある。種族IIIでも大きな星は、やがて水素を使い果たすと超新星爆発を起こし、そうした重い元素や塵・ガスを放出した。

 それらが再び収縮し、100億~150億年前に形成されたのが種族IIの星々だ。前世代と同様、大きな部類のものはやがて超新星爆発を起こし、種族Iの星々の材料をまき散らした。私たちが暮らす太陽系は、このもっとも若いグループに属している。

 もしブライアント氏が発見した物質が本当に種族IIの惑星が起源なら、私たちは地球や太陽よりもずっと昔の過去を目にしているということになる。

References:45億年前の隕石内部で発見された異常な金属物体 | 古代の起源/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 18件

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  1. 本当に種族IIなら、イギリス政府動く可能性がある

    • 評価
  2. 軍事利用の可能性もあるから結構いろいろと話題性が高い

    • -3
  3. コレクターであり、更に熱心な研究者じゃないと分からない世界ですね。

    • +4
  4. 隕石系って割と希少性が高くて量産に向かないのと、変な付属価値がついてるから中々物質としての研究はされないよな。
    量子コンピュータに最適な素材です!みたいな発見でもありゃいいのに。

    • 評価
  5. 知ってるよ
    映画で見たもん。

    クリプトナイトだろ。

    • -2
  6. オリハルコン
    アダマンタイト
    ヒヒイロカネ
    どれかだとオモロイんやけど…

    • -3
  7. 金属ができるためには超新星爆発が2回以上必要
    近接した太陽系外の宙域で超新星爆発が2回以上発生し飛来したか
    太陽系宙域で2回以上の超新星爆発が発生したか?
    のどちらかじゃないの?

    • -3
  8. 地球を含む太陽系は第三世代だそうだから、前世代の遺物ってところにとても興味があります。考えてみれば第一世代の物質だってあるでしょうけど、第二世代よりずっと少ないし、第二世代の物質を調べると第一世代の様子も想像しやすいのかな。

    やっぱり、第二世代だと鉄より重い金属類(金等を含む)はずっと少ないんでしょうね。

    • 評価
  9. スケベ過ぎて淫石って呼ばれてた石田、元気かな

    • -7
    1. ※13
      腎臓結石でなくて
      助兵衛石が出てくる奴か。

      • -2
  10. 恒星内の通常の核融合で生成されるのは鉄まで。それより重い元素だと超新星爆発だの、中性子星同士の衝突だのといった過程で、元素へ中性子を余計に取り込む必要があると言われている。
    太陽が3世代目だとされるのは、種族IIIの恒星は大質量のため寿命が短く(1憶年足らずとも)太陽ができるまで間があるから。

    • 評価
  11. こういうので武器を作ると特殊な力を持つんでしょ?

    • -3
  12. 解析の結果、特定元素の含有率異常が見つかった。
    実は第二世代文明の存在の証拠だったのだ!
    っていう妄想

    • 評価
  13. 「宇宙から地球に降りかかる塵 スターダストは、1年で100トン以上ある」って海外番組で目にして、意外と宇宙からの飛来物って身近にあるんだなと知った

    • 評価

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