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心身の状態は朝起きてから寝るまで一定しているわけではなく、バイオリズムというものがあると言われている。体調にもよるし、人にもよるだろうが、仕事がサクサクと進み、自分の能力を最大限に発揮できる時間帯があるようだ。
一般的に、創造力を最大限に発揮したいなら朝が最適と言われている。実際、独創的な仕事をするために早朝から仕事を始めるというクリエーターもいるようで、例えば作家の村上春樹は朝4時に起きて、午前中に仕事をしているという。
だが朝はどうにも苦手という人だっているだろう。そんな夜型人間はクリエイティブな仕事を諦めねばならないのだろうか?
そんなことはない。『Academy of Management Journal』(20年12月22日付)に掲載された研究によると、創造力を発揮してオリジナリティ溢れる仕事をするために大事なことは、いつやるかよりも、むしろ自分にあった時間にやることであるそうだ。
創造力が増す時間帯を調査
オーストリア、ウィーン大学をはじめとする研究グループは、人間が1日のうちで一番クリエイティブになれる時間帯を明らかにすべく、いくつかの調査を行った。たとえばある調査では、朝か夜になったら被験者にレンガや新聞紙といった物を提示して、できるだけたくさんの使い途を考えてもらった。
また別の調査では建築家・デザイナー・芸術家・ディレクターといった創造性が鍵を握る仕事をしている人たちに、1日の各時間でどれだけクリエイティブな仕事をしていたか質問した。
このとき、被験者には日頃の睡眠のパターンや、自分が朝型か夜型のどちらだと思うかなども質問し、調査結果とあわせて創造性がもっとも発揮される時間帯について分析された。
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朝型なら朝、夜型なら夜に創造力が最大限に発揮される
その結果、よく言われるように創造性が最大限に発揮されるのは朝。ということはなかったようだ。むしろそれはその人の生活スタイルによって変化したのだ。
自分を朝型人間と思っている人ならば、朝に最高のパフォーマンスを発揮したし、夜型人間と思っている人ならば、そのピークに達するのは勤務時間の終わり頃だった。
もっともクリエイティブになれる時間が人によって違うのはなぜなのだろうか? その理由はもしかしたら自分自身に対する評価と関係があるのかもしれない。
自分がある状況において必要な行動をうまく遂行できると自分の可能性を認知していることを、心理学の用語で「自己効力感」という。この自己効力感が高い人は、ただそう感じているだけではなく、実際にそれをやってのける傾向にある。
研究グループによれば、創造性にも自己効力感というものがあり、それは状況や環境によって変化する。
たとえば人によっては、仲間と一緒にいるときは独創的なアイデアがどんどん湧いてくるが、上司がいるとダメだと感じている人もいるだろう。
それと同様に、創造的な自己効力感は、1日のうちの時間帯によっても変化するのかもしれない。
自分は夜のほうが調子がいいのだと感じている人は、夜になれば自信をもってクリエイティブな作業に取り組むことができる。だから、夜のほうが創造力を発揮しやすい。朝型の人はその逆だ。
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創造力を発揮するヒント
この研究からわかるのは、創造性を上手に発揮するには、自分が朝型なのか夜型なのかきちんと把握するのが大切ということだ。ただし、それはきちっと明確に区分できるものではなく、むしろ連続的なものだ。ほとんどの人は完全なまでの朝型(あるいは夜型)ということはなく、より朝型(あるいは夜型)寄りという感じになる。
そして自分のタイプを踏まえた上で、クリエイティブになれる時間に仕事を行えばいい。マネージャーの立場にある人ならば、部下のタイプを把握して、仕事を割り振ってやるのがいいだろう。
ところで騙されたと思って試してほしいのが、眉毛を上げて、左手を握りしめる方法だ。これで創造力が少しアップするかもしれない。
References:When Is Your Creativity Greatest? | Psychology Today South Africa/ written by hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
開く前ぼく「どうせ早朝とかなんでしょ」
>朝型なら朝、夜型なら夜
ぼく「なんだい!」
2. 匿名処理班
自分は夜中だなぁ
暗くなって外からの情報が減るってのも大きいかと
3. 匿名処理班
朝か夜かより起きてから数時間の内が一番集中できるかな
4. 匿名処理班
大体夜10時くらいから本気出してた
夕方帰宅して風呂と飯終わってテンション上がってくるのが
ちょうどそれ位の時間
8時9時は風呂上がりでだらだらしてる
5. 匿名処理班
夜中は「夜中のラブレター」というワナがあって
夜中に完成させた最高傑作は朝起きて改めて見ると
クッソ恥ずかしい完成度だったりするのな。
6. 匿名処理班
朝型の人が朝に、夜型の人が夜に活動するのは普通じゃない?
7. 匿名処理班
もちろん効率を求めるのは理想的だがやらなければならない時にはいやがおうにもやらなければならない
睡眠を削る事にならないように作業は計画的に進めたいものだね
8. 匿名処理班
多くの人が夜型になってしまった原因を考えてみて、思い当たるのが「学校が強権的でとてもつまらなかった」ということ。
大抵の人は放課後にテンション上がる。そんなことを何年も繰り返してればそりゃ夜型人間量産されるよな。
テストとかも放課後の使い方で決まると言っていいし。結局夜中の作業を幼いうちから強制されてるようなものかも。
もし学校自体がクリエイティブな学習環境だったらと思うと、、。
朝方人間には3人くらいしか会ったことない。
9.
10. 匿名処理班
仕事中にいらん事考えてる時の方がよっぽどクリエイティブだな!
で、夜にしようと思っても全然やる気が出ないの。
日中とか夜間とかじゃなくて、仕事中なのよ!
であるからして、仕事中に仕事に関係のないクリエイティブな事をすればよろしい!
11. 匿名処理班
学校に限らず一日のルーティンから解放された自由さは影響あると思う
ズルズル夜中までやっちゃってそのまま創作のリズムとして定着しちゃう
逆に朝型の人は朝に時間がとれてやってたタイプが多いんじゃないかな
さすがに仕事でやるようになってからは切り替えるようにしてるけど
自分の調子いい時間を無駄にしない意識は大事だよね
ダメな時は全部放り投げて休むぐらいの図太さも必要
12. 匿名処理班
能力が最大限発揮されるのは「休みの日」
13. 匿名処理班
1日が1サイクルとイコールではない自覚があるので自律神経なんとかかもしれない
14. 匿名処理班
>朝型なら朝、夜型なら夜
知ってた
15. 匿名処理班
研究してわかったことは、結局『人による』ってことだけやんけ
16.
17. 匿名処理班
※15
それが重要でしょ。
当たり前のことが実際にそうだとわかるのは大事。
朝が調子良いっぽいから、みんな朝に重要なことしろなんてアホな命令も否定できる。