
イスラエルの都市ハイファでは近年、野生のイノシシが増加の一途をたどっており、奈良の鹿さながらに街をうろつくイノシシたちがごみや田畑を荒らすといった被害が絶えなくなった。
イスラエルは動物愛護を推奨している国であり、野生動物の駆除は禁止されているものの、イノシシは猪突猛進というくらいで共存はなかなか難しいだろう。
現地では、イノシシの駆除を望む市民とその求めに応じない当局の間で緊張が高まり、さらに一部ではイノシシに愛着をもつ人と追い払いたい人との間で軋轢が生じるなど、事態はより複雑化している。
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Israel: Wild boars reclaim the streets of Haifa as residents remain home
都市をわがもの顔で闊歩。街中で好き放題の野生のイノシシ
本来は野山で暮らすはずなのに都市に居ついて増えるイノシシ。この事態に頭を抱えるハイファの人々はイノシシ対策にゴミ箱に鎖をつけ、公園などに囲いを設置している。だがその効果は微々たるもの。ほとんどの個体がお構いなしで好き放題にうろついては雑草や畑の野菜をおいしくいただいてるのだ。

子どもが噛みつかれた事例も
市民の中にはイノシシと散歩したり、イノシシウオッチングを楽しむ者もいる。だが野生のイノシシは人間に脅威をもたらすだけでなく病気を広める恐れもある危険な動物だ。ウリ坊時代は確かにとってもかわいいが、鋭い牙やけた外れの突進力を備えた成獣相手に重傷を負う恐れもある。
実際、体重140キロ近くのイノシシ(主に育児中のメス)に追いかけられたり、人間の子どもが噛みつかれた事例もあり、ふとした拍子に襲われればただでは済まないだろう。
こうしたことから現地では「イノシシたちが通りを占領してるんだ。ありえない事態だよ」と、生活を脅かすイノシシの駆除を望む声も根強いようだ。
火災で行き場を失い、食べ物がある都市を住処に
にしても基本的に警戒心が強く、人間を避けるといわれる野生のイノシシがなぜ都市にきたのだろう?そのきっかけは大規模な火災といわれている。火災で本来の生息地を失ったイノシシたちがハイファを訪れるようになり、2016年頃からしだいに数を増したという。
かくしてイノシシがいたるところにいる暮らしを余儀なくされた住民からは、駆除をしない当局の責任を問う者も現れ、不満が爆発しかねない状況だ。
また一部では、2018年にハイファ市長に就任したエナート・カリッシュ氏の発言が事態をエスカレートさせたという声も上がっている。
動物愛護に熱心なカリッシュ氏は「イノシシも自然の一部」と述べ、当局の殺処分禁止を擁護している。つまり市長は市民とイノシシの共存を望んでいるのだろう。
とはいえイノシシが都市に居ついた原因は豊富な食べ物にある。ゴミ箱も畑もイノシシにとっては最高の餌場だ。労せずとも食べ物にありつけることを知ってしまった彼らがここを離れることなどまずなさそうだ。
ロックダウンでイノシシが大胆に。住民への当局の対応は?
増え続けるイノシシに関する当局の方針は不透明で、2019年に1,328頭のイノシシが目撃されたという情報以外、具体的な頭数は明かされていないという。折しも新型コロナのロックダウンにより、その数はさらに増え続けてると予想されるが実情はわからないままだ。
街に出る人が減ったおかげでイノシシの行動は大胆になり、イノシシを巡る住民同士のストレスも溜まっていく。
こうした状況に動物愛護を掲げる当局はどう対応するのか。イノシシに悩まされるハイファの今後の行方が気になるところだ。
References:odditycentralなど /written by D/ edited by parumo
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コメント
1.
2. 匿名処理班
イノシシは一度街に歩かせると人間の食事を
食べることで奇形を生み出す可能性ある
このまま放置しておくのは人間やイノシシにとっても
いいことじゃないし、街にきても得じゃない
環境にするべきだと思うぜ
3. 匿名処理班
こんなことを書くのもなんだが、イスラエルなら速攻で駆除するもんだと思ってた
4. 匿名処理班
イノシシやクマからすれば人間の方が
小さいザコ生物だから追い払う仕草に
ビビらないんだよね。日本もこうなるよ。
住宅街の獣を駆除したハンターを
銃刀法違反で資格剥奪したツケは高くつく。
5. 匿名処理班
自然保誤を選択したのだから被害にグダグダ言うべきではない
無抵抗に受け入れるべき
それを選択したのは彼ら自身
牙にて動脈を切られるのも歯にて噛み砕かれ欠損するのも彼等が選択し欲した事
6. 匿名処理班
イノシシを追って肉食獣とかも入ってきそうな気がするけど、大丈夫?
7. 匿名処理班
害される恐れがないってわかっちゃって、餌があるならいつかない理由はないですね。
以前住んでいたところは、イノシシを含めサルやキツネ、鹿、まれに熊の目撃情報もあるようなところだったから、野良・・・もとい野生のイノシシがうろついている町もそれはそれでアリかなと思います。
8. 匿名処理班
あちょーーーー! 猪鹿蝶!
9. 匿名処理班
ノアはイノシシのつがいを箱舟に乗せた。
ノアの行いを良しとするか否かで意見が割れるんだろうな。
10. 匿名処理班
うちの実家もイノシシ出没地帯だけど、コイツらの突進は乗用車くらいはおしゃかにするパワーだぞ。そんなもん放置するとか正気の沙汰とは思えない
11. 匿名処理班
※9
ノアの箱舟でいちばん気になるのは、なぜ呪われている動物であるはずのヘビをのせたのか?
地上の動物は、一種ごとにつがいを選んで乗せたけど、海の生き物はオッケーなの?
ってか植物はどうしちゃったの?
ユダヤ教、キリスト教のみなさんおしえて
12. 匿名処理班
※4
ワイ神戸市民、イノシシはいうほど珍しくなくなってしまった
13. 匿名処理班
>>12
街中降りてる奴ら、結構行儀いいよね。河原でバーベキューしたり路上飲みする人間よりマナー良い。
14. 匿名処理班
知り合いの猫が死んだので、知人の畑の縁に埋めてらしいが、猪が掘り返して、咥えてもっていった。
人が独りで倒れてたら、眼とか乳房とか睾丸とか、
柔らかい所から食われると、西表島の人から教えてもらったわ。
15. 匿名処理班
野性動物との共存って互いの活動範囲を侵さない事に尽きると思う。勿論人間が決めた人間有利な範囲設定だろうけど。越えてきたら何としてでも追い払わないとお互い不幸な未来しかないよ。
16. 匿名処理班
ロックダウンの助けには成りそうだが、鹿より遥かに危険な奴がこんなに彷徨いてたら解除後も街歩けんぞ
17. 匿名処理班
※13
それ。街中っつーても、芦屋川や生田川みたいな川沿いとか、夜中こっそりうろついたりとかやからな。 人間との距離感をそれなりには持ってる。
どちらかっていうと六甲山とか、山中に暮らしてるやつらのほうが狂暴。
ハイキング中、噛みつかれたって話ちょくちょく聞く。
18. 匿名処理班
うちの地元では、60代ぐらいの女性がイノシシに突進されて
全治1ヶ月の重傷とニュースでは報道されたけど、
その後 数日して敗血症?か何かで亡くなったと聞いた。
19. 匿名処理班
ランダムにちょいと狩って
彼らの目の前で屋外バーベキューなんかして
食べてみたらどう?
20. 匿名処理班
※12
おれも神戸市民
六甲道で見たことがある
信号を守ってた
21. 匿名処理班
※19
ユダヤ教やからブタはNo!
22. 匿名処理班
>>8
だぁーっ!!やられた。もうひと勝負行こう!
次は負けん!!
23. 匿名処理班
イノシシはちゃんと処理すればめっちゃ美味いよ。味は豚肉。当然だけどw 因みに豚は野生化すると数世代でイノシシに戻っていく(牙と剛毛が生えてくる)。そのくらい豚肉。
24. 匿名処理班
最初の段階でしっしっとやっとかんから…
25. 匿名処理班
イノセンス それは猪
26. 匿名処理班
鹿でも怖いのに…
27. 匿名処理班
コロナワクチンに関しては実に迅速で賢明な対処をしたのに……
28. 匿名処理班
>>11
原罪の象徴的な意味で乗せてるとか?
29. 匿名処理班
※10
自分も、猪とぶつかった事あるわ。
沼田浴びでもしていたのか、ゆるいカーブで死角になってる
道路より50cm〜1mくらい下がった田んぼ端の溝から、
目の前にいきなり ぬぅ〜っと上がって来た。
幸いそこまでスピードを出してなかったので
急ブレーキでほとんど止まりかけの所にぶつかったけど、
それでも車に泥だらけの傷がたくさん付いて
ナンバープレートのフレームが割れたり
中のラジエーターが曲がったりした。
ちなみに、車とぶつかって転げ飛んだ猪は、
倒れた状態から一呼吸置いてゆっくり起き上がり
じっと車の方を睨んでいた。結構大きい猪で、恐かった。
30. 匿名処理班
※12
同じく神戸市民やが、庭の家庭菜園をメチャクチャにされたことあるわ
夜の移動ルートが決まっているから、一度家の前の道路を移動ルートに設定されると何度も被害にあう
毎晩イノシシが庭に入ると弟と2人でバット持って襲い掛かってたらルート解消されたわ
あと、糞尿の被害もあったわ、排便排尿場所も決まっていて、雑食だから臭いも酷く、家の前をトイレ認定されたら、これも何度も被害にあう
でも犬を飼ってからは家に近づいて来なくなったから、被害があるなら犬がおススメ
31. 匿名処理班
奈良の鹿でも集団で暴走したり(オスの集団が何かのきっかけでスタンピード状態になる)すると「高速で移動する大きな凶器」になるのに、イノシシはさらに重量級でずっと凶暴よ?なにがキッカケでスイッチ入るかわからんのにノンキな話やね〜
奈良の鹿に擬えられてるけど、小鹿の可愛いシーズン、近くの母鹿は特に神経質になっていて凶暴化、気づかず呑気に近寄る観光客の被害も少なからず…なことは地元では常識中の常識。ウリボウなんていた日にゃまず遠巻きにして離れるのが得策。
奈良の鹿でも駆除したいくらい(できへんけどね)地元では畑の作物食い荒らしたり、ゴミ箱あさったりの被害で住民困ってるのにイノシシ如何ばかりか…天然記念物とかで保護対象じゃないんなら動物愛護とか言うとらんと駆除も考えんと、なんかあってからやと遅いんちゃうかなぁ…
イノシシもシカも美味しいんだから食べちゃえばいいのに…
32. 匿名処理班
※23
ユダヤ教徒食べられない
33. 匿名処理班
イスラエル。コロナワクチンの普及はあんなに迅速だったのに、
何故?害獣対策では、こんなにもたつくのか……
34. 匿名処理班
※23
臭い猪に手間かけなくても豚のほうが美味しい。
35. 匿名処理班
>動物愛護に熱心なカリッシュ氏は「イノシシも自然の一部」と述べ
こんな都市の一部じゃないでしょうに。「都市も自然の一部」って言うのかな。
イノシシを保護したいこの市長さんや支持者の家屋敷や家族身内、もしくは自分自身が被害に遭っても考え変わらないんだろうか。
自宅敷地は高い塀に囲まれていたりどこへ行くにも安全な車の中だとしたら、一般市民が危険にさらされてることが理解できてないのかもしれないけど。
36. 匿名処理班
※35
中世ぐらいまでは
ブタを都市部で放し飼いにしてた所もあるけど、
現代はなぁ…。
広大な牧草地が必要な牛や羊と違って、雑食の豚は
都市部に放っとけば人間の残飯や便所の汚物を勝手に食べて
安上がりで肥育できるという利点があった。
また、都市から出るゴミ・糞尿の掃除屋としても重宝した。
…が、やっぱ突進事故は多いし(12世紀フランスのルイ6世の長男フィリップ王子は、パリの広場で豚に突進されて落馬死した)、
民家の戸をうっかり開けっ放しだと、目を離したうちに
気付いたら赤ん坊を食われてた、みたいな話もあるし。
中東やインド(非イスラム教徒も含め)が豚肉を嫌うのも、
宗教的なヒステリック信仰というより、
そういう汚物処理係の豚に対し「汚ぇ! エンガチョ!」と
衛生的な忌避意識があったのが根幹といわれたりもするし
(そもそも聖書の食物禁忌って当時の生活の知恵の文書化だし)。
37. 匿名処理班
※34
全く判ってなくて草
38. 匿名処理班
>>35
ハイファ大学行ってたけど、あの辺りって山がちで、瀬戸内の街みたいなところなのよね。
田舎に突然オフィス街なので都市の方が異物って感じはある。とはいえ危ないのは確かだしどうにかして欲しいわ。
39. 匿名処理班
※3
奴らが積極的に駆除したいのはパレスチナ人だけだろ