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お湯で分解できる生分解性プラスチックが開発される

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(著) (編集)

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photo by iStock
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 プラスチックによる汚染は、今私たちが直面している最大の環境問題の1つだ。海洋汚染はもちろん、人体植物からもマイクロプラスチックが蓄積されていることが明らかになっている。

 微生物によって分解されたり、堆肥になったりする生分解性プラスチックが注目を集めているのはそのためだ。

 これまで、そうしたプラスチックには特定の条件で処理しなければならないという問題点があった。だが、米カリフォルニア大学バークレー校が新たに開発した生分解性プラスチックは、一般家庭でも処理できるくらい簡単に分解することができるそうだ。

酵素がプラスチックを分解し、乳酸に変える

 『Nature』(4月21日付)によると、その新型プラスチックは「ポリ乳酸(PLA)」か「ポリカプロラクトン(PCL)」でつくられている。

 これらは生分解性プラスチックにはお馴染みの素材だ。だが新開発のプラスチックの繊維には、ポリマーによってコーティングされた特殊なナノスケール酵素が混ぜられている。

 常温で使うなら、酵素が働き出すことはない。だから、ごく普通のポリエステルとして使うことができる。

 ところがお湯に触れると魔法が発動する。酵素がプラスチックを分解し、乳酸に変えてしまうのだ。乳酸になってしまえば、あとは土の中にいる微生物が食べてくれる。

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生分解性プラスチックのビフォア(左)・アフター(右)。40度の水にPCLをつけると、36時間以内にほとんどが小さな分子にまで分解(image credit:Christopher DelRe, UC Berkeley)

お湯に数日つけるだけで分解される

 その分解性能を試してみたところ、PLAプラスチックなら50度のお湯につけただけで6日以内に、PCLプラスチックなら40度のお湯で2日以内に分解されたとのこと。

 一般的な堆肥や家庭用の水道水の中で最大98%が小さな分子にまで分解されるために、たとえば処理施設で堆肥とプラスチックを分別するなどという手間が省けるし、園芸好きのご家庭でも簡単に利用できるそうだ。

 またマイクロプラスチックが一切残らないところも重要な点であるという。

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credit:Christopher DelRe, UC Berkeley

低い温度や、湿気や汗では溶けない

 また、低い温度ならば、湿気で溶けないことも確認されている。室温で3か月間放置したところ、劣化は起きなかったという。

 ポリエステルは衣服に使われる合成繊維として一般的なものなので、これも大切なポイントだ。部屋の温度なら溶けることもないし、洗濯する際の設定温度に気をつければ溶けることはない。

 劣化したらお湯で溶かして土に還すことができる生分解性プラスチックは様々な応用ができるだろう。

References:Scientists Develop Biodegradable Plastic That Easily Breaks Down With Just Heat And Water | IFLScience/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 41件

コメントを書く

  1. なるべくプラは使わない、どうしても使うなら自然に還せる素材にする…
    最高じゃん、ぜひやってくれ。

    • +9
  2. キャンプや登山の食品梱包用として有望だね
    最悪捨ててしまっても速やかに自然に還るから環境に優しい

    • -11
  3. なぜ、体温と汗で溶ける、まで踏み込んで研究しなかったのか!

    • +3
    1. ※3

      こらこら。魂胆ミエミエぞ。 いや…魂胆エロエロぞ。

      • +4
    2. ※3
      別売りで「衣服だけ溶かすスライム」がござい・・・

      • 評価
  4. 全て融けてなくなる物、全く融けない物
    プラスチックに限らず
    この特性って惹かれるよなぁ

    • +1
    1. >>5
      マインドチェンジの成果だすばらしい
      自分も頑張らないといけないと感じた、とか言うだけやろ

      • +5
  5. カップラーメンの火薬の袋に良いかと思ったら分解するのに数日か

    • +4
    1. ※6
      >カップラーメンの火薬

      こわいわ(笑
      「加薬」ね。薬味を加える。

      • +2
    2. ※6
      プラスチックじゃないですけど、オブラートって便利なモノがありますね。
      たぶんプラスチックの良いところは、安い、作りやすい、強度がそこそこにあるなどで、オブラートではむずかしいのでしょうね。

      ※7
      ピノなら下の枠というかシートというかそれにも使えそうですね。

      • +1
  6. うっかり高温多湿の環境に放置したら
    アウトか。17アイスの棒とかピノの
    爪楊枝になら使えるな。

    • +8
  7. 半分くらい溶けたところで放り出しても分解するならいいね。
    なかなか最後までは面倒くさい人が多いみたいだから。

    • +3
  8. 紙袋はプラ袋より更に環境負荷が高いから、はやくこれが広まるといいね

    • -1
  9. 40度で分解だとちょっと不安かなぁ
    60度位だと余裕が有って良いと思うけどな

    • +6
  10. お湯って微妙に使いづらい気がする。
    もし外に捨てられたとして、分解されるにはお湯に長時間触れる必要あるけど、
    そんなことあるかな。
    人が捨てるときにも、他のプラは資源ゴミ、
    その種類のプラだけ何日もお湯に浸けて・・・てこともしないだろうし。

    • +10
  11. ここに予言する。
    この繊維が一般化されたら、少年マンガでお湯がかかって服が分解されてラッキースケベみたいな場面がたくさん描かれるだろう。
    そして歪んだ性癖を持つ子どもたちが量産されてしまうのだ……!

    • +4
  12. 40°Cの温度で2日以内ってことは、コロナやインフルエンザで高熱出して寝てたら汗で溶けるかもしれないってこと?
    たくさん汗かいたら着替えるだろうけど。

    • +4
    1. ※13
      体表がすべて高熱を出すわけじゃないし、放熱のために出す汗なので、表皮から出た時点で40℃もないでしょう。

      • 評価
  13. 40℃とか昨今の夏場ならすぐじゃん
    ペットボトルとか桶とか液体に接する使い方は避けた方がいいな

    • +7
  14. お湯を沸かすためのエネルギーを作り出すために二酸化炭素が排出されるというオチ

    • -2
  15. レジ袋を使わないって規制するんじゃなくて、自然に還るレジ袋を使うってのが文明人の考え方だよな

    • +4
  16. もうマイクロプラスチック分解する細菌をバラ撒いたほうが早くないか?

    • +3
    1. ※18
      自然界に自然に存在しますのでご安心を
      マイクロプラスチックの様に表面積を大きくしてもらえるとよりかつやくします

      • 評価
  17. これで服や水着作るメーカー出てくるだろ

    • 評価
  18. 20年後はこうやってプラスチックを分解できる装置が一般家庭で義務化されてるかもしれない

    • 評価
  19. 生分解性プラスチック
    毎年いくつも新開発されてるが
    開発ばかりで普及は目指さないの?

    • +4
    1. >>23
      特定条件下で分解されるだけで日常使用での劣化が普通のプラスチックと同程度なら良いんだけど、生分解性プラスチックって通常環境下での劣化もめちゃくちゃ早いから、プラスチックとしての使い勝手が悪いんだよね。
      製造から使用、廃棄までのサイクルが短期間で確定してるものでないと使えない。

      • 評価
  20. これで安心してマックシェイクが飲めるストローが出来る♪

    • +1
  21. 常に冷やされてる冷食とかの食品パッケージにはいいかも。

    • +1
  22. 高温多湿の地域だとダメなんじゃないかな?

    • +2
  23. 40℃って事は服に使うと炎天下の車に乗るとドロドロに溶けるのか…

    • +2
  24. 誤って食べても消化して排出できるビニールを開発できればな

    • 評価
  25. 銀河英雄伝説でみたわ
    あれは特殊な酸が必要だったんだっけ?

    • 評価
  26. 高温多湿では難しいのかと思うけど、40℃キープしなければいけないなら昼夜で気温差があるから放置のみでは分解されないかな?
    地熱でいけるならコンポスト用意すればご家庭単位で解決できる日がくるかもしれない。素晴らしい。
    便利に慣れすぎた体になってしまったので、科学者研究者の皆様には頭が上がりません。

    • +3
  27. 有機的な分解ではなく粉化?
    これで小さくなったものって
    マイクロプラスチックなんじゃないか?

    • 評価
    1. >>37
      ポリ乳酸(乳酸が重合、つまりたくさん繋がってできたもの)が、その構成要素たる乳酸にまで分解されるってことじゃない?
      ちな乳酸はヨーグルトとかチーズとか糠漬けとかの酸っぱい味の成分な。食っても無害、むしろ動物の細胞に普通に含まれる物質。

      • 評価
  28. これはあまり知られてない事ですが、実はプラスチックって石油が材料なんですよ

    • 評価
  29. 農業用マルチとしては使いにくな・・・

    • 評価

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