この画像を大きなサイズで見るベノムとかポイズンとか「毒」と言う言葉にはなぜか不思議な魅力がある。自然界には猛毒で獲物を仕留める動物や天敵を毒殺する植物が多数存在するが、人間は今のところ毒を利用するのみで、自らの体内に「毒腺」が備わっているわけではない。
だが、『PNAS』(3月29日付)に掲載された研究によれば、少なくとも毒液で武装するポテンシャルなら人間にもあるようだ。
それどころか、あらゆる爬虫類と哺乳類には毒を作り出す土台となるものが備わっているらしい。毒を生成するのに関連する器官は唾液腺だという。
唾液腺は強力な毒腺に変化する
毒を作る土台とは、唾液腺に関係している遺伝子のことだ。
クモやヘビなど、口から毒を分泌する動物はたくさんいる(なお霊長類では、唯一スローロリスが持つ)。じつはこうした口内の毒腺は、唾液腺が変化したものだ。
唾液腺の遺伝子はとても柔軟で、動物界では個別に100度も毒の進化が起きている。それでいて、生物毒に含まれる毒素の多くは、さまざまな種に共通して見ることができる。たとえばムカデの毒の成分は、ヘビ毒にも含まれている。
この画像を大きなサイズで見る有羊膜類に共通する毒遺伝子セット
今回、沖縄科学技術大学院大学に在学する博士課程の学生アグニーシュ・バルア氏らは、毒に関連している「ハウスキーピング遺伝子」(細胞の基本機能を維持するために不可欠な遺伝子の総称)を調査。
その結果、沖縄で生息域を拡大している外来種のタイワンハブから、あらゆる「有羊膜類(ゆうようまくるい)」(胚に羊膜がある動物。爬虫類、鳥、哺乳類など)の組織に共通する遺伝子セットを発見したのだ。
それらの多くはタンパク質の折りたたみに関係してるもので、バルア氏によれば、毒素がタンパク質から作られることを考えれば、理にかなっているという。
人間も毒遺伝子を持っている
同じハウスキーピング遺伝子は人間の唾液腺からも見つかっている。ちなみに唾液腺もまた大量にタンパク質を作り出す器官だ。
こうした遺伝的な土台があるからこそ、動物たちの間ではさまざまな毒が独自に進化することができた。哺乳類やは虫類ならば、どの生物にも口から毒を分泌するシステムの基礎が備わっているということだ。
この画像を大きなサイズで見るヒト毒の基本となるタンパク質
人間ですら、色々な毒分泌システムで使われている重要なタンパク質を生産している。それは「カリクレイン」という唾液に含まれるタンパク質で、他のタンパク質を消化する力がある。
カリクレインはとても安定しており、突然変異したからといっていきなり機能しなくなったりはしない。そのおかげで、変異したときに、より苦痛を与え、より殺傷力(たとえば血圧を急激に低下させる)のある毒になりやすい。
ゆえにカリクレインは、人間が毒液を発達させるための理論的なスタート地点になる。だが現実には人間が今の食生活やパートナー探しをしている限り、その可能性は低そうだ。
この画像を大きなサイズで見る生態に応じて進化する毒
生物が毒を進化させる理由は、身を守るためか、獲物を仕留めるためだが、それは自然選択によってその種のニーズに合わせたものになる。
たとえば、ある砂漠のヘビは同じ種であっても生活環境によって毒の種類が異なる。
ひらけたところに生息するヘビなら、その毒は循環器系に効く。彼らの主な獲物はネズミだが、こうした環境ならすぐに殺さなくても、毒で弱った個体を追跡するのはさして難しくない。
ところが主な獲物がトカゲになる岩がちな山岳部では、強力な神経毒になる。即座に仕留めることができなければ、岩陰などにすぐに逃げられてしまうからだ。
哺乳類にも毒を持つ生物はいる。チスイコウモリの毒は、獲物を仕留めるためではなく、食事がしやすいよう傷口の血液が固まらないようにするためのものだ。
トガリネズミやソレノドンは、その毒で大きな獲物を屈服させることができる。トガリネズミはときには獲物(昆虫など)を麻痺させて、保存食にすることもある。
また珍獣カモノハシは口から毒を分泌するわけではないが、後ろ足に毒爪を持っており、メスや縄張りをめぐる同種同士の戦いでそれを使っている。
この画像を大きなサイズで見る人間は毒を作る必要性がなかった
一方、人間も独自の道具や社会構造を発達させてきたが、食料を獲得するためにも、パートナーを獲得するためにも、毒を使う必要性は今のところない。
毒を作るという行為は、必要なタンパク質を生産するためにエネルギーを消費する行為でもある。だから無駄に発達させる必要はないし、使われなければ簡単に消えてしまう。
たとえば、ウミヘビの仲間には退化した毒腺を持つものがいる。それらはかつて魚を食べていたが、卵を食べて生きることにしたために、獲物を仕留める毒が必要なくなり、結果としてそれを失った。
毒遺伝子の医療への応用
なお生物の毒は危険なものでありながら、その背後にある遺伝子を理解すれば、医療に応用できるかもしれない。
たとえばコブラの強力な毒を作り出す遺伝子が、脳の中でも発現してしまえば、その個体はあっという間に死んでしまうだろう。そうならないよう、コブラは異なる組織における遺伝子の発現をコントロールしているはずだ。
その方法が解明されれば、がんなどの治療に役立つかもしれない。というのも、がんによる症状の主な原因は、組織が無秩序に成長し、間違った場所に本来あるべきではない物質を分泌してしまうことだからだ。
References:
・Humans Will Probably Evolve to Be Venomous
・Humans Have The Biological Toolkit to Have Venomous Saliva, Study Finds
/ written by hiroching / edited by parumo
追記:2021年4月の記事を再送してお届けします。
















そらアンタ、毒吐いてる奴なんぼでも居てますがなw
>>1
毒蝮三太夫のことかーーーーっ?!
毒が装備されたとして、うっかり口の中噛んだり切ったりしたとき、自分の毒でやられるという悩みが発生する世界線が来るのか。
弱毒化する薬やら手術やらが、痛み止めやワキガ手術の様にありそうな世界だわ。
ペロッ…これは…俺の毒!
くそっ ! 俺の唾液腺が覚醒してしまうッ ! !
鎮まれ、俺の唾液腺・・ ッッ! !
噛み付いて獲物を獲る or 敵を斃す、が生存に必須の世界になったら、ヒトも毒を獲得できるかもしれんようになるっちゅうことやね。
それはそれとして、蹴爪毒持ってるカモノハシはやっぱ変な奴だなって。
ホンマなんでなんやあいつら。
※4 ちょっと笑ったw
人間だって毒を持っとるやん。口舌の刃ってやつ。
毒=消化液みたいなもんだしな
これがほんとの毒舌ってか
掲示板で言葉の毒ばかり見てると
心が死ぬよ
僕の親も持ってますよ
言葉によって毒を撒く奴もおるしな
歯科医「ちょっと怖いな・・・。」
唾液腺より先に腎臓肝臓に貯毒する習性を獲得するでしょ
人間が苦玉だ熊の胆だあん肝だと可食性によって選別していることの裏返し
捕食者=敵に対抗する一番手っ取り早い方法
たまに舌下のあたりから唾液がサーッと飛ぶことありますけどこれが毒だったらやべーよなって思う
先日の記事に有った毒を放つ女性は摂取した薬物由来だっけ?
突然変異でああなる可能性もあるのかな
キスは殺し合うのやめようっていう約束なのか
じゃあ次のゾンビ映画に追加設定だな。
博士 「やつらは唾液腺が変化して毒性蛋白質を作り出す」
女性 「どういうこと?」
主人公「噛まれるとヤバイってことさ」
古代インド人「見目の良い女児を何人か調達してきます。幼い頃から少量の毒を食事に混ぜて摂取させます。徐々に毒を強くしていきます。ほとんどの子は成長過程で死にます。生き残った娘は、本人は耐性を持ちながら その体液は他人を死に至らしめる、『毒乙女』の出来上がり。この毒娘を、妾として 藩主の寝所へ 暗殺用に送り込みます。」
人間には毒を作る必要性がなかったからといって毒を作る突然変異が起きない理由にはならない。
案外、理由のわからない体調不良、鬱、病気、死亡のいくらかは唾液腺の変異によってできた毒によるものだったりして。
恐怖!毒男・毒女
ちょっと甲賀忍法帖してくる!!
言いたいことも言えない世の中だからなぁ
と思ったけどSNSというタン壺があるうちは進化しなくて済むかな
くらえ! 歯周病菌毒素
※24 なんの、加齢口臭波を受けてみろ!!
※24、33、
おまーら、臭そうな闘いやめれw
ウィキ先生よればスローロリスは「肘の内側の腺から出る分泌物を舐めて唾液と混ぜることで刺激臭のある毒を生成し、それをグルーミングによって全身に広げる」みたいだよ。
毒っちゅー概念や
ラスプーチンは毒に耐性があったそうだがあいつは体内でその手の生産できたのかも、フェロモンとかもつくれるから女を誑し込むとかもできてたのかもしれない
※27
ラスプーチンは甘党でケーキのクリームと青酸カリが反応して凝固して無毒化した説や、青酸カリの保存が悪くて変質した説有りますね。
人間の『毒』は生物毒と言うより、精神的ストレスを過大に与える『精神毒』の方が強烈。
脳や精神が冒される。
あらゆる元素が摂取しすぎれば毒になるとはCSIの主任が言ってたよ
なんかホラー映画で使えそうなアイディアだな
耳嚢に「人の齒にて被喰しは毒深き事」という話があったが
咬傷による感染症がヤバいのは人も動物と同じ
毒霧吐いたりするもんな
称号 毒術師 の効果により、スキル 毒合成LV1 毒魔法LV1 を獲得しました
自分のはそれほどでもないのに、犬猫のような動物にしろ他人のしろ、唾液ってやたら臭く感じるんだけど、毒の由来やら気配的な何かをそれとなく察知して忌避してるからなんだろうか。
まあ全然関係無さそうでもあるけど。
キスした毒で相手を操るとか
マンガのネタにありそう
>>36
それ、ハンターハンターのインスタントラヴァーです💧
毒の効果は無いけど……一応、操作系の念になっていた。
毒と薬(生体にとって有益な成分)は紙一重だからな
生体にとって有益な成分を作り出す仕組みがあれば、
少しそれが変化すると、毒を作り出す仕組みになると思う
て言うか、毒自体を有益な成分として使っている種も有るな
ペット飼ってるから自分に毒がなくてよかったと心底思う
おかげで今日も猫のふわふわのお腹を吸えるんだ!
悪口言うと毒が出るのってこういう事だったのか
抗体も菌やウイルスにとっては毒みたいなものかな
人の毒は悪意で充分。
毒以外の殺傷能力の方が有能だったんだろう
言語含め
毒はなくても自分が病気になって唾液をかけることによって武器にはなるよね
即効性はないけど
聞いた話だけど、人間が怒ってる時の息をビニールに入れてその中に虫を入れると死ぬとかなんとか・・・
自家中毒とかもそうなのかな?子供の時なったけどストレスで毒作ってしまってなんたらって言われて気がするけど
嫌いな奴に唾をはくのはこれだった?
人間にも何らかの毒を作れるってこと?
俺も歯を磨かず寝た翌朝にドブのような臭いの毒ガスなら吐けるよ?
こんな言いたい事も言えない世の中じゃ
人間は毒を出す必要ない上に、他の生物にとって毒植物を喰ってるじゃないか。
虫が嫌がる成分を分泌する香草を調味料として喰う。
タマネギだって犬猫にとっては猛毒なのに人間は生で喰う。
人って結構毒になれてるぞ。
ほぼ全てのポケモンが技マシンで「どくどく」を覚えられるの、前から不思議だったんだけど腑に落ちたわ。
まあ普段から体内で塩酸作ってるわけだしな。
※53
まぁ、胃液がそもそも消化酵素主体の毒液みたいなもんだからな。
あれって個人個人で構成成分が微妙に異なってるらしくて、胃の粘膜は他人の胃液に対しては何の防御能力も持たないんだとか。
だから他人の胃液が胃の中に入り込むと焼け爛れてのたうち回ることになるらしいと聞いたことがある。
毒「口撃」ならできるぞ、と言おうとしたけどもう言われてた
毒と言う概念がそもそも良く分からん
有害なものと言うのであればほぼ100%の物質が有害だし
犬猫なんかは玉ねぎやチョコレートも毒だというし
言葉の方も毒を吐くとその毒で自分もやられるんだよね
酷い事いっちゃった…って
その毒が耐えられないから普通の人は人と距離を取って気を付けるか
私は悪くない!って理由を無理矢理創り出して拗らせて痛い目を見るまで止まれない
9割後者
人間には解毒できない言葉と言う毒がある
人間に何の害もないから唾液を毒だなんて考える人はいないけど、ある種には致命的な毒になってることもあるんじゃないかって気がしてきた
デンプンを分解する酵素がめちゃ多い人がいるってのは聞いた事ある。そういう個体差が環境等で否応なく煮詰められると毒になっていったりするんだろうね。
毒矢つくり放題やん
SF小説で他国に潜入したスパイが武器は持てないから
唾液腺に毒を仕込んでるっていうのがあったが
まったく荒唐無稽って訳でもなかったんだな
内容と関係ないけど、写真のカモノハシの足の下にもう一つ足が見える
何故か足だけ
唾液は毒。
吉村卓怖いな
先天的に素質(変異)のある人間が、そういう生活を続けたら普通に毒を生成出来る様になりそうだね
体外消化する唾液がそのまま毒(と呼ばれるモノ)になる生物も一杯居るし
山田風太郎キャラみたいな人間も探せば実際に居る(居た)かも
まぁそうなっても口の中や消化管痛めてても自分にはあまり効かないだろうねw
蛇もコモドドラゴンもその他有毒生物も、自分の毒で死んだと思しき個体なんてほぼ見つかってないでしょ