
クマとオオカミがばったり遭遇 image credit:seth_royal_kroft/Instagram
アメリカのアイダホ州、モンタナ州、及びワイオミング州に位置する世界遺産のイエローストーン国立公園は、壮大な景色を広域にわたり楽しめることで有名だが、ハイイログマやハイイロオオカミ、アメリカバイソン(バッファロー)やヘラジカなど様々な野生生物の生息地としても知られている。このほど、モンタナ州在住の写真家が同公園でハイイログマとハイイロオオカミが遭遇した貴重な光景をカメラに収め、SNSにシェアされた。
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Yellowstone grizzly 791 defends elk kill from grey wolf
川辺で休むハイイログマにハイイロオオカミが接近
9月24日、モンタナ州在住の写真家セス・ロイヤル・クロフトさんは、イエローストーン国立公園を旅行中、一生に一度と思えるような貴重な光景を目撃し、カメラに収めることに成功した。その数日前から、クロフトさんは1頭のハイイログマの行動を追って撮影を続けていた。そのハイイログマは、巨大なヘラジカを仕留め川岸に引っ張った後、獲物の近くで休息を取っていたという。
そこへ、1匹のハイイロオオカミが、森から姿を現した。
日の出の20分ほど前ということで、周りがまだ薄暗い午前6時過ぎに現れたハイイロオオカミは、どうやらヘラジカの死骸の臭いに惹かれたようで、そろそろとクマのいる場所へ接近した。
クマとオオカミが対面するという光景は、これまで数多くのクマの写真を撮影して来たクロフトさんにとっては初めてのことで、その瞬間には大興奮したようだ。
私はモンタナで育ち、山や自然と身近に暮らしてきました。野生生物を日常的に目にすることが多かったことから、自然と彼らの姿を撮影する写真家になり、何年にもわたって撮影を続けてきました。
これまで、キャンプ中に何度もアメリカクロクマに遭遇したことがありますが、ほとんどの状況に置いて比較的無害でした。もちろん、念のためにいつもスプレーを携帯しています。
ハイイログマに出会ったのは、イエローストーン国立公園のみで、ほんの数回だったため、ハイイログマとオオカミとの遭遇は私のとって一生に一度あるかないかの貴重な光景だと思ったのです。(クロフトさん)
クマとオオカミは今も昔もうまく共存している
クロフトさんがカメラを構えた時には、川に霧がかかっており、まだ暗かったため、撮影は難航した。しかし、一旦去ったと思われたオオカミは、どうやらかなり空腹だったようで、ヘラジカを狙って再び数時間以内に数回戻ってきたという。
ハイイログマは、侵入者(オオカミ)をあまり気にかけていない様子だったようだ。
巨体のクマは、オオカミ1匹ぐらい脅威にもならないことを知っていたのでしょう。オオカミは、イタズラ好きで遊び心のある態度をクマに取っているように見えました。まるでゲームでもするようにね。オオカミとクマが接近したのは、合計4回。しかし結局、オオカミがクマの餌にありつけることはなかったようで、やがて諦めて森の中へ姿を消したそうだ。
そしてゆっくりとヘラジカの死骸に近付き、あと僅かというところになると、クマに素早く追い払われていました。(クラフトさん)
ハイイロオオカミは、同国立公園での繁殖に成功し、近年はその個体数が安定していることが確認されている。
この公園には、他にも多くの野生生物が生息しているが、今のところハイイログマ、アメリカクロクマ、ハイイロオオカミの3者は、相互回避を特徴とし、こうした遭遇の機会はかなり稀のようだ。
もちろん、繁殖期や空腹時など攻撃性に変化はあるが、たいていの場合3種の間では脅威的態度は見られず、歴史的に彼らが北米の大部分で生息地を共有してきたように、今もうまく共存しているといえよう。
ちなみに、こちらの動画も今年9月に撮影されたもの。同じく川辺でクマとオオカミが遭遇している。
The Wolf and the Bear - an encounter in Yellowstone National Park
なお、フィンランドではヒグマとハイイロオオカミがタッグを組んで餌を共有している実に貴重で珍しい光景が捉えられている。
written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
クマ・オオカミ(名前ほど灰色じゃねえなあ・・・)
2. 匿名処理班
新垣結衣と多部未華子みたいに「意外に仲良い同級生」だったりしてね。
3. 匿名処理班
緊張感という言葉の状態を説明できる動画
4. 匿名処理班
日本では最近クマが山から降りて来るニュースが多いね
ドングリとか食べ物が不作なのかな心配だよ
5. 匿名処理班
狼さん、このあと無事に餌にありつけていたら良いな。狼好きなんで(*´ω`*)
6. 匿名処理班
クマの余裕っぷりもさることながら
カラスも仲間にいれてほしそうに見ている
7. 匿名処理班
クマも普通に大型の獣狩るのか
ちょっと意外
8. 匿名処理班
絶・天狼抜刀牙を出したりはしないのね
9. 匿名処理班
大阪のおばちゃん「あんたら、灰色同士なんやから仲ようしー」
10. 匿名処理班
カラスは普段通り自由や
11. 匿名処理班
「食べないの?だったら、オレ食べちゃうよ〜w・・・じょ、冗談!冗談!」
12. 匿名処理班
🎵LOG JAM LOG JAM
森の楽しい仲間〜(ここ歌詞適当)
13. 匿名処理班
最初周りの木の枝のせいでシカが横たわってるの気が付かなかった。だけどヘラジカではない気がする。ヘラジカの角はもっと板みたいになってる
14. 匿名処理班
北欧だとオオカミとクマが組んでた例もあったしこのくらいの「休戦」ならいくらでもあるのかも知れない
15. 匿名処理班
※4
熊保護論者は山の環境のせいにしたいみたいだが、毎年数千頭が殺処分されても今の状況だから、明らかに増えてるんだよ。
鹿やイノシシも増えてるから、その死体を食べてると推測。(かなり増えてるのに死体はなかなか見ないもんね)
16. 匿名処理班
カラスがでかい!
17. 匿名処理班
ハイイログマ(グリズリー)の肩の盛り上がりがえげつないな…
18. 匿名処理班
こいつらが戦いになった場合、
どっちが勝つか予想するのは難しいな
グレーゾーンだ
19. 匿名処理班
ハイイロオオカミってでかいなあ
横はとにかく縦はヒグマにまけないじゃん
20. 匿名処理班
※13 北米ではアメリカアカシカをエルクと呼ぶみたいだね。欧州・アジアのヘラジカとは別、北米でヘラジカはムースと呼び分けてるみたい。
クマも食べきれずかくしているから、ウルフも後でちょっと食べられるといいな。クマがどんな風にシカを狩りするのか、見てみたい。
21. 匿名処理班
お互いに「チッ、食えない奴だ」
22. 匿名処理班
目の前に獲物があればよっていくよね
23. 匿名処理班
双方とも犬の派生だからね。
直前にヘラジカの臓物に鼻を突っ込んでいたから
すぐそこの強烈な熊の匂いがわからなかったか。
24. 匿名処理班
>>2
誰?
25. 匿名処理班
やはりオオカミは、集団で狩りをしないと
26. 匿名処理班
※18 きっと子供を攻撃されない限り、戦わないよね。
そしてお互いの子供を本気で攻撃する話は、まだ聞いた事がない。
でも威嚇はするね。
あるTV番組で、一頭のコグマを連れたクマとオオカミ2匹が
出会った。オオカミたちはコグマを威嚇するようなポーズをし、
母グマはコグマをお腹の下にいれて、オオカミを追い払う。
少し繰り返して、オオカミは去って行った。
自分にはコグマにオオカミたちが「オレたちこわいんだぞっ」
て教えている儀式のように見えた。
27. 匿名処理班
>>24
ただの世間知らず露呈しても恥ずかしいだけって気づいた方がいいよ